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■国家の力が及ばない部族 田中宇 10月15日

『 パキスタン領内なのにパキスタンの国家の力が及ばないこの不思議な部族地域は、アフガニスタンとの国境沿いに南北の長さ約1000キロ、東西の幅50-200キロにわたって広がっている。10月8日にアメリカがアフガニスタンを攻撃した後、暴動が起きたクェッタとペシャワールは、いずれも部族地域に隣接している。』

『 パシュトン人は、誇り高く、古式ゆかしい山村の人々である。だから彼らは「傀儡政権」を嫌い、イギリスやソ連の支配と戦い、パキスタン政府にも服従しなかった。彼らを「テロリスト」などと呼ぶのは外国人の勝手だが、彼らには彼らなりの歴史と伝統がある。アメリカや、今や薄っぺらな概念になりつつある「国際社会」が、それを尊重し、理解しようとしない限り、彼らの方も抵抗を止めることはないだろう。』

『 それを無視して、アメリカがタリバンを倒してシャーを指導者につけ、パキスタンがその新政権を支持した場合、アフガン側だけでなく、パキスタン側のパシュトン人地域でもパキスタンからの分離独立を目指す、かつての「パシュトニスタン」の独立闘争が復活しかねない。パシュトン人は、パキスタン軍の兵士の25%を占めており、パキスタンが内戦に突入することは間違いない。』

『 むしろ、大テロ事件より前の状況を振り返るなら、アメリカはタリバンと交 渉し直した方がいいと思われる。』

■陰謀中毒症患者

質問:CIAの元長官、ロバート・ゲイツは、彼の回顧録『物陰から』の中で、 ― 「アメリカの情報機関はソビエトの干渉の6か月前にアフガニスタンでムジャヒディ ンを援助し始めた」―と述べた。この期間に、貴方はカーター大統領の国家安全保障 補佐官であった。したがって貴方は、この工作で何らかの役割を果たしたと思われる が、その通りか?

ブレジンスキー:はい、その通り。政府の公式発表に基づく歴史によれば、ムジャヒ ディンに対するCIAの援助は1980年、すなわち、1979年12月24日にソビエト軍がアフガニスタンに侵攻した後に開始されたことになっている。しかし、現在まで極秘にされてきた事実に基づくと、この記述は完全に間違っている。実際には、カーター大統領がカブールのソ連寄り政権の敵手に対する秘密の援助のための最初の指令に署名したのは、1979年7月3日であった。まさしくその日、私は、大統領に向けて、この援助がソビエト軍の干渉を誘発するであろうという私の意見を彼に説明するための書面をしたためた。

質問:この危険を承知の上で、貴方は、この隠密作戦の唱導者の一人となった。とこ ろで多分、貴方自身、この時にソビエトの参戦を望み、この作戦を、それへの挑発と 看做していたのではないか。

ブレジンスキー:全くその通りとは言えない。我々はロシアが介入するように背中を 押したわけではないが、故意に彼らがそうする可能性を増やしたのである。

質問:ソビエトが彼らの干渉を正当化して、彼らの意図が、アフガニスタンへのアメ リカ合衆国の隠密の関与に反対して戦うことにあったと主張したとき、人々はそれを 信じなかった。しかし、真実の基礎があった。貴方は現在、何ら後悔しないか。

ブレジンスキー:何を後悔せよと言うのか。あの隠密作戦は卓見であった。あれは、 ロシアをアフガニスタンの罠に嵌める効果を挙げたのであって、それを貴誌は、私に 後悔せよと言うのか。ソビエトが公然と国境を越えた日、私はカーター大統領宛てに 書いた。我々は今、ソ連にヴェトナム戦争を与える機会を得た、と。その通りに事態 は進み、ほぼ10年の間、モスクワは、政府が耐えられない戦争を続けねばならなくなり、その紛争が軍の士気崩壊とついにはソビエト帝国の解体をもたらしたのである

質問:貴方は、イスラム[ 原理主義 ]を援助し、将来のテロリストに武器と助言を与 えたことについても全く後悔しないのか。

ブレジンスキー:何が世界の歴史の上で最も重要なのか。タリバンか、または、ソヴィエト帝国の崩壊なのか。わずかばかりの扇動されたイスラム教徒なのか、あるいは中央ヨーロッパの解放と冷戦の終結なのか。

■欧米人の命とアフガンの命

[イスラム教]聖職者のルイス・ファラカンが火曜日[16日]、ブッシュ大統領に電話をして、オサマ・ビン・ラディンが9月11日のテロリスト攻撃に関与したのかどうかを 判断できるように、証拠を公開せよと要求した。

火曜日に彼は再び、アメリカの指導者に外交政策を再評価するように迫った。「[ 現在の政策は]テロリズムを打ち破るためのより優れた方法なのか」、と彼は問い掛 けた。「テロリズムの原因に関しては全く取り組みがなされずにいて、なぜ何十万もの無実の人々の命が失われなければならないのか」

■和解の道 新世紀へようこそ 029 池澤夏樹

『 世の中がひどくとげとげしくなってきました。アメリカはアフガニスタン攻撃を続けています。怒りを表明する人たちがたくさんいます。世界中の論者が誰が悪いか、何が悪いかを指摘し、解説しようとしています。ぼくもその一人ですが、ここ数日でなんだか関係者一同の疲労感が一段と増したような気がします。徒労感と言ってもいい。』

『 疲労感の理由の一つは、アメリカの「白い粉」騒ぎです。銃を手に堂々と敵に向かっているつもりのヒーローの足に無数の虫がはい上がってきて毒針で刺す。西部劇のはずがホラー映画になってしまった。』

『 それでなくともアメリカや日本などの先進国と、中東の貧しい国の間は遠いのに、それが憎しみによってますます遠くなる。今でさえ、あるいは今だからこそ、離反を謀るよりは和解の道を探るべきなのでしょうが、これが本当にむずかしい。互いに相手が見えていない。』

『 これはアフガニスタンではなく隣りのパキスタンの話です。20年前のこと、日本の青年たちが3人で山登りに出かけました。イスラマバードからバスで一昼夜ほど北に走って、フンザ地方のカリマバードという村に朝早く着きました。ここの標高は2500メートルですが、目の前にはヒンドゥークシ山脈の7000メートル級の山々がそびえています。今回は3人はそこまで登るつもりはなく、4000メートルの峠をいくつか越えるトレッキングを一か月ほど続けて帰ろうと計画していました。』

『 着いてすぐ、彼らはきらきら輝く氷河を目指して登りはじめました。ところが、しばらく登ったところで高山病に見舞われ、ふらふらになってしまった。こんなはずではないと思いながらも身体が動かない。まだ明るいうちにテントを張って、みな横になりました。40度を超える高熱と激しい下痢。夜が明けても体調は快復しません。このままでは危ないと気づいた3人は、力をふりしぼって下山し、カリマバードまで戻って宿を見つけ、転がりこんでそのまま意識を失いました。』

『 それから数日間、この宿の主であるアリという男が親身になって看病してくれました。夢うつつのまま、抱き起こされて滋養のあるスープを少しずつ飲まされ、また眠る。医者を呼んでもらって診察を受け、薬をもらう。また眠る。実にゆきとどいた世話でした。 やがて彼らは快復しました。もう大丈夫と見きわめて、トレッキングに出発します。世話になったアリに宿賃や医者と薬の代金を払おうとすると、一日15ルピー(約330円)の宿賃だけでいいという。』

『 「病人をたすけるのはあたりまえのこと」とアリは言いました。助けられた一人である謝孝浩(しゃ・たかひろ)はこの後、何度となくカリマバードに通い、アリの一家の生涯の友人になりました。それだけでなく、山の魅力と人の魅力を求めて、職業的なトレッキング・ガイドになり、 その体験を伝えようと本を書きました。』

『 パキスタンにはアリのような人たちが住んでいます。もちろんいい人ばかりではないでしょう。隣りのアフガニスタンのことはぼくは知りませんが、やはり同じようにたくさんのいい人と少しの悪い人がいるのではないかと想像します。日本でもアメリカでもそれは同じではないですか。』

『 自分たちと他人を並べて、違いを探して強調するのは簡単です。反感や敵愾心が手伝ってくれる。いくらでもふくれ上がる。そうやってグループ内の結束をはかる。敵意によって自分たちを鼓舞する。政治家の基本的な手法です。』

『 でも、別のやりかたもあります。共通点の方を探す。それぞれの文化の枠を超えて理解できるものを探す。そちらも試してみなくてはいけないと思います。』

『 ここに紹介した話は謝孝浩の『風の足跡』(福音館書店)に載っています。書店で手に入らなかったら図書館を探してください。同じ著者が今年出した『スピティの谷へ』(新潮社)は、また別の土地でアリのような人たちに会う話です』

■残虐の源は文明市民社会狂信 鳥越俊太郎 第601回

『 しかし、その後もずーっと考え続けていますが、このテロと呼ばれる行為の源にあるのは何か?という根本的な疑問には自分でも納得できるようには説明できないんです。』

『 なぜここまでのテロが次々と発生してくるのか。確かに中東の専門家に言わせれば、中東やアジアに存在する極端な貧富の差が背景にある。またパレスティナとイスラエルの長年の土地を巡る流血の戦いがある。それは正しいと思いますが、それでも一挙に6000人もの市民を殺害する行為を十分に説明しきれるとは思いません。』

『 ここではシュレーダー首相の言葉を引用しながら、佐々氏の戦争の相手は誰かという問いへの、彼なりの答えが出されている。それは一言で言うと、「文明市民社会」に対する「狂信」 ということになる。簡単にいえば「狂信」が答えである。』

『 では、狂信とは何か、または何者ぞ?ということが問われる。』

『 ではその狂信はなぜ、どうやってこの世に存在するようになったのか?』

『 旧日本軍が中国大陸で行ったと言われている残虐な行為は狂信ではないのか? また、ナチスドイツのアウシュビッツの行為は狂信ではないのか?さらにいえば、アメリカ大統領の命令のもと、わずか2発の原子爆弾で数十万人を殺害した行為は狂信と言わないなら何と呼ぶのか?ベトナム戦争中に起きたソンミ村での米軍による村民虐殺事件は狂信ではないのか?』

『 こうした数々の根本的な疑問に答えない限り、真の敵を見極めて戦うことは難しいんではないだろうか?ビンラディンとタリバンを壊滅させれば新世紀戦争は終わるのか? そうではないんだろうなあ・・・・それは実は誰も語っていないが、実はアメリカが いちばんよく知っているんではないだろうか。』

■なぶり殺しの方法

米・英軍の空爆に続いて、アフガン各地の都市に食料や医薬品が空中投下された。これは米軍が行う心理作戦の一環である。といっても難民支援のためではない。空中投下した物資は、タリバンがかなり強制的に回収する。中に何が入っているかわからないからだ。ところが中から出てくるのは、山岳戦でも使えるC−レーション(戦闘食料)のパックである。ここでこの食料にはいろいろな効果が期待できる。(1)タリバンは飢えた一般市民のために投下された食料を奪い去った。(国際世論の批判) (2)市民は自分たちのために投下された食料をタリバンに奪われた。(食い物の恨み) (3)タリバンは山岳戦に必要な食料を確保したので、都市から山岳に移動する時期が早まった。(市民と兵士の分離) このように、米軍は投下した食料がタリバンに渡ることを計算した上で、空爆直後に食料を投下したのである。あくまで人道的な援助のためでないから、ここで感動すると後悔することになる。これが軍事作戦なのである。

■無関係の市民が犠牲 事実上、無差別攻撃

2001.10.14 BBC News 0:38 Anti-war protesters rally in London: アメリカのアフガン侵攻――に反対して、ロンドンで大規模な反戦集会が行われました。6夜に及ぶ空爆に抗議し、警察の発表によると2万人が参加。「事実上、無差別攻撃であり、無関係の市民が犠牲になっている。“テロ対策”の効果がないどころか長期的には逆効果。この血なまぐさい侵攻をやめてほしい」と訴え。


■アメリカの世紀の終わり
テロ後の世界〜 坂崎文明

『 歴史を見れば、東欧のユダヤ人、オーストリア=ハンガリー帝国(ローマが滅びた後、ここに金持ちが集まり、人材も集中していた)にいた、ユダヤ系の人々(ユダヤ人の90%はユダヤ教に改宗したカザ−ル人と言う説があります。純粋なユダヤ人は北アフリカあたりに住んでいるとか。アーサー・ケストラ−説)がアメリカに渡り、彼らが現代文明のほとんどの科学技術を作り出しました。彼らが今のアメリカを支えているとも言えます。』

『 今回の事件の真の狙いは、世界の物流の中心であるアメリカの物流を一時的に止めて、その渇望感から来る消費需要により、好景気循環をつくり出すことと、アフガニスタンを潰しつつ、ついでにイラク、イランを潰し、イスラム−インド(インドとイギリスとアメリカは繋がってますよね)圏に30億人の巨大市場を作り出すことです。』

