広告収入は サイト維持に活用します。
どうも有り難うございます。


観 て る だけ


見たいURLを入力したら、ふりがながつきます。
http://
パワーストーン
ロータス・パラダイス
新しい存在の開花

ジルコン クリスタルで、 くつろぎ浄化が自然に 起きることを助けます。


インドの砂漠が森へと甦る。イマジン&実践レポート / ああ、インド暮らしの日々/ /月刊いんどアーユルヴェーダ新聞 /インド伝統医学に学ぶアーユルヴェーダな生活有料メルマガ
/目次/ /TANTRA/ /ヴィギャン・バイラヴ・タントラ/ /黄金の華の秘密/ /和尚/ /太母/ /創造/ /チャンプルーズ/ /2004年後半/ /2004年前半/ /2003年/ /2002年後半/ /2002年前半/ /12月下旬/ /12月中旬/ /11月中旬/ /11月上旬/ /10月下旬/ /10月中旬/ /10月上旬/ /9月ニューヨークテロ以後/ /9月ニューヨークテロ前後/ /2001年前半/ /ほんまかいな、そぉかいな?/ 転載元のURLを明記して、転載転送歓迎!  コピーレフトCopyleft(C)2004 Earth Reforesting System 

■日本人が米で開発した炭疽菌
尹集鈞氏、米炭疽菌事件と旧日本軍731部隊の関連性を指摘

炭疽(たんそ)菌調査のため浙江省金華市入りした米国籍の華人作家、尹州釣氏(米国旧日本軍細菌戦罪行調査委員会会長)は27日、米炭疽菌事件と旧日本軍731部隊が行っていた細菌戦の関連性について現地の記者の取材に応じ次のように述べた。

今回の調査はCNNテレビの要請でわざわざ行ったのだ。金華市は第2次大戦の細菌戦被害程度の高い地区。第2次大戦中、旧日本軍の731部隊は大量の炭疽菌を培養し、生身の人を実験台にその効果を試していた。731部隊の第3遠征隊は1942年、浙江・江西戦役に参戦。旧日本軍の1644部隊とともに、飛行機を使って炭疽菌など130キロの病原菌を特定の地区に運び、水源地や湖沼、住宅地に散布し、多くの人々が疫病に感染し亡くなった。

米当局の情報によると、米で問題となっている炭疽菌はAmesと呼ばれる種類で、旧日本軍731部隊の細菌専門家が研究開発を担当した。第2次大戦後、彼らは米メリーランド州Fort Detrickの生物兵器実験室で20年(1948〜68年)余りにわたり研究を続けていた。Amesは当時の研究を基に新たに開発された新種で、危険性は極めて大きい。

尹氏はこれから江西省玉山などを調査した後、調査資料をもってCNNテレビ出演する予定。 写真は当時炭疽菌の被害を受けた杜樟林さん(101)。「人民網日本語版」2001年11月30日


■著作権という罠
知性と創造性を阻害する目的が成功しつつある?

『 アイルランド、ダブリン発――スタンフォード大学で法学を教えるローレンス・レッシグ教授 が、米国の著作権法はすっかり手におえなくなっており、そのせいで文化が死に絶え、世界の歴史的知的財産が失われてしまうだろうと語った。

 レッシグ教授によると、著作権が保護される期間は、1世紀前には14年間だったものが、現在では作者の死後70年までに膨れ上がり、著作権は大企業が市場における支配権を無制限に引き延ばすための道具になってしまったという。』

『 たとえば、『ホワイト・クリスマス』で知られる作曲家アービング・バーリンの楽 曲は、発表後140年も著作権で保護されることになる、とレッシグ教授。

 画家や音楽家、作家やプログラマーたちのために著作権が存在するという理屈は、今や悪い冗談でしかないと教授は言う。

1998年に成立した連邦法、デジタル・ミレニアム著作権法などは、「作者を守るためのものではなく、莫大な著作権を所有する者の利益を代弁するもの」だというのだ。』

『 米国の著作権法は、作品の管理を、「固定化と集中化」が進む企業集団の手に委ねているとレッシグ教授。実際、5つのレコード会社が今や音楽流通の85%を牛耳っている。

『 現在では、著作権法によって著作物の「二次的利用」が制限されているので、許可がなければ、著作権のある作品をもとに新たな作品を作ることはできない。教授によれば、これによって人類の文化の進展のあり方が根本的に変わってしまったという。なぜなら、「著作権所有者がそれ以降の文化形成を規定する」からだ。』

『 この規制は技術革新も妨げている。プログラム開発者が、既存のコードを受け継ぎ、それを改良して新たなコードを生みだすという、古くからの慣行にならうことができなくなったからだと、レッシグ教授は述べる。

 音楽、出版、映画などの業界に属する企業は、アーティストに対して、作品の著作権を引き渡すよう当然のように要求する。

「子どもたちは自分の文化を自分のものにできない」と語るのは、電子フロンティア財団 (EFF)のジョン・ペリー・バーロー氏。バーロー氏も、ダークライト映画祭で講演を行なった。「著作権至上主義の時代は、文化史の巨大な空白期となるだろう」』

『 レッシグ教授によれば、企業が、著作権を所有する作品について、すべてを商業利用可能な状態で維持することに関心をもたないため、結果的に著作物がただ消滅してしまうのは大問題だという。そのような作品は、「ブラックホールに落ちて、誰も手が届かないものになってしまう」というのだ。』

『 「デジタル製作法とインターネットがあれば、状況は一変する可能性がある。これによって、以前よりもはるかに多様な方法で、創造活動が行なわれ、作品が流通するかもしれない」とレッシグ教授。このような状況は、「文化とはかくあるべきという偏狭なイメージに依存しない文化を作り出せる」だろう。

 アーティストが自分の作品をこれまで以上に自由に管理できるような、よりオープンなビジネスモデルがあれば、中央一元的な独占企業ではなく、「多様で、競争が活発な産業」が生まれるだろうとレッシグ教授は語る。

 ピアツーピア通信やファイル交換プログラムなどの新しい技術は、著作権法に対する新たな見方をもたらし、流通のあり方を大きく変革する可能性があると、バーロー氏もレッシグ教授も