『 要するにアメリカのリスク管理のために世界の国々を支配下におき、経済的利益も享受しようという、壮大な作戦ですね。しかも、数百年前から計画されている。すべて予定通り。』

『 このインターネットの時代、情報化の時代に、アメリカがいくらメディアを操作しようとしても、情報はどこからか漏れるものです。しかも、確かに自国びいきですが、アメリカの報道機関やメディアは今回、非常に冷静で、バランスの取れた大量の情報を流しています。』

『 みんな薄々感じています。テロの報復は仕方ないことだと思いつつも「何か違うのではないか?」と思っているのです。世界の人々にはわかっているのです。もうこんなやり方はうんざりだ、アメリカの正義も聞き飽きた、何か別の解決法があるのではないかと。』

『 世界の人がアメリカに抱いていた「幻想」や「希望」や「自由」は翳りつつあ ります。新たな理念、パラダイムが求められることになります。アメリカの世紀は終わったと思います。たぶん、アメリカも世界も変わらざる負えないでしょう。』

■暴力の口実 抑えてきた内なる暴力性を虐待に使う危険

『 アムネスティは本日報告書を発表し、少なくとも10カ国でイスラム教徒や中東・アジア出身者、あるいはそのような外見の人びとに対して反動的な襲撃がなされている証拠を示した。同報告書はまた、「テロリズムに対する戦い」が、市民的自由や人権を抑圧する好機ととらえられている憂慮すべき兆候について注意を喚起している。』

『 ヨーロッパを始め、各国政府は市民的自由を制限し、人権侵害に対する防護策を弱める法案を政治の最優先課題に急ぎ押し上げている。多くの国で、難民としての保護を求める人びとの権利をないがしろにするような、違法滞在の移民取り締まり措置の導入が議論されている。』

『 当局が積極的に寛容と抑制を呼びかけているにもかかわらず、米国だけでも、攻撃事件後の一週間で540人を超えるアラブ系米国人や、少なくとも200人のシーク教徒が襲撃を受けたと報告されている。ポーランド、インド、英国、デンマークなどさまざまな国で、イスラム教やヒンドゥー教寺院、あるいは関連の地域施設が襲撃を受け、破壊された。』

『 「さらには、世界の耳目が他に向いている隙をついて、各国政府は反対勢力の抑圧に勤しむ危険がある」とアムネスティは警告した。「世界が他を向いている間に、非難を恐れることなく、虐待や抑圧を欲しいままにする危険がある。」』

『 あの攻撃後の二日間に、14歳の少女を含む十数人のパレスチナ人がイスラエル治安部隊に殺害されたが、国際メディアに取り上げられることもなく、イスラエルのベンジャミン・ベン・エリーザー国防相は新聞社のインタビューに応えて次のように語った。「我々が14人のパレスチナ人を殺したのは事実だ....、そして世界は沈黙している。アラファトは地団太を踏んでいることだろう。」』

『 中国の公式声明からは、当局が9月11日の事件を利用し、中国北西部の新疆ウイグル自治区に住むイスラム系民族を「分離主義者」や「テロリスト」、あるいは「宗教的過激派」として弾圧を強める危険が高まっていることが懸念される。同様にウズベキスタン政府も、イスラム系と見られる反対勢力の動きを、より広範な「免責」のもとに弾圧する機会として、現状を利用することが懸念される。』

『 このような、とどまるところを知らない反動の波に直面し、アムネスティはすべての政府に対し、自国の市民であろうとそうでなかろうと、すべての人びとの権利を平等に保護するよう保証する措置を強化し、人種偏見にもとづく暴力や脅迫は許されないということを周知徹底するよう訴えている。』


■正義という名のなぶり殺し? オバハンからの緊急レポート

<10月15日> 07:16 『 アフガニスターンに落されているミサイル。トマホーク1発の値段は2億4000万円、バンカーバスターは1億2000万円。10発分でアフガニスターン人200万人が2〜3ヶ月はお腹いっぱい食べることができるだろうに…。考えただけでやりきれない。 <オバハンの娘>』

<10月15日> 07:12 CNNやBBCのニュースを見て、アフガニスターンへ落されているアメリカの爆弾(ミサイル)が、今までアフガニスターン国内の内紛に使用されていたものと圧倒的にパワーが違うという現実に、唖然としている。片や先進技術の粋を集めての爆弾、片や30年以上も昔にロシアや中国が使っていたものの残存物。ミサイルによって完璧に破壊された家、事務所などの映像に心が痛む。あれでは目標近くの住民は生き残れまい。

<10月13日> 23:53 アメリカが難民のために投下した食料包みは、集められ燃やされているという。 「勿体無いですねぇ。」という人がいる。難民なんだし、お腹が空けば食べるだろう…と思っている人もいるかもしれない。しかし、ビスケットといえども豚の油が使用されているかもしれないし、毎日、攻撃してくるアメリカだ、何が入っているかわからないと考えても不思議ではない。

<10月13日> 01:22 総理にはアフガニスターンの現状が、99%解っていないと見うけられた。テロリスト集団を抹殺するのは正義だと総理は断言するが、何の罪もない一般庶民がアメリカの攻撃にさらされ殺されるのも、形を変えたテロではないのか?

アメリカがどうしてテロの対象になったのか?その根本的なところを考えたのか?テロを起こさせないために、西欧諸国はオサマ・ビンやイスラーム教徒の言い分に耳を傾けたことがあるのか? アフガニスターンという知恵遅れの餓死しそうな子供を、金持の大人が思うさま、いたぶっているような気分の悪さが拭いきれない。

金曜礼拝後のデモ。政府のコントロールが効いているのか、静かだった。CNNやBBCは、自分達でブッシュ人形やアメリカの国旗を用意して来てデモ隊に与えている。デモ隊も与えられた人形やアメリカ国旗をカメラの前に並べ、盛大に燃やして撮影させている。もしかしたら出演料も出ているのでは??

<10月11日> 22:23 政府○○機関、「投下された食料品の大多数は集めて燃やしています。中には難民の手に渡っているのもあるかもしれないが、それは少ないと思う。餓死寸前でも手を出さない難民が大多数です。」難民達も、「ビスケットにブタの油が入っているかもしれない。もしかしたらアタマや神経を狂わせる薬が入っているかもしれないから、絶対に食べません。援助してくれるならナーンを作るための小麦を」と答える。

以前に、日本から届いた難民援助の中味は、ノート、エンピツ等々。可愛いスキャンティも入っていたとかで、下着をつける習慣のないこちらの女の子は恥じをかかされたと思ったようだ。識字率数%、難民の子供達はノートより、今、食べられるものをと願っている。

<10月10日> 22:11 アフガニスターン、そしてパーキスターンの北西辺境州で長年、医療活動をされている中村哲先生を中心とした『ペシャワール会』が、カーブルで逃げることもままならぬまま、飢えに喘いでいる難民にナーンを配給する。パーキスターンには多くの胡散臭いNGOが存在するが、自分にも他人にも厳しい中村先生を中心とする『ペシャワール会』は本物中の本物だ。 カーブルでの食料配給には、6000万円の費用が必要という。中村先生は、「・・・・・民族と国境を越え、平和と融和を掲げ、日本とパーキスターン・アフガニスターンの良心を体言することをここに誓う・・・・・」と精力的に活動されている。 心ある方は『ペシャワール会』にご寄付を。 http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/ メール・アドレスは peshawar@mxb.mesh.ne.jp

また、難民援助のために早々とパキスタン入りをし、準備万端なのはピース・ウィング。ピース・ウィングは既に5000張りのテント等を用意している。寄付をしようと思う方は、問い合わせてください。メール・アドレスは pwjkabul@tkk.att.ne.jp

<10月10日> 00:13 『 夕方、久しぶりにバザールへ出掛けた。 大統領官邸前の大通りや、その近くの交差点には、小型トラック一杯分の装備した兵士が駐屯、バリケード用の鉄柵が用意され、大掛かりなデモのために備えを始めたようだ。一部の宗教指導者達が大きな声で人集めをしなくても、人々が自主的にデモをするようになると、流れは止められない。今のところパシュトーン族が多く住む北西辺境州(州都はペシャーワル)では「反米」のための抗議が続けられている。今まで反米感をまったく持っていなかった一般庶民までを、「反米」に走らせた。ムシャラフ大統領を支持する知識層も、「アメリカ憎くし!」を募らせた。』

<10月9日> 23:50 『 タリバンの軍事拠点などに絞って攻撃をすると言っていたアメリカ。 けれども、今日、地雷の撤去作業などを行っているNGOの事務所が被害を受け、国連の現地職員4人が死亡した。「一般市民が死亡した」と、攻撃初日に報告した在パ・タリバン大使に対し、それはタリバン側の捏造だとまで言っていたアメリカ。攻撃を続けていても、解決は見られまい。<オバハンの娘>』

<10月9日> 23:31 『 アメリカは空爆と同時に、アフガニスターン国内にいる一般市民に向けて毛布・食料を投下したそうだ。しかし、4万人分にも満たない食料や毛布…。主要幹線道路を一歩外れると地雷の山だというのに、それらの食料は本当に市民の手に届いたのだろうか? <オバハンの娘>』

<10月8日> 23:47 『 本日はパキスタン全土でジハード(異教徒と戦う聖戦)が叫ばれた。イスラームが大切か、自国の存続が大切か?と問われたなら、イスラームが大切と答えなければならない「建前社会」の前に、パーキスターンは苦悩している。』

『 本日、オバハンもついにインドのビザを取得した。「頼まれても行ってアゲナイ!」「インド絶滅!」などと叫び、あれほどインドの悪口を言っていたのに。どうぞ、インドに逃げなくてはならないような事が起こりませんように! 』

<10月8日> 18:40 『 オサマ・ビンのアメリカに対する宣戦布告ともいうべきビデオ、見ました?これで彼は、殉教者の地位を不動のものにしたでしょうネ。いずれにせよ、私にはアメリカ(西欧諸国、日本)対、イスラームの図式でエライことが始まる前触れに思われます。アメリカが元国王を飾って新しい国作りなんて、やはり夢のような気がします。仮に当面は上手くいくようなことがあっても、すぐにほころびが生じるのではないでしょうか?』

『 ペシャーワルからNHK、NTV、フジTVが撤退中。ペシャーワルは荒れそうです。イスラマバードでも、デモが自然発生的に起こり、大統領官邸前通りを進んでいます。自然発生的というデモは不気味な兆候です…。』

<10月8日> 18:35 『 さぁ、パーキスターンも大変なことになりそうです。ムシャラフ大統領は切りぬけてくれるでしょうか?何しろ原理主義者とは言いません、普通の人でも「攻撃」に対して大きな反米感をつのらせたのは事実です。』

『 ブッシュは「人質になっている8人についての交渉で返事がなかった」というような事を言っていましたが、3日以上も前に「脅しを止めてくれたら釈放する」と言っていたのです…。ブッシュのことですから、8人くらいアッサリと見捨てるのでしょうけれど。』

<10月8日> 04:06 『 ついに空爆が始まった。 ブッシュは報復攻撃に世界の40ヶ国が支持、支援していてくれるとスピーチしているが、40ヶ国と言うことは全世界の25%にも満たない数だ。 「テロリスト基地を重点的に攻撃し、国民には支援物資を送るから」と言うが、カンダハールの空港(テロリストの基地)近くには、一般住民もたくさん住んでいる。仮に基地の近くでなくとも、カンダハールの街、首都カーブル、そしてパーキスターン国境に70kmのジャララバードの街で、貧しくとも普通の家庭生活を営んでいる200万人からの人々を、難民として産み出すことに、もっと責任を感じるべきだろう。』

『 何回も言う。 貧しくとも普通に暮していた人々を、テントもない山野に、荒地に追いやることになったことを認識して欲しい。多くのイスラーム教徒の願いもむなしく空爆が始まり、その空爆の下で逃げるためのお金がなかったために、街に留まった多くの住民が今、慄いています。そして、それが解りながら何も手助けできない自分にくやし涙をしている…。テロリスト達に殺された人々には大変申し訳ないが、今、生きて寒空の下で震えている200万人にも心をはせて欲しい…。』

<10月8日> 01:03 『 ヨーロッパ人のジャーナリスト。 「日本人は、どうして他人と同じ取材をしたがるの?自分達には、『こうしたい』、『こういうものを伝えたい』というポリシーがないの?皆が皆な同じ取材をするの、おかしいと思わないの?」なんでも、かんでも、他人と一緒でないと心配な日本人…。』

<10月6日> 00:28 『 その某TV局には「隠密」と称する特別な大部隊があって、札びらを切りながら、どんなささいな事柄も見逃さないように取材活動するらしい。何しろ民放に「抜かれたら」メンツがないそうだ。そして、こうした世界的な事件になると、億単位、民放の何倍もの取材費が乱れ飛ぶというからすざまじい。』

『 パーキスターンで20年以上も暮し、日本人の価値観から遠いところにいるオバハンには、ニュースというものにそこまでの金額をかける必要があるのか、どうか本当に悩んしまう。今回、日本からのTV局、新聞社、雑誌社などがアフガニスターン周辺に落とした金額は、出張費という人件費も含めると20億円をこえるのではないだろうか? あぁ…、その20億円で200万人からの住民が(食べるだけならば)2〜3ヶ月間は食べられるのではないかと、また考えてしまった…。』

<10月3日> 23:02 『 最近は、「アフガニスターンからの難民を助けたい」というNGOからの問い合わせも多い。オバハンも難民救済の手伝いを10年以上にわたって続けている。ただし、「難民を助けている」という意識はない。パーキスターンに住む以上は避けて通れない問題だし、自分の出来ることをする。そして、その行為は難民のためではなく、自己満足の行為だと知っている。』

<10月3日> 21:07 『 タリバンの戦士たち。自分たちの戦闘方式で戦おうとしている…というのを聞くと、ちょっと哀れな気もします。<オバハンの娘>』

<10月3日> 21:02 『 パーキスターン全国民の目が、アフガニスターンへ向いているのを良い事に、カシミールでの報道が小さい。特にムシャラフがインドを訪問した頃からカシミールでの衝突が目立っているのに…。』

『 オマル師は、カーブルへも、ただの一度しか行ったことがないし、元々が原理主義者らしくTVも見たことがないらしい。世界とアフガニスターンとの力の差にも気がついていない。現在タリバンの戦士達は大きな砦をアチコチに作っているらしいが、何十年も前の戦闘方式で彼等は戦おうとしている。』

<10月1日> 23:12 『 『正義ごっこ』への荷担や、解決の糸口になりそうもない武力報復のために助力するのは、嫌だと思う。今、現存するテロリストを排除することも必要だろうが、それを生み出さないための努力は何もなされない。 <オバハンの娘>』

<10月1日> 20:45 『 パーキスターンが本当に危険になるのは、ムシャラフ大統領がアメリカの要求をこれ以上は受け入れられないと、アメリカに離反したときだと思う。 』

<9月30日> 16:52 『 明日から10月、もう山国のアフガニスターンでは朝夕が冷え込んでいるでしょう。追われるように山越えして来た人達が、無事パキスタン領内に逃げ込んで来て、そこで手を取り合って涙している姿。アメリカが新たに作り出した難民です。』

<9月28日> 『 コック達の田舎はスカルドゥの山奥ですが、そこから昨日帰ってきたコックの話しでは、村人達はモスクに集まり、「アメリカがアフガニスターン国民に不当な言いがかりをつけている。どうぞ、これ以上の言いがかりをつけないでやって欲しい。攻撃を思い止まってやって欲しい」とお祈りしているといいます。この祈りは一般イスラーム教徒全員の祈りでもあります。 アメリカのやり方は、アフガニスターンの国民にとっては、本当に「言いがかり」としか思えません。』

<9月24日> 09:48 『 アメリカ大統領は過激な発言を続けています、「我が兵士たちに言おう。戦いの準備をせよ!」と。テロリストたちを一掃するには、『報復』しか解決策はないのだ…と政治家たちは言います。もし、 この政治家たちが、報復の最前線に立たなければならないとしたら、同じ発言ができるのだろうか。もし、最前線に立たなければならないとしたら、別の解決策を考えるのではないのだろうか。ぜひ、最前線に立っていただきたいものです。 <オバハンの娘>』

<9月23日> 12:27 『 一方ではアメリカ政府に協力し、『後方支援』とは言っているけれど、アフガニスターンからの避難民製造に荷担し、もう一方では、アフガニスターンからの避難民を支援する。支援の仕方が間違っている!!呆れてしまいます。 もう少し、ましな税金の使い方をして欲しいものです。日本政府は、どうすれば避難民を出さずにいられるのかは考えられないのでしょうか。あっちにもこっちにもお金を出して。だから、お金だけ出して…と言われるのです。』

『 それから…。「お金を出してあげたのに感謝して貰えない。」と不満は言わないように。「してあげた。」などとおこがましい…。援助とは所詮、自己満足なのです。 <オバハンの娘> 』

<9月21日> 09:54  『 しかし、アフガニスターンはこれから攻撃を受けようとしているのです。報復反対!が配慮に欠けると言うのでしょうか。では、誰がアフガニスターンやパーキスターンに対して配慮をしてくれるのでしょうか。毎日のニュースは、イスラームに対する配慮が欠けていると痛感します。

強者が正義なのか。いや、世の中には善と悪しかないのか…。配慮というのなら、お互いを配慮するべきです。忘れないで欲しい、同じ人間であるということを。 <オバハンの娘>』

<9月20日> 23:55 『 昨日はラワルピンディのプレス・センターで、タリバンを(イスラーム原理主義)パーキスターン側で支持している宗教家の集会がありました。パーキスターンの中で最も過激と言われているイスラーム集団の一つは、「もし、アメリカとの戦争になれば、我々は5万人の神学生(タリバン)を送り込むことが出来る」と声明を出しました。』

<9月20日> 18:23 『 日本では、毎日、『パーキスターン』がニュースに出てきます。 最近では、わかりやすい映像だからか「反米デモ」とテロップをつけて、パーキスターン人のデモを何度も流しています。実際に、アメリカに抗議をしているデモもあるけれど、ウルドゥー語で書かれたプラカードを見ると「攻撃反対!」「戦争反対!」と書かれているものもあります。』

『 どうして、「彼らの意見は正しい!」という報道はされないのでしょうか。声を大にして戦争反対を訴えているのに、「反米デモ」とテロップをつけ、反米行動を起こすパーキスターン人は、タリバンを支持している同罪だと報道しているように見えてしまう日本のニュース。日本はいつから、「戦争反対!」を訴えなくなってしまったのでしょうか。 <オバハンの娘> 』

<9月17日> 10:15 『 既にBBCのニュースなどで知っていると思いますが、タリバンはアメリカに協力する隣国に対して宣戦布告。タリバンのフロント・ラインはパーキスターンを攻めると発表。アメリカがアフガニスターン国内で地上作戦を繰り広げれば、全国民が聖戦士となって戦うのは分かっていましたが、タリバン産みの親たるパーキスターンへ攻め込んでくるとは考えていませんでした。』

<9月17日> 9:30 『 一昨日までアメリカはパーキスターンに対し、「協力をを要請する」と言っていたのに、昨日は、「パーキスターンにチャンスをやる」と言う表現になっているではないですか!何たる傲慢な言いぐさ。アフガニスターンもパーキスターンも同列扱いで、従わないのなら潰してやる。生き残りのチャンスは自分で掴め!というところでしょうか?

そういうアメリカ自身の態度が、国は貧しくとも、プライドだけで生きている開発途上国の人間の神経を逆なでするのだと思うけれど。』


■涙は自分だけの為?涙は、止まるか? ジョン・ゲラッシ

『 世界貿易センター事件のテレビ・ニュースで、愛するものの悲劇の運命の胸の痛みを語っている人を見ると、私は、泣かずにはいられない。私は不思議に思う。なぜ、私は涙をおさえることができないのだろうかと。』

『 われわれの軍隊がノリエガを探すという口実で、パナマのエル・チョリージョ近くの5千人の貧しい人々を一掃したとき、私は泣かなかった。われわれのリーダーたちは、ノリエガがほかの場所に隠れているということを知っていた。しかし、われわれはエル・チョリージョを破壊した。そこで暮らす人々はパナマから完全にアメリカを追い出したい国家主義者であったから。』

『 なぜ、私は泣かなかったのだろう? われわれが2百万人の無実のベトナム農民を殺害したとき。計画の立案者であるロバート・マクナマラ国防長官は、われわれが戦争に勝つことができないということを知っていたにもかかわらず。』

『 先日、献血に行ったとき、同じ献血の列に並んでいる3人のカンボジア人を見つけた。私はなぜ、私は泣かなかったのだろうということを思い出した。「われわれの敵」に対決するという理由でポルポトに武器とお金を渡し、100万人を虐殺するのを助けたとき。われわれの敵は、結局キリング・フィールドを停止したのだが。』

『 われわれの政府がコンゴのたったひとりの良心的なリーダーの殺人を手配し、貪欲で、不道徳な、人殺しの独裁者であるモブツ将軍を奉ろうとしたときも、私は泣かなかった。 CIAが、第二次世界大戦で日本の侵略者と戦い、自由な独立国を確立したインドネシアのスカルノの転覆を手配し、日本の加担によって少なくとも50万人の「マルクス主義者」を処刑したもう一人の将軍スハルトを奉ったときも、私は泣かなかった。』

『 私は、昨晩再びTVで、行方不明になっている立派な父の写真の前で2ヵ月の子どもが遊んでいるでいる光景を見て泣いた。にもかかわらず私は、タイムズのレイ・ボナーの克明な写真解説による何千人ものエルサルバドル人の虐殺や、そこにいたアメリカの修道女や助修女がCIAに訓練され資金援助を受けたエージェントによって、強姦されたり殺されたりしているのを見ても、決して涙を流さなかった。』

『 しかし私は法務次官の妻バーバラ・オルソンがいかに勇敢だったかを聞いたとき泣きさえした。私が法務次官の政治的な見解をひどく嫌っていたにもかかわらずだ。しかし、米国が素晴らしい小さなカリブ海の国グレナダを侵略し、旅行者用の飛行場を建設して暮らしを向上させようとしていた無実の市民を、ロシアの基地の証明だという口実で殺害し、米国の軍事基地にしたとき、私は泣かなかった。』

『 現在のイスラエル首相アリエル・シャロンが、サブラとシャティーラのパレスチナ人難民キャンプの住民2千人の大虐殺を命じたとき、なぜ私は泣かなかったのだろう。テロリストであるシャロンが、ベギンやシャミルのように首相になり、英国外交官の妻と子どもが宿泊していたデイビッド・ホテルを吹き飛ばしたのに?』

『 私は、人は自分だけのために泣くと考える。しかし、それは同意しない相手への復讐なのだろうか?アメリカ人はそれを求めているようである。確かにわれわれの政府とマスコミはそうである。われわれは自由を主張するが、相手がそうしないという理由で、われわれの利益のために世界の貧しい人々を搾取していいのだろうか?』

『 今、われわれは戦争を行なおうとしている。われわれは、無実の兄弟と姉妹の多数を殺害した戦争の道を歩むことを権利として保証されている。もちろん、われわれは勝つ。ビン・ラディンに対して。タリバンに対して。イラクに対して。誰であろうと、何であろうとわれわれは勝つ。その過程でわれわれは、再び無実の子どもをわずかばかり殺害する。しのびよる冬にそなえる服のない子どもたち。自分たちを保護する家のない子どもたち。わずか2歳、4歳、6歳という罪のない子どもなのに、通うべき学校もない。』

『 多分、エバンゲリオン派のファルウェル宣教師とロバートソン宣教師は、彼らはキリスト教徒でないので死んだほうが良いと主張するであろう。そして、多分、国務省スポークスマンの何人かは世界に向けて、彼らはかつてとても貧しかったが、今は幾分裕福になっていると語るだろう。』

『 それではどうすればいいのか?われわれは、現在われわれが欲する手段で世界を運営することができるのか?確かにわれわれの財界首脳たちは、人々を国際的に監視する新しい法律によって、グローバリゼーションに対する反対デモをしている人々が永遠に脅されることになるのを喜んでいる。シアトル、ケベックまたはジェノバでの暴動はもう起きない。平和は続く。』

『 次の機会に、誰かがそれを成し遂げることができるのだろうか? エル・チョリージョでのわれわれの大虐殺から生き残った子どもか?ニカラグアの少女か? 彼女は、学者であった母と父から、ギャングたちのことを学んだ。ギャングたちは、CIAのハンドブックに貧しい者の暮らしを向上させるには政府を倒すこと、そのためにはいい給料をもらっている先生を殺し、保健ワーカーを殺し、政府職員を殺すべきだと書かれているのを読み、アメリカ人から民主的コントラと呼ばれていたということを。あるいは、ニクソン政権時代の共産主義者と社会民主主義者との違いも、国家主義者との違いも考慮しなかったキッシンジャー国務長官の命令によって家族全部をなくしたチリ人か?』

『 世界を運営しようとすれば、誰かの復讐に苦しまなければならないということを、われわれアメリカ人はいつになつたら学ぶのだろうか?戦争は決してテロリズムを止めない。 われわれが自分たちを守るのに恐怖を用いる限り。』

『 私はTVを見ることを止め、泣くのをやめた。私は、散歩に出た。4軒先の地元の消防署の前に群衆が集まって、花を置きロウソクを点灯していた。消防署は閉っていた。火曜日から閉っていた。常に微笑んで元気に近所の人々に挨拶していた親切な素晴らしい集団であった消防士たちは、最初のビルの犠牲者を救援しようと急ぎ、ビルの崩壊に巻き込まれたのだ。私は再び泣くことになった。』

『 私はこれを書き始めながら、私自身に言った。これを送ってはいけない。隣人や生徒や同僚が憎しみを抱くだろう。障害沙汰に巻き込まれるかもしれない。』

『 しかし、再びTVをつけると、パウエル国務長官が私に話しかけた。これらの子どもたち、貧しい人々、反米主義者たちへの戦争の準備は完了した。なぜなら、われわれは文明化されており、彼らはそうでないからと。』

『 そこで、私はこれを危険にさらすことに決めた。多分、これを読んで、少なからぬ人が尋ねるであろう。なぜ、世界の多くの人々は、われわれが彼らに与えたものを味わうために死ぬ準備をしているのだろうかと。』


■日本人の平和主義
大門小百合の東京日記(4)2001年9月29日

『 しかし、夜中にぐったりして家に帰ってくると、ハーバードで一緒に授業をとっていた友人からeメールが届いていた。メールのタイトルは「I was not on the flight」急いであけてみると、彼女はまさにボストンからあのハイジャックされたアメリカン航空のボストン発LA行きの便を予約していたが、直前にキャンセルをしたとのことだった。彼女の友人はそのまま飛行機にのった。自分は助かってほっとしているが、今、深い悲しみに包まれていると。なんともいえない暗い気分になった。そうだ、NYの友人たちはだいじょうぶだろうかと急に頭に色々な人のことが浮かぶ。そして急いでメールを打った。』

『 「この世の終わりのような風景だった」と近くで働いていた日本人の友人からeメールが返ってきた。貿易センタービルのすぐ横のビルで働いていた別の友人も、以前から設置されていたガスマスクをつけて、ビルの階段を降りて逃げたらしい。ガスマスクが用意されているということからも、アメリカはいずれくるであろうテロを十分意識していたことがうかがわれる。』

『 死をいたみアメリカが一つになっているという光景は美しいのかもしれないが、生まれて初めてこんなナショナリズムの高揚を目の当たりにして、ある意味で恐ろしく感じているとのことだった。』

『 そしてボスニアの記者でイスラム教徒の記者からは、「イスラムのイマームが学校で何を根拠にテロがビン・ラディンの仕業というのかわからない。仮にそうだとしてもイスラム教徒は世界中で迫害されているので、その行動は正しかった」と子供たちに教えていたという。宗教の対立というのがいかにばかげているものか、ついこの間まで自国が戦場となっていたボスニアの人々が一番理解しているはずなのに・・・彼は憤慨し、その事実を論説で書いたが、イスラム教徒たちからかなりの非難を浴びたという。とはいえ、アメリカ大使館の前にはたくさんの花が献花され、一般のボスニアの人たちもそんな激しい感情の人ばかりではないとも言っていたが・・・ 』

『 世界は今不思議な方向へ向かっていると思う。アメリカの敵と見られていたイランやパキスタン、そしてキューバまで、アメリカは協力を要請した。中国もアメリカとの関係改善に向かっている。日本国政府は、世界の動きに取り残されまいと、必死に協力の道を探り、今度は自衛隊を派遣するとはりきっている。』

『 とはいえ、世界の人々がアメリカのこの報復戦争を望んでいるかというと疑問だ。世界31カ国でGallop Pollが9月17日から19日かけて行った世論調査によると、イスラエルとアメリカ以外の国の大多数の国民はアメリカの報復攻撃に反対しているという結果がでた。それによるとヨーロッパ人の80パーセント、南アメリカ人の90パーセントが、テロリストの引渡しと、司法での決着を望んでいるらしい。』

『 日本はこの調査の対象にはなっていなかったのだが、私は今回日本人のなかにずいぶん平和主義が染みついているとあらためて驚いた。一連の報道、そして、インターネットの書き込みやeメールで回ってくる数々の意見を見ると、事態を意外と冷静にみている日本人が多いと思う。もちろんテロは絶対に許されることではないが、では、アフガニスタンを爆撃して根こそぎやっつけろという人は少ない。むしろこれから増え続けるであろうアフガニスタン難民を思いやる人、世界的戦争に発展することを危惧する人などが結構いる。』

『 日本人の感じ方が、軍人を英雄としてたたえあげるアメリカ人の考え方と根本的に違ってくるのはやむをえないと思う。半世紀前に作られた平和憲法の存在や唯一の被爆国ということも大きく影響しているのかもしれない。危険をおかしてまでも国のために戦おうという精神はアメリカには確実に生きている。日本は逆だ。でもそのかわり、反戦という精神に関しては知らないうちにピカいちの国になっていたのではないだろうか。』

『 そんな状態でもう一つ気がかりなのは、アメリカのマスコミがこれからどこまで正確な情報を伝えていけるのかだ。戦争下においては、真実は報道されにくくなる。湾岸戦争の時油まみれになった水鳥の話がよく引用されるが、マスコミに対する規制はひどかったとアメリカのカメラマンで湾岸戦争を取材した友人は言う。レーガン時代のイランコントラ事件の時もそうだった。情報はすべてホワイトハウス、FBI、CIAが持っている。戦争状態だと宣言しているアメリカでは特に情報管理が今後きびしくなっていくと思われる。』

『 私もハーバード大学留学中は外交政策の授業で、政策担当者になったつもりで非常時のシュミレーションなどを何度かやった。しかしその時きまって議論されるのは、どうすればマスコミに気づかれずにオペレーションを遂行することができるかということだった。』

■アメリカ幻想依存症 自己中心幻想

●アメリカだけは大丈夫、は消える

『 サウスイースタン・ルイジアナ大学のソーシャルサイエンス・リサーチセンターのラッセル・カストロ氏(Russel A. Castro)は、「初めて、アメリカ人は自分たちの国が、この世界の一つであることに気付いたであろう」と、前置きする。つまり、今までアメリカ人はアメリカが世界の中心で、下々の世界とは別のところにいると信じていたのだ。』

『 過去、ヨーロッパやアジア、その他多くの国で起こっていた反社会的な恐怖に、自分達もさらされることになろうとは、夢にも思っていなかった。しかし今回のことで、やっと身を持ってそれに気付いたというのである。』

『 ニューヨークで精神科医を勤め、ニューヨーク総領事館の顧問も担う斉藤医師は、「ニューヨークはもとより、大都市の人々は不安を強めただろう。今回のことで、安全性に対しての疑問視はあるだろうが、しかしこれは生命に対する危険への不安感であって、国に対する不信感ではない」と語る。雑多な人種が暮らすアメリカでは、「アメリカ人」とひとまとめにして考えるのは少々難しいが、今は全体が一種のハイ状態といってもいいかもしれない。「危機が来て、一致団結!」というのが、アメリカ人のメンタリティーではないだろうか。』

『 しかし同医師は「この不安状態が長引けば、戦争や軍事に対する反対意見も強くなり、悪い経済状況も手伝って、いろいろな不満が吹き出してくるだろう」と推測する。そうした不満が続けば、それを取り除いてくれない国への不信感へつながっていく可能性は十分に考えられる。』

●意外に変わらない日本人のアメリカ観

『 今回のテロではオフィスを失った日系企業も数多い。仮オフィスを借りたり、別会社に間借りするなどして急場を凌ぎ、徐々に業務を通常に戻していこうと懸命に努力している。受けた精神的ショックは生半可なものではなかったはずだが、それでも必死に立ち直ろうとする姿は、タフと言われるニューヨーカーにも勝るかもしれない。』

■オオカミは人を襲わないアマノジャキズム天の邪鬼主義diary

10月13日(火)マヤ暦3月24日

『 まずこれだけは知ってほしい。 「オオカミは人を襲わない」 これは歴史的な事実である。繊細で警戒心の強い野生のオオカミは、人前に姿を現すことさえまれだ。  しかし人の目を盗んで家畜を襲う。それゆえオオカミは牧畜民族の目の仇にされてきた。  アメリカのイエローストーン国立公園はオオカミの導入に成功した。ヨーロッパ連合でオオカミは保護指定動物になっていて、家畜の被害には補償金が支払われている。  オレは日光国立公園にオオカミが復活することを夢見る。』

『 なにより人間に管理された自然が、人間のコントロールできない「聖域」に還る。  オレたちに必要なのは、「恐れ」ではなく、「畏れ」だ。』

■ 報復攻撃にNY市民大規模反戦デモの映像

『 ニューヨークでは、7日、アメリカの攻撃に反対する1万4000人以上の人々が大規模な反戦デモを繰り広げました。 ニューヨークの人々はタイムズスクエアを目指し、市内を行進しました。列の先頭では、今回のテロ事件で肉親を失った人たちの顔が見られました。彼らは、アフガニスタンを攻撃することは、決して犠牲者を報いることにはならないと主張しています。』


■ 「恐ろしかった」カブール市民の声と映像

『 アフガニスタンのカブール市民の声です。  「とても恐ろしかった。子供たちは眠れなかった。衝撃的な夜だった」(男性)  「私も家族もとてもこわかった。攻撃をやめて欲しい」(男性)  上空では空爆が続く中、この様に市民たちは口々に 怖くて眠れなかったなどと話しています。(8日18:42)』


■ アメリカの爆撃を受けたアフガニスタンの首都カブール市の映像


■命を感じて足跡から一輪一輪花が咲くようにインターネットで反戦デモ

『 東京では23日午後、代々木公園から渋谷駅周辺を行く若者たち300人の「ピースウオーク」という反戦デモがあった。呼びかけたのは「CHANCE!」(平和を創(つく)る人々のネットワーク)を名乗る小林一朗、羽仁カンタさんら若者のグループ。数日前からインターネットで知らせただけで、たちまちこれだけの人数がそろった。 出発前、呼びかけ人の若者たちのあいさつや説明を聞いておやと思った。』

『 「初めは静かに沈黙して歩きましょう。呼吸を整えて命を感じて。自分の心を静めて平和で満たして。ゆっくりとていねいに歩きましょう。歩いた足跡から一輪一輪花が咲くように。アピールでなく追悼と平和を祈って」』

『 実際に若者たちはそんな風に歩いた。いろんな色に髪を染め、カラフルな服をヒッピー風に装う若者もいる。ジーンズのおじさんおばさんもいる。何人かの外国人も。』

『 私はこの沈黙の行進を見て初めて、犠牲者への静かな深い弔意に出会ったように思えた。』

『 渋谷の繁華街にさしかかると、反戦デモはアピールを始めた。デモの先導車のスピーカーから、ジョン・レノンの「Give Peace A Chance」(平和を我らに)の歌が流れる。そのリズムにあわせて、横断幕やプラカードが揺れる。』

 「War Is Not the Answer」 「報復をするな」 「平和と愛を人の心に」 「同じ空、同じ子供」

『 テロで殺された人々の子供たちの気持ちはいかばかりだろう。戦争となれば、また新たにどれだけの孤児ができるだろう。だが、こんなことを言えば、なんとテロに甘いのかとひんしゅくを買う昨今である。テロ根絶には戦争を構えるしかないという議論も人々をとらえる。しかし、デモのマイクは呼びかける。』

『 「きのうはニューヨークで1万人の反戦デモがありました。テロリストを捕まえて司法で裁いて下さい。戦争というのは、何かおかしい、どこか違うとみなさんも思いませんか。私たちの素直な気持ちなのです」』

『 それにしても、インターネットはすごい。アムネスティを含む世界のグループが出した国際青年宣言には、世界各地から198団体、43万人が賛同の気持ちをメールで伝えあった。札幌市在住の前参院議員竹村泰子さんは、キリスト教団体の米大統領や日本の首相への手紙を届けてくれた。いずれもが武力報復への疑問を訴えている。』

『 世界の首脳がアフガニスタン攻撃で盛り上がっている底で、それでいいのか、ほんとにテロをなくすにはどうしたらいいかという普通の人々の思いもインターネットで行き交っている。(2001.9.25)』


■最低も予想し最良を尽くす新聞が書かない悪夢のシナリオ

『 この空爆は世界中を長期にわたってテロの標的化する悪夢の引き金でもある。』

『 評論家の宮崎正弘氏は「最悪のシナリオ」としてまず考えられるのはパキスタンのクーデターだという。「パキスタンの軍は40%がタリバンと同じパシュトゥン人。更に将校から上のクラスには、イスラム原理主義者がそろっている。アメリカに協力しているムシャラフ大統領が暗殺されたり、反米クーデターが起これば、米英軍は橋頭堡(きょうとうほ)を失ってしまいます」』

■宮崎正弘氏の声

『 「現在パキスタンは25〜35発の核をもっていて、インド全域、中東諸国のほとんどが射程範囲になっています」(アラブ・イスラム研究所主宰・飯塚正人氏) 隣国インドとの長年の敵対関係もあり、世界は一気に核戦争の恐怖に覆われることになる。』

『 日本国民に直接的に関係する不安もある。サウジアラビアでサウド王家が転覆する可能性である。「湾岸戦争で米軍を駐留させた反発から、いまのサウジ政府は国内のイスラム原理主義過激派を抑える能力を欠いている。実質的に政権を握っているアブドラ皇太子の暗殺も十分に考えられる。サウジが最後まで米国の協力要請を渋ったのは彼らが怖いからです」(前出・宮崎氏) サウジが不安定になれば、石油価格の高騰を招き、日本のみならず全世界が再び石油ショックに見舞われる。』

『 また、今回の空爆に激しく反発しているイラクを主体としてイスラエルへの戦端が開かれ、中東でもう一つの戦場ができるというシナリオも否定できない。 国際問題研究所ATWI所長の小関哲哉氏は、第5次中東戦争に発展する可能性を危惧する。 「テロリストの幹部連中を全員検挙するまでやると言っていますが、てこずると次の段階に進む危険性が出てきます。単なるテログループじゃなく、黒幕にどこかの政府、つまりイラク陰謀説があるのです。フセインがいるということになると戦線がイラクまで拡大され、アメリカはイラクと交戦状態を続けていますから、イラクを再び空爆する可能性がある。そうなるとペルシャ湾が封鎖されますから別の形での石油の供給不安が出てきます。』

『 イスラエルがパレスチナ人を弾圧している限り、イスラエルを支えているアメリカもテロをしているというビンラディンの主張を裏づけることになってしまいます。だからパレスチナ問題が時限爆弾で、うっかりイラクを叩くとその火がパレスチナに飛び火して、ヨルダンだろうがシリアだろうがエジプトだろうがこの戦線に加わることにノーと言えないわけです。そうなると第5次中東戦争に発展する危険性もあり、これが一番最悪のケースだと思います」』

『 現在、アメリカではガスマスクが飛ぶように売れているという。その最中、フロリダで生物兵器である炭疽菌による死亡者が出た。もちろん不安が広がっているのはアメリカだけではない。イスラム過激派には横の連帯もあり、飛び火も考えられる。』

『 「アメリカはアフガン紛争でも湾岸戦争でもそうでしたが、『敵の敵は味方』という単純な構図で介入してきました。今回も北部同盟を支持していますが、もし北部同盟がアフガニスタンを支配することになれば、パキスタンとの緊張は一気に高まります」(アジア国際通信・神保隆見氏) 』


■アメリカひとりひとりの優しさ

冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)「星と縞の消えた星条旗」

『 23日の日曜日の午後、NY全市では今回事件の犠牲者・不明者に捧げる「アメリカへの祈り」の式典がしめやかに行われました。メイン会場のヤンキー・スタジアムからは司会のオペラ・ウィンフリー(女優・司会者)の進行で、ジュリアーニ市長のメッセージをはじめ、各宗教界指導者の祈祷が続きました。プロテスタント、カトリック、ムスリム、ユダヤ、ヒンズー、シークと、英語のスピーチとそれぞれの言語による祈祷が続くのを、参加者全員が真剣に聞き入っていました。』

『 この「喪中」の期間を通じて、アメリカ国旗へ対する人々の思いは大きく変わって行ったように思います。事件直後には国家を象徴する旗という意識がありました。国がそれも本土の非戦闘員がこれだけ殺傷されたというのは前代未聞であり、挑戦を受けた以上、国家として「戦い」に応じて行かなくてはならない、その象徴としての旗。最初の二日間ぐらいは確かにそうでした。加えて大勢の犠牲者への弔意を表す最高の儀礼として「半旗」を掲げようという意識がありました。ですが、犠牲の深刻さが明らかになるにつれて、国旗への思いは大きく変わって行ったのです。』

『 思いを変えた一つの契機は、NYの消防隊員が倒壊現場に掲げた国旗でした。確かABCだったと思いますが、その旗を「イオウジマ(硫黄島)」に翻ったのと同じように偉大な国旗だ、というように伝えたのです。確かにアーリントン墓地の記念碑になった写真と、ビジュアル的には似たような構図でした。ですが、その言い方はそれっきり立ち消えになりました。倒壊現場の国旗というイメージ写真はその後何度も何度も報道されて、ブッシュのNY入りの際の「USA、USA」の大合唱につながるのですが、その間、誰もイオウジマとは言わなくなったのです。』

『 日米双方に甚大な戦死者(日本側は全滅)をもたらした殺戮の結果の国旗と、ただひたすら人命を救助するために警察消防併せて400人以上の犠牲を払った倒壊現場の国旗とを比較する発想に、多くの人が違和感を持ち始めたのは明白でしょう。そう言えば、「第二の真珠湾」という比較も全く影を潜めました。』

『 力の象徴の星条旗から、奉仕と連帯の象徴へと。いつしか、国旗のデザイン処理も変わって行きました。Tシャツやステッカーの国旗が、風にはためくイメージになって横縞の印象が消されたものが多くなりました。そして追悼と連帯を表すリボンに至っては、赤青白のストライプだけになって、星も横縞も消えてしまったのです。ポスターの背景などには、それこそ三色の色だけがつかわれて「自由・平等・博愛を表すトリコロール(フランスの三色旗)」と変わらないものまで現れています。』

『 もう一つは、"unite"という言葉です。国旗がその象徴に使われ始めました。 勿論、団結しよう。励まし合おう。国論を二分しないようにしよう。助け合おう。という意味なのですが、その意味に大きな広がりが出てきたのです。それは強硬策を支持する立場から徹底した反戦論に至るあらゆる立場の人たちが同じように、使い出したということなのです。ですから、同じように国旗のTシャツを着ていても、政治的な立場を聞くと「即時報復」という人から「絶対非暴力」まで大きな広がりがあるということなのです。ですが、その立場を越えて団結や相互扶助、国論の統一を信じている。その象徴として国名にある"united"という言葉を大事にし、国旗を掲げているのです。事件の後に頻発した人種差別事件への反省も、 この"unite"という言葉には含まれているでしょう。』

『 "unite"と同じように"hero"という言葉も大きく変わりました。 アメリカのヒーローといえば、圧倒的な力で勝利をもたらす者、例外はあってもそのイメージは不変でした。ですが、ヒーロー像は事件を契機に大きく変わりました。当日朝に署員の拍手を浴びながら停年退職の辞令を交付された消防士が、サイレンと共に貿易センターに駆けつけ、そのまま帰らぬ人となった話は伝説になりました。ビルの68階から非常階段を使って逃げる際に、立ち往生している車椅子の女性をみつけて、互いに名を名乗る余裕もないまま命を危険を省みずその女性を背負って逃げた人も繰り返し語られました。生存者の多くは自分達が非常階段を駆け下りる中を、逆に駆け上がって行った消防士の人たちのことを思うと涙が溢れてくると言っています。ハイジャック機の中で自身の危険を省みずに犯人と格闘に及んだ乗客の名前は、何度も新聞に出ました。』

『 もう以前のアメリカではありません。「報復」作戦が「とりあえず」「成功」したとして、その実行部隊に対して、自身を犠牲にしてでも人命を救ったヒーローと同じ賞賛ができるでしょうか。倒壊現場に掲げられた同じ国旗が、殺戮の現場に掲げられるでしょうか。違うように思います。何か本質的なものが変わりつつあるように思うのです。』

"Stop the hate."
"No more killing."
"War is not the answer."
"Raise the spirit of peace and love, not war."
"Peace is not something you fight for with bomb and missiles that kill."

『 「愛と平和」というのは、ジョン・レノンの言葉ですし、最後の非暴力のメッセージはガンジーのものです。60年代末にタイム・スリップしたかのような雰囲気の中で、しかし大勢の人が静かに時間を過ごしていました。カメラ持参の人も目に付きましたが、主として心を動かされた言葉をフィルムに(またはメモリーに)収めていて自然でした。不明者のご家族なのでしょうか、声をおかけするのは憚られましたが、黒一色に身を包んだ日本人と思われる女性の方も数名いらっしゃいました。学生のグループが、音を抑えて「イマジン」のひそやかな合唱をしていました。それに老人達も加わって小さな輪ができたりもしていました。その場にいる数百人のうち、おそらく半数の人の目は赤く潤んでいました。ここにも、国旗があり、赤青白の三色がありました。』

『 街をゆく人々の足取りは、ここがあのニューヨークかと思うほどゆっくりしていました。ニュージャージーの片田舎でも痛感した、お互いの何とも言えない優しさは市内に入ると更に徹底していました。地下鉄の駅の混雑する階段で、重そうな荷物を持つ人や女性を優先する、それはまあ当たり前なのですが、それを「徹底して仕切ろう」という人がいて、みんなが喜んで協力するのです。ミッドタウンの路上で、食料品店から出てきたレバノン系と思われる中年男性が、ミネラル・ウォーターのビンを何本も道に落としてしまいました。水がこぼれガラスの破片が飛び散る中、高そうな背広を着た白人の紳士がその中から割れていないビンを拾うのを手伝っているのです。』

『 街中を、いや全国をこの「優しさ」が包んでいます。MSNのウェブ・ニュースでも「良いマナーこそ社会の癒し」という特集を組んでいました。優しさと癒しと。この心情は果たして「報復」を許すのでしょうか?』

『 国旗の元に殉職消防士の伝説に涙する人々が、民間人の殺傷を含む敵討ちを望むでしょうか?イスラム系へのヘイト・クライム(人種差別暴力)への怒りを語る人々が、別の大陸で行われるであろう「正義」の名による暴力を許すでしょうか?ミサイルが飛び交い出したら、又ニューヨーカー達は風を切って歩き出すのでしょうか?どうも違うように思います。』

『 アメリカは変わりました。たぶん、元には戻らないように思います。』

『 確かに、ブッシュ政権は陸海空の兵力の移動を始めました。NATO、日本、パキスタンに加えて、湾岸アラブ諸国、ロシア、中央アジア諸国に中国。同意と協力の体制は出来つつあるようです。北部同盟への工作も始まり、内戦の体裁で正当性を引っ張り出す手も打ち始めました。ですが、最終的に実力行使となるかどうかについては、全く予断を許しません。ホワイトハウスは原理原則に関する討論を終えたようです。当座は強硬論の押さえ込みに成功し、そこで大統領の指導権が確立したとの情報もあります。勿論、具体的な問題について言えば、全く先は読めません。』

『 ですが、この喪の期間を経て変わってしまった新しいアメリカは、これまでのような行動パターンとは違う動きをしてゆくと思われます。今の「優しさ」と「連帯感」を忍耐のパワーに変える時、本当に新しい歴史が始まる。そんな予感すらします。』

『 奇しくも週明けの市場は大幅高の展開となりました。先行きは不透明、しかも長期間の忍耐が必要。だが、そんな長期の忍耐を市場は覚悟すること自体に、不透明感というよりも可能性という名の安定を見出してゆく。そんな全く新しい「アメリカ買い」がここにあると言ったら大袈裟でしょうか。そして、それは村上編集長がお尋ねの、「軍事報復をマーケットが許さないのでは?」に限りなく近いものと信じます。』


■大儲けしたジョージ・ソロス

『 この前代未聞の出来事を知って、ソロスはすぐさま、ヘッジファンドの運用再開を決断しました。……市場は国際的な暴落状況でしたから、ニューヨーク市場が再開された17日までに、その資金を15倍に増やすことができました』 何と、わずか3日で1兆6000億円も大儲けしたのだ。』

9月11日に何があったのか

『 9月11日、米中枢同時テロが起きる数時間前、一般にはほとんど知られていないが、ある国際条約が調印されていた。支那北京政府とアフガニスタン・タリバーン政権との間に調印された『経済援助相互協力条約』である。』

『 この新疆ウイグル自治区のイスラム勢力の分断のためにアフガニスタン・タリバーン政権の力を借りようというのが支那北京政府の目論見であった。』

『 その後タリバーン政権との関係を断っているようだが、もしこのテロが勃発していなければ、支那北京政府は中央アジアへの足場固めを着々と進めるところだったのだ。』

『 しかしじつは、もしテロが行われなければ、パウエル米国務長官から今回の国連総会である画期的な提案がなされる予定だった。その提案とは、平成10年(1998年)10月に調印された『ワイリバー合意(パレスチナ包括和平合意)』をさらに突っ込んだ中東和平提案であり、そこにはパレスチナを国家と承認したうえで難民帰還問題解決にまで踏み込んだ提案が盛り込まれていた。』

『 今回の米中枢同時テロにより、この提案は当然、ぶっ飛んでしまった。 いったい米中枢同時テロによって誰が得をして誰が損をしたのか? 良く考える必要があるのではないだろうか。』

■闇の中の真実

ビン・ラーディンとアル・カイーダ

『 だが、ほんとうにビン・ラーディンあるいは彼の支配下にあるアル・カイーダが実行犯なのだろうか。』

『 今回のテロは、単純な作戦で行われたものではない。それは想像を絶する大規模な企画であり、沈んでいるだろう。それでもなお、日本は日本独自の調査を行い、結論を出し、それに基づいて対処法を検討すべきである。』

『 すでに本紙で記した通り、タリバーンとはイスラム勢力分断のためにパキスタンを下地として米CIAが積極関与して作られた組織である。従って当然ながら現在も米CIA要員がタリバーンの深奥部に入っているはずである。また同時に支那北京政府の「現代問題研究会」もタリバーン政権下の奥深くに進入している。』

フセインはなぜ殺されないのか?

『 人類の歴史上、完勝といえる戦争は2つあったとされる。1つは日露海戦であり、もう1つは湾岸戦争である。その湾岸戦争に完勝しておきながら、米国はイラクのフセインを殺さなかった。なぜか? フセインが健在でありイラクがなお湾岸地域に覇権闘争を打って出る可能性があるということで、米軍がサウジに駐留できるからである。米軍がこの地域に駐留していることにより、米国は中東の石油をいつでも掌中に入れておけるのだ。』

『 今回、アフガニスタンのタリバーン政権との闘争状態を構築したことで、米軍はウズベキスタンに駐留することが決まり、10月5日には米第10山岳部隊の1000名の兵士がウズベキスタンに向かっていることが公表された。』

『 イスラエル在住のユダヤ人にウズベキスタンの話をすると、多くの人が目を輝かせる。「サマルカンドは私の生まれ故郷なんです」。「ブハラは私の祖先の土地。父も母もそこで生まれました」――。ウズベキスタンのサマルカンドやブハラには今でもユダヤ人街が残っているが、この地はアシュケナジー・ユダヤ(白人ユダヤ)の真の故郷なのである。』

『 米政府は今回の「戦争」について、「非常に長期間の戦争になる」と言明している。ということはウズベキスタンに米軍が長期駐留する可能性を示している。そしてこの地域は、カスピ海、アラル海といった大油田を背後に持っている。中央アジアの石油資源に対して睨みを効かせるという効果 もある。フセインに睨みを効かせるためにサウジに駐留するのと同じ効果 である。』

『 さらにウズベキスタンに米軍が駐留することは、支那北京政府にとって驚愕の出来事でもある。大東亜戦争時、日本軍を大陸の奥深くまで侵入させ、退路を断ってこれを撃滅させたように、支那北京政府の頭の中には、いざという場合、大陸の奥深くに逃げ込めば良いといった安心感がどこかに存在していた。ところがウズベキスタンに米軍が駐留するとなれば、挟み撃ちとなる。米軍、あるいは米軍を操る勢力にとっては、これが最大の狙いなのかもしれない。』

『 となると、米軍はフセイン同様、ビン・ラーディンを生かし続ける可能性もあるのだ。』

■イスラエル関与情報漏れ以後のニュース禁制

(英文) スターン・インテル(カナダ)。

 米国軍事情報部内の情報源は、世界貿易センターとペンタゴンへの攻撃に関連して、イスラエルのモサド情報局の関与を示唆する内部情報メモの詳細を明らかにした。

■オレたちにできることはなにか?アマノジャキズム天の邪鬼主義diary

10月10日(火)マヤ暦3月21日

『 テロ事件のあとから、やけに熱くなって日記を書いてる自分がときどき嫌になるんだ。もちろん伝えたいことは伝えなくちゃなんないんだけど、正義の看板せおっちゃうのはヤバイ。「自分は正しい、自分は正義なんだ」と酔うのは貿易センターに突っ込んだテロリストと同じになっちゃう。安全な場所で、おいしいものを食って、平和を唱える。だからといって「戦争を語るならアフガンへ行け」という短絡的なものじゃない。』

『「オレたちにできることはなにか?」大げさに考えなくていいよ。しいていえば夫婦長続きのコツみたいに、「感謝」と「ユーモア」を忘れないことかな。』

10月9日(火)マヤ暦3月20日

『 アメリカの本当の目的は「テロの撲滅」なんかではない。ブッシュ政権のうしろに控える石油メジャーが狙っているのは、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの石油だという。『国際保健通信』の編集・発行人である高山義浩氏によれば、「1991年のソ連邦崩壊によって誕生した4つの新生諸国には、推定で2千億バレルの石油が眠っているとされ、その量は、世界最大とされるサウジアラビアの埋蔵量に匹敵する。また、トルクメニスタンに存在する天然ガスの埋蔵量も相当なものだ 。』

『 そこで石油メジャーが注目しているのが、トルクメニスタンからアフガニスタン経由でパキスタンにパイプラインを通すというプロジェクトである。これが実現すれば中央アジアの原油、天然ガスを中東を通すことなく入手可能となる。加えて、この石油をめぐる資源開発は、石油建設大手にとっても、流涎のプロジェクトとなる。実際、このプロジェクトには500億ドルから700億ドルの海外投資が必要だと考えられている」』

『 なんだよ、パイプラインを一本パキスタンまでとおすためにアフガンの子どもや老人ゃ女たちが飢え死ぬのか。』

『 湾岸戦争も今回も、軍産複合体は「長期的で大規模なもの」になればなるほど儲かるわけだ。 なんだよ、「武器の在庫一掃セール」のために永遠に人類は血のプールを満たすのか。』

『 アメリカ政府はアメリカ人をいくら殺してもかまわないのだ。ネバダ砂漠の核実験でもアメリカ人兵士を実験材料にしたし、湾岸戦争でもあまったウランを劣化ウラン弾につめて自国の兵士を被爆させた。今回のテロも黒幕たちが手を結び、アメリカ市民を犠牲にしたのかもしれないと疑いたくなる。』

『 少なくとも空爆をきっかけに、生物兵器のテロによってアメリカ人を危険にさらすことなど、なんとも思っていないからだ。』

『 戦争というのはポペットショー(人形劇)にしかすぎない。うしろで操る腹話術師だけが笑いながら大儲けをする。それは、「経済」という怪物だ。怪物は憎しみや争いや所有欲を食べて肥え太る。その怪物を生み出したのもわれわれだ。いくら黒幕を暴いて首を吊るしても、またちがうやつが現れてしまう。』

『 すごい遠まわりに思えるかもしれないが、オレたち一人ひとりが変わらなければ、世界は変わらない。本当の革命は血を流すことじゃなく、すべての人に同じ血が流れていることに気づくことである。同じ思いを分かち合うことである。』

■ サダムフセインのメッセージ

『 米国がこのような目録を自国人民と世界にむけて発表し、米国のスパイや友人と呼ばれている者に対しても一つの基準、一つの規範をあてはめることに着手するというのはどうだろう。そして、パレスチナ占領地やチュニス、レバノンにおけるパレスチナ人殺害に関わるシオニストに対して、米国はこれと同じ荒療治を施してみたらどうだろう。また、米国がみずからの秘密情報機関を彼らが関わった特殊任務と殺人の容疑で告発し、小説の形で出版したらどうだろう。こうした提案が実現されたときだけ、はじめてアメリカは信用される努力をしているとして再生アメリカのスローガンが信用されるだろう。そうなったときにはじめて米国の信じることを世界が実行するよう要求することが道理にかない、それが米国の安全保障と世界の安全保障のために有益であるということになるのである。』

『 今や機は熟しており、見解を発表する好機である。それは米国民と西側世界の諸国民全体にむけて発せられているものだ。シオニズムは1897年に有名なバーゼル会議(第一回シオニスト会議)を招集して以降、世界の支配を企ててきた。それ以後、シオニズムはこの方針のもとに活動してきた。それは成果をあげてきており、意思決定センターとして皆さんの国でもあちこちにある金融やメディアおよび通商センターを支配することによって、皆さんも気づくことができるようになっている。しかしシオニズムの支配は、まだ、その意図が絶対的かつ最終的なものとなるほどには達成されてない。その可能性が生まれるのは、世界最大のブロックによって支持された二つの宗教が衝突したときである。さもなければ、シオニズムのすべての野望の成就は拒まれるだろう。そこでシオニズムの指導者たちは、世界支配への可能性をひらく唯一の機会として、キリスト教とイスラム教の衝突を願って工作してしている。盗みを働く犬が目を開けて食べ物を獲得しようとしているのに家族は嘆いてばかりいるという状況にまさる好機は外にあるだろうか。西側世界の良識ある人々がこのことに気づいているだろうか? それともシオニズムがその目的を達成するためにこれらの良識ある人々を出し抜くのだろうか? 』

■残酷醜悪な情景と人間の尊厳

「空爆の変えた世界〜初霜に震えながら」 『from 911/USAレポート』 第6回目 冷泉彰彦  :作家(米国ニュージャージー州在住)

『 その修理工が工具を手にしながら私に対して突然聞き始めたのです。「このクレージーな世界は、一体どうなると思う?」私は「さあ、分からないね。でも、誰にも分からないということを、みんなが知っているということは良いことだと思うけど・・・」英語は面倒な抽象論を話すのには便利な言葉です。彼は「そうだな」とニヤリと笑ってくれました。』

『 ですが、TVをひねるともうそこには911後の不思議な優しさはありませんでした。』

『 9日昼、ホワイトハウスのフライシャー報道官による定例記者会見は大荒れでした。前日にブッシュ大統領から出された作戦上の機密事項の扱いに関する政令に対して、CNNのジョン・キング記者が噛みついたのです。。』

『 記者「そんな前例は聞いたことがない、アメリカの伝統を踏みにじるものだ」、報道官「戦時に伝統うんぬんだって?真珠湾以来そんな呑気な話はなくなったのだ。理解して欲しい」』

『 朝のニュースショーの類も、ぎこちなさが見え隠れしています。先週までNYの消防士達の美談ばかり流していた女性キャスターのショーは、乳ガン撲滅運動の話と芸能ネタに集中して空爆の話や細菌テロの話は一切なし。これなどは消極的抵抗組。その一方で、芸能色の強いショーだったのですが、パネリスト達が空爆やむなし、フセインのイラクはもっと悪いという意見で盛り上がっていたところが、聴衆の中の女性が立ち上がってアフガンの一般市民の犠牲をどう考えるのか?と訴えたのです。パネリスト達が「そんな甘いことは言ってられない」と非難を浴びせる中、それまで話を聞いていた司会の白人男性が黙って舞台から下りて、発言した女性を抱きしめる場面がありました。』

『 中東情勢との関係も微妙になってきました。特に日曜日にカタールの衛星放送局アル・ジャジーラTV経由で流れたオサマのメッセージが一人歩きし、パキスタンでの大規模デモ、パレスチナでのデモ、インドネシアやフィリピンでも反米行動という始末です。』

『 ホワイトハウスは国連に対して、「アフガン以外の国と地域でも怪しければ自衛権行使の対象となりうる」という一方的な書簡を出していますが、ブラフ以上の理由があるのかもしれません。私は、先週の初めまでは穏健派の事態掌握を疑っていませんでしたが、どうやら怪しくなってきました。ラムズフェルト国防長官の諸国歴訪も、今週のパウエル国務長官のパキスタン、インド訪問も、中枢からの穏健派はずしと言ったら言い過ぎでしょうか?先週末のどこかの時点で、流れが大きく変わったとしか言いようがありません。』

『 故高坂正堯教授(国際政治学)に「内戦についての一般的研究」という内戦とテロリズムに関する名論文がありますが、その一節一節が戦慄と共に思い出されます。』

『 「テロ活動に対して支配体制にあるものが戦うことを決意したとき、支配体制にあるものがどのような方法で戦うかということが決定的な重要性を持っているように思われる。この場合、テロ活動に対して有効な防禦をしなくてはならないことは当然である。そしてそれは民衆の行動を制約する不愉快な行動を含まざるをえない。しかし、それをいかに最小限にとどめるかが問題であり、また、問題解決のための政治的努力を行うかが決定的に重要である。テロに対して対抗テロで応じた場合には、アルジェリアで実際に起こった(注、1956年)ように、暴力は相互にエスカレートし、このうえもなく残酷な情景が展開される。」』

『 今はただ、「この上もなく残酷な情景」がこれ以上実際のものとならないことを祈るばかりです。』

『 ただ、米国社会はそんな無茶な強硬論を許すとは思えません。911の傷は深く、911からの一ヶ月でだれもが自身の生き死にを見つめ、犠牲者の命と家族の人生に思いを馳せた、このレポートで再三お伝えした、そのことによる変化を甘く見るわけにはいかないと思います。例えば、空爆開始後も商店街や家々には国旗が掲げられています。ですが、道路を走る自動車からはめっきり減りました。子ども達の乗るスクールバスからは、赤白青の三色リボンは消えています。そう言えば、街を行く人の胸からはその三色リボンも国旗のバッジも減りました。明らかに軍事行動へ移った事態を見る目は醒めています。表面的には分裂の気配はありませんが、世論の深層は静かに目を覚まそうとしています。』

『 インド洋に展開している空母にはTV記者が乗艦を許され、海軍兵士のナマの声や艦載機の出撃風景などをレポートしています。今日は、ファントムに装備するミサイル弾の取り付け風景を流していましたが、そのミサイル弾には手書きのマジックインクで「FDNY(ニューヨーク消防局)とNYPD(ニューヨーク市警)のために」と書かれていました。私は見てはいけない醜悪なものを見たように思いましたが、NYっ子の40%位は同じような感想を内心は抱くのではないでしょうか?私の直感ですが。そう言えば、FMラジオのキャスターが、「TVのニュースを見ると変な気分にさせられる。だって犠牲者の追悼でロウソクを灯したり、歌を歌ったりする映像の下に大きく『アメリカの反撃』っていうテロップが付くんだもの。あれは絶対おかしいよ。昨日なんかライザ・ミネリが歌っている下に“America Strikes Back”って書いてあるんだから」と言っていました。』

『 気の滅入る話が続く中で美談を一つ。空爆開始前にNBC系列で放映された「奇跡の第六ハシゴ車隊」の物語というのをご紹介しましょう。貿易センター爆発の報を受けてセンター裏のチャイナタウンの署からすぐに現場に直行した「第六ハシゴ車隊」の六人組は、ビルからの避難を誘導しながら逆に非常階段を上ってゆきました。煙に巻かれそうになる中、怪我をして動けないジョセフィーヌさんという黒人の中年女性を見つけ、担架に乗せて全員で救助しようとしました。危険を感ずる中で、誰もが彼女を見捨てて逃げようと内心で一度は逡巡したそうです。ですが、「そうなったら一生負け犬になると思った」消防士達は必死でジョセフィーヌさんを担いで非常階段を下りていきました。

突如、轟音と共に辺りが煙と埃で真っ白になりました。轟音が静まると共に、彼等は非常階段の階段室に閉じこめられたのを知りました。助けを呼ぼうとしても、消防無線は「メーデー。メーデー(非常事態)」を叫ぶ声でどの電波も一杯です。やがて、鈴虫の鳴き声のような音があたり一面から響いてきました。消防士が自身の身の危険を知らせる悲痛な信号音の大合唱でした。「第六ハシゴ車隊」とジョセフィーヌさんは、そのまま助けを求めることもできずに閉じこめられていました。

やがて風が出てきて、煙と埃が消えたとき、七人は言葉を失いました。自分達の閉じこめられていた約10階分の非常階段を残して巨大な貿易センタービルはあとかたもなく崩壊していたのです。最終的には隊員の一人が持っていた携帯電話で自宅を呼ぶと奇跡的に通じ、泣きじゃくる奥さんにとにかく消防本部に自分達の隊と救助した女性を助けるように現在位置を知らせるように頼んだのだそうです。そうして救助隊が彼等を発見したのは、隣のビルが崩壊してその非常階段の部分も危険になる少し前だったそうです。

何故、この「奇跡」が美談なのかというと、ジョセフィーヌさんが隊員達を命の恩人だと思っているのと同じように、隊員達は「ジョセフィーヌさんが自分達を奇跡の生還へと導いてくれた天使」だと思っているという「お互い様」である特殊ケースだということ、そして助かった女性が黒人の知的ワーカーで、腕っぷしの強そうな白人の消防隊員達が、彼女のことを天使といって泣きながら抱きしめる絵が象徴的だったからなのです。裏返して考えますと、「何故自分だけが生き残ったのか?」という犠牲者への自責の念で苦しみ続けている人がいかに多いかということです。』

『 911の当日のシーンの中で、私のこころに焼き付いて離れないのは、倒壊の瞬間に今まさに救助のためにビルへ駆け寄ろうとしていた消防士達が、怒りを露わにして帽子を地面に叩きつけた光景です。そこには、正にその一瞬に多くの人命が失われ、それを救うことができなかったことへの激しい怒りがありました。憎しみというより、運命への怒りとでも言ったら良いのでしょうか。印象的な光景でした。その「救えなかった怒り」と、「奇跡の第六ハシゴ車隊」の涙、そして「自分だけが生き残った」という官民双方の生存者のトラウマ。そこには人間の尊厳があります。余りにも辛い話ですが、たしかな尊厳があります。ですが、巡航ミサイルや、情報統制や、「お尋ね者オサマ・ビンラディン、生死を問わず」のポスターには果たしてその尊厳があるでしょうか。長く複雑な戦いは、そんな本質的な問題も暴き出してゆくように思います。』

冷泉彰彦:

■著書に『トロイの木馬』(角川春樹事務所刊)

■いのち750万人

 『対談“同時多発テロの意味”:山本芳幸 × 村上龍 』 第2回目

山本 『 僕たちが普段の業務で一番困っているのは中立性の維持です。アフガニスタンは武力紛争が続いている国です。武力紛争が継続中の国でどちらか一方の側だと思われたら、その敵側の標的にされたり、拘束されてその場で処刑されたりすることだってあり得る。』

『 ところが日本は一方では後方支援で攻撃する側につきながら、同じ自衛隊が人道援助すると言っている。それは不可能です。まず間違いなく殺されます。アフガニスタンの中で動けない750万人の餓死寸前の人達にアクセスするためにミリタリーのエスコートをつけて入っていくオプションも考えているのですが、これを誰かがするとすれば、その条件は軍事的な活動に関与しないということですね。』

『 今、アフガニスタンから撤退してきた国連援助機関はアフガニスタンをぐるっと囲む形で人事配置をしたんです。戦闘状態になってもエアポケットのように安全地帯ができることがあり、そこだけ数日間安定しているということがあるんですが、そこに迅速に入れるようにシナリオを立てて情報を集めつつ待機しているんです。

『 飛行機で食糧や毛布などを落とすのを見たことがあると思いますが、実際はほとんど役に立ちません。映像的に見栄えはするのですが、ものすごく広いところにボトンと物資を投下しても意味がありません。』

村上 『 今、実はタリバンは武力専制ではない政治を行っているとか、質素で誠実だとか、そういう情報が入ると、考えなくてはいけなくなります。タリバンが悪逆非道な連中だと決めつければ、考えることは少なくてすみますね。』

山本 『 今、そういうことを言うと、“タリバン派”だと決め付けられてしまいますしね。タリバンのやった秩序回復・治安維持の功績は大きいと思います。内乱状態を収めることは他の誰にもできませんでした。内乱を収めて治安維持を行わなければ、次のステップには進めません。』

山本 『 北部同盟を応援するとアメリカは言っていますが、彼らが行ってきた酷いことはアフガン人の記憶に生々しく残ってます。略奪、レイプにハザラ族の虐殺もしているし一般の人の支持なんて全く考えられない。彼らを政権に就かせるというのは空想物語ですね。

国連の政治部の人がメディアにインタビューされて、ちゃんとそのことを言ってましたが、メディアは前の王様を担ぎ出して北部同盟と組ませて政権を作るなんていうことで盛り上がってしまって。』

村上 『 援助して、昔の元首を担ぎ出して政権を作ってしまうというのはあまり好きではありません。』

山本 『 それが典型的なアメリカなんですね。そういうことをするから嫌われるんです。アメリカの友達と話をしていても、どうして自分達がそんなに嫌われているのか分からないんです。』

村上 『 僕の友だちも同じことを言ってました。多くのアメリカ人が傷ついているわけです。しかも知的な人ほど傷ついています。どうして、自分達がこれほど嫌われ憎まれているのかと思って。僕がファトワの話をしたら、驚いていました。』

山本 『 こんなにお金をあげているのにどうしてなんだ、と言うんですが、その発想がもうだめなんですよね。日本もそれに近づいています。確かにアフガンに対する援助金はアメリカが一番大きい。大体どこでも、アメリカか日本が一番大きいんですが。そのことは時間をかけてもなかなかアメリカ人には理解できないと思います。』

村上 『 ただもちろんその姿勢にはポジティブな側面も多いわけです。戦後の日本も救われました。だから判断が難しいんですよね。常に両義性があります。』

山本 『 アメリカには偉いなと思う面が常にあります。同じことが日本で起こると、今の日本のメディアの対応を見ているかぎり、完全に戦前のような状態に戻ってしまうのではないかと思います。もう既にそうかもしれませんが、なんでするか分からないような戦争に突入してしまうのではないかと。アメリカは直接攻撃されて、大統領も興奮していますが、メディアはものすごく冷静です。きちんと調べています。』

『 ウェブを見てみましたが、日本のメディアと情報量がまったく違う。ものすごい情報が揃っていて、どこを見ても勉強できる。日本の新聞は自衛隊を派遣するかどうかそんな話ばかり。イスラムの歴史や、アメリカとの関係を見据えて何が起こったかということを考えない。CNNの放送を見ていても、画面の下には世界中の視聴者からの意見がテロップで流れています。その意見はバランスが取れています。アメリカもなんか悪いことをしたからこんなテロが起こったのではないか、というような意見も半分くらい出てきます。そういうのを観ていると、日本のメディアについて考えざるを得ません。』

山本 『 今、日本では発言しにくい雰囲気になっているのは危険です。アメリカの方がまだ自由に発言しやすい。』

村上 『 JMMを3年近くやってきて、これだけは間違いないと思うことは、今は「日本は・・」という主語で語ることは無理だということです。悪く言えばバラバラになった、良く言えば多様性ということですね。正確には多様性というのはフラットな状態で様々な価値観があるということなのでちょっと意味が違うのですが、基本的に僕はそれはいい事だと思っています。』

『 しかし、既成のマスメディアは、相変わらず「日本人は・・」「日本は・・」という言い方をします。今回も「アメリカは・・」という言い方をする。アメリカの政権内は一枚岩ではないし、アメリカ世論も同じです。』

山本 『 国連職員にも、どうして日本はアメリカに付いて行くのかと聞かれるんです。日本は関係ないのにどうしてアメリカの追従をするのかとても不思議に思うようです。もちろん彼らは日米同盟が外交の軸にあって・・・なんて説明を求めているわけではない。答えとしては「好かれたいから」というようなことしか言えない。』

山本 『 でも、「オサマ・ビンラディンという現象」というレポートを出した後の読者の反応はクールでしたね。ビンラディン派、と決め付けている感じではなくて、少し見えてきたというような反応です。メディアの流す情報に満足してなかったというか。』

山本 『 タリバンは国家として、政府として承認されていません。国連に代表もいません。アフガニスタンというと、国連では北部同盟の人たちが代表になります。しかし、それはどう考えても現実と一致しません。ここまで支配して秩序も維持しているのだから承認してくれ、ということをタリバンは言いつづけています。』

『 ここ数年間のタリバンの最大の望みは承認してもらうことなんです。でも、アメリカは彼らを承認しない。アメリカが承認しなければ、他の国もついていきません。おかしいのは189カ国あるなかで、その中には入れてあげないといっておきながら、色々と注文をつけるわけです。国際社会のルールを遵守しろと迫る。』

『 それは論理としておかしいと思います。村八分にして村の掟に従えというのはありえない話です。タリバンはルールの外に置かれているからルールに従わなくていいという論理もあるわけだから、国連の中でも一部の人たちはすぐに承認すべきだったと言っています。国家として承認されてしまうと様々な義務が発生します。条約も守らなくてはいけないので、どんどん国家らしくなっていきます。今、彼らをアウトローだと言っている人たちが彼らをアウトローにしているという側面もあるわけです。』

村上 『 タリバンを承認していたのが、パキスタンとアラブ首長国連邦とサウジだったと思うのですが、アラブ首長国連邦、サウジと次々に断絶となると、日本のメディアはいよいよタリバンは孤立してきました、と言っていますが、最初から孤立しているんですよね。』

山本 『 だから何も失うものがない。国家でもないし、爆撃すると言ってももう壊すものもない。食べるものもない。そこへの攻撃は何の意味もありません。影響があるとするなら、イスラムへの同情心でアメリカが孤立してしまうことです。日本もそうなる可能性があります。』

山本 『 イスラマバードにアメリカ兵が来たりすると、内乱状態になってしまう可能性もあるんです。そうなると一番心配なのはインドの相乗りの攻撃です。パキスタンも、「来るなら来い!核撃ちこんでやる」みたいな感じになって混乱しています。』

村上 『 テロを撲滅する、と声高に小泉首相も言ってます。実は、案外もっとも効果的で現実的な解決方法はサウジからのアメリカ軍の撤退ではないかと思うときもあります。そういうことを言うと、テロリストに屈するのかという声が聞こえてきそうですが、テロリストの要求に屈するのではなくて、要求が何なのかを知ることは重要ではないかと思うわけです。』

山本 『 テロを撲滅するにはどういうオプションがあるのかということをまったく議論していないですよね。一つのオプションとしてアメリカがたまたま軍事攻撃というのを出しているだけで、それがベストかどうかを他の国が検討しない。その他のオプションを提示することが本来の貢献ではないかと思います。』

山本 『 コミュニケーションがものすごく悪い。結果的に、僕はずっと定点観測をしているわけですが、そうすると、タリバンがコミュニケーションしようと言葉を発しているのがわかります。そのシグナルを外で拾っていない。鈍すぎるんです。』

『 日本の報道で本当におかしいと思ったことがあります。トランジットでバンコクの新聞を読んだのですが第一面の見出しに“Afghan Offer Rejected”と大きく書かれてる。どういう内容かというと、タリバンが宗教者を集めて会議をしてその中で、ビンラディンに自主的に国外に行くように勧告しましたよね。それはタリバンにとっては、もうほとんど自殺行為に近い決定だったんです。

アフガンにとってはとても大きなシグナルなんです。でも、アメリカはそのシグナルを無視してしまった。だから、見出しの意味は、「アフガンが出した申し出が拒絶された」ということです。見出しの書き方としては正確です。

ところが、日本の新聞を見たら、“ビンラディン引渡し タリバン拒否”と書いてあるんです。意味がまったく反対です。読んでいると、「タリバン強硬姿勢を鮮明に」とか書いてあってまったく正反対のことが書いてある。本当はブッシュが強硬姿勢を鮮明にしてタリバンはそれを何とか緩和しようとしてものすごい決断をしている。』

村上 『 タリバンを最初から異物扱いしてないと出てこない発想ですね。異物扱いした方が報道するのも楽なんでしょうね。邪悪なものと決めつければ思考停止でもいいわけだから。タリバンの功績などを考えてしまうと、話が面倒になって、記事を作るのも大変になりますからね。』

山本 『 もっとも強硬な「宗教警察」と呼ばれているグループがありますよね。あれは本当はきちんとした省なんです。英語では“Ministry of Promotion of Virtue and Prevention of Vice”というんです。日本語に訳すと、勧善懲悪省という感じです。それを宗教警察と訳してしまっている。それも相当に意味合いが違う。』

『 その人たちに会って食事をしたことがあるんですが、普通のいいオヤジなんです。宗教に則って、善悪を判断し、国を治めようとしているのですが、クリスチャンから見ると、とんでもないということになってしまう。』

村上 『 タリバンの厳しい戒律もよく話題になります。何度も言いますが、ぼくはタリバン支持者ではありません。単に、事実を知りたいわけです。国家機能が失われた混乱状態、空白状態では、まずは治安を維持しなければいけない。そこら中でレイプや略奪、虐殺が行われているときに、最優先されるのは、ミニスカートをはく自由ではなく治安です。そのために厳しい戒律があるという考え方もあると思うわけです。』

山本 『 “Donor Alert“というタイトルのドキュメントが国連から出ているんですが、これは世界に対して警告を発しているドキュメントです。今一番重要な情報のはずですが日本では全然メディアに取り上げられていない。ウェブに出ているので誰にでも読めます。(http://www.reliefweb.int/)

僕たちがテロのあった翌日にイスラマバードですぐに始めた仕事はContingency Planを作ることです。あらゆるシナリオを想定して、それぞれに対応策を作っていくんです。何が起きても対応しないといけないですから。不完全な情報をもとにシナリオを作るので、最も楽観的なものから最も悲観的なものまでたくさんできます。そんなもの全部、外に出したら混乱するので、この“Donor Alert“には、現時点でもっともあり得そうなシナリオと必要な対応策のセットがのっています。』

村上 『 それは重要なドキュメントですね。』

山本 『 そこにステージ1からステージ4までのっていますが、ステージ1はアフガニスタンからの撤退で、これは完了したと書いてあります。ステージ2がPre-military intervention、つまり報復攻撃が始まるまで、ステージ3がMilitary intervention、攻撃が続行中、ステージ4が Post-military intervention、攻撃終了後というように段階を分けて、それぞれの段階で何が起こるか、どういう対応策が必要になるかを検討してるんです。』

『 それぞれのステージにはduration、つまり時間的な長さを想定しないといけないのですが、ステージ1は完了、ステージ2は「数週間、もしくは数ヶ月」と書いてあります。ところが、ステージ3と4はどちらもunpredictable、つまり予測不能と書いています。国連のこういうドキュメントで「期間、予測不能」なんて書くドキュメントは珍しいと思います。』

『 重要なのは、そういう予測不能の期間に起こりえる事態です。表にまとめてありますが、表に出てくる大きな数は人間の数です。とてつもない数です。現段階で550万人くらいの人がアフガニスタン国内で餓死寸前なんですが、それが750万人くらいまで増加する可能性がある。つまり、予測不能の期間、援助機関がアフガニスタン国内に入れないとそんな数の人間が戦闘とは関係なく死んでしまう。戦闘による犠牲者ももちろんでるでしょう。国連総会で軍事行動を支持するような決議が出てしまう可能性もありますが、その一方で国連はこういう情報を出して警告しているんです。こういう情報は国家の行動に影響を与えるかもしれない。そういう意味で重要だと思うんです。』

『 パキスタンやイランには、現時点でアフガン難民が合計400万人くらいいて、その数が550万人くらいに増加する可能性があるというのが国連の推定です。これも大変なことなんですが、彼らに対してはアクセスが確保できると思います。受入国との交渉、ロジスティクスの整備、援助物資の確保など仕事はたくさんありますが、経験ある国連やNGOがなんとかできるでしょう。

問題はアフガニスタン国内に取り残されている人たちへのアクセスなんです。いかにして彼らに食料を届けるか。ところが、日本のメディアでは難民の話しか出てこない。政府の対応策として出てくるのも難民支援ばかりです。これは情報がきっちり届いていないからと思います。あるいは届いているのだけど誰も読まない。』

■メディアが伝えない現実

『対談“同時多発テロの意味”:山本芳幸 × 村上龍 』 第1回目

山本 『 欧米の人から見ると、どうしてアフガン人が大量に難民として出て行くのか理解できないようです。』

山本『 タリバンに対する偏見もあるので大変です。タリバン以前を知らずに質問をしてくるので、インタビュワーの感覚が現実から大分乖離しています。』

村上 『 でも、僕も山本さんの『カブールノート』などを読んでいなかったら、理解できなかったのではないかと思います。違和感を感じるのは、こういう事件が起こると、中近東問題を研究しているというような人がテレビに出てきてタリバンのことを説明し始めることです。それもタリバンがギャングのような存在であると決めつたりする人もいます。』

村上 『 しかし、テロを撲滅するためにも、今回の場合テロリストが狂人だとか極悪だと決めつけてしまっていいのだろうかという異和感があるわけです。テロの狙いを知ることは、今後のテロを防止するためにも非常に重要だと思うわけです。』

村上 『 ブッシュ大統領が演説の中でテロリストの側につくか、我々の側につくのか判断を迫りました。あれはとても巧妙な論理で、説得力がありましたが、アメリカとテロリストの中間に多様な価値観の社会があるわけで、その部分を無視してしまうと硬直した世界観になってしまうと思います。』

山本 『 ウルドゥ語で全国民に、建国以来、今が最大の危機だとアナウンスしました。それはその通りだと思います。アメリカ寄りについたとすると、反乱が起きてムシャラフの命は危険に晒されます。それがわかっているからアメリカに完全追従することもできないし、かといって、アメリカに全く協力しないということも考えられない。

パキスタンは先進国の援助なしには生きてこれませんでしたし、アメリカはパキスタン、イラク、イラン、スーダンなどを含めて攻撃の可能性があると言っています。要するにそれは脅しですよね。もうどうにも身動きができない状態だと思います。それを国民に丁寧に説明していました。それまでの演説は英語でしたが、そのときはウルドゥ語でした。真剣に国民に伝えようとしているんだと思います。アメリカへの譲歩として飛行許可は出していますが、パキスタンの軍隊を使ってアフガンを攻撃するということは何があってもしないと明言しています。程度の差はありますが、他のイスラム諸国でもつらさは同じだと思います。

日本のメディアでは、イスラム諸国も協力して戦う、という放送をしてしまっているようですが、それで、日本も続くという形になってしまう。テレビを観ていて本当に不思議です。サウジアラビアやイランも間違った判断をしないように必死なんです。イランのハタミ大統領はすごくバランス感覚のある人です。リベラルで、少しずつ外国との国交を深めようとしているんだけれど、イギリスの外務大臣がイランに協力要請で来た時に、テロに対して武力で報復するのは意味がない、と言っています。』

山本 『 アメリカのメディアは少し落ち着こうとしているように見えます。新聞を読んでいても、事件の後は「文明に対する挑戦だ」と興奮していましたが、今は “文明”ではなくて“アメリカ”への攻撃だと表現するメディアも出てきました。そしてそれは正しいと思います。“文明”対“イスラム原理主義”という誤った捉え方から逃れられる。』

村上 『 今回の同時多発テロはそこが焦点だと思います。ところで、アフガニスタンの人々の困窮している映像がテレビで流されるのですが、ああいった映像ではアフガニスタンの現状が伝わりにくいのではないでしょうか。』

山本 『 本当に困窮しているところは放送されていません。』

村上 『 国連が撤退し、救援物資も届かなくなり、数週間で飢えが始まるだろうという報道もあります。そしてそれを伝えるニュアンスですが、タリバンが悪いということになりがちです。タリバンを極悪にすれば話はシンプルでわかりやすくなりますからね。』

山本 『 僕らは日常タリバンと一緒に仕事をしていて、要するに彼らは取引先みたいなものなわけです。タリバンはアフガン国民をいかにして救うかということに本当に必死です。タリバンにも外務省や厚生省などのように色々な省があります。その人たちはその仕事を懸命にやっていて、お金もほとんどありません。それでもなんとか国民を助けようとしています。』

村上 『 タリバンには単なる戦闘組織みたいなイメージがありますが、一応政権を担当しているわけですよね。』

山本 『 そういう省の建物も日本人からは想像もつかないくらいにボロボロです。第三世界の政府の人間はものすごいお金持ちが多いですが、タリバンは本当に質素です。着ている服もボロボロだし、靴下も履いていない。食べ物も質素。』

村上 『 第三世界ではたいてい極端な貧富の差があり、救援物資の横流しなどもあります。政府高官が質素な生活をしている国は何となく信用できるような気がするんです。キューバも政府高官が旧ソ連製のラダに乗り、ミュージシャンがベンツに乗ったりしてますからね。』

山本 『 国連からのお金で毛布や布団を作って、国民に配給するときも僕たちが一緒にプロジェクトを進めます。タリバンもまったく普通の人たちです。盗みもしません。安心して仕事を一緒にできます。しかし、援助機関のNGOや国連の中にもタリバンに偏見を持った人がいて、タリバンに仕事をさせないようにするんです。そうすると、向こうも自分が信用されていないことがわかるのでまったく仕事になりません。どこでもそうかもしれませんが、個人間の信用があれば、仕事も進みます。個人関係が築けていないと仕事になりません。全般的に言うと、パキスタンで仕事をするよりもタリバンの支配下にある方が仕事がやりやすかった。』

村上 『 タリバンの中核はイスラムの神学生ですよね。彼らはどのようにしてアフガニスタンをコントロールできたのでしょうか。』

山本 『 タリバンがアフガニスタンを制圧していく中で、実際にはほとんど戦闘は起こっていません。』

『 アフガン人にとっては、とうとう救いの人たちが現れた、という思いで、タリバンが入ってきたら大歓迎された。92年4月に共産政権が倒れた後、ムジャヒディン同士の壮絶な戦闘が始まりましたが、その当時、アフガニスタンは完璧なアナーキーな状態です。局地支配をしているムジャヒディンが自分の支配地域で略奪・レイプやりたい放題です。

誰もがそんな状態にうんざりしていた。そこに秩序の回復を最優先とする集団が現れた。それがタリバンです。彼らは略奪もレイプもしなかった。彼らが真っ先にしたのは武装解除です。タリバンが非常に短い期間に支配地域を拡大することができたのは、タリバンのそんな評判が口コミであっという間にアフガニスタン全土に広がり、それに対する支持があったということを考えないと説明しきれない。』

耳を清ませばガイアのシンフォニーが・・・

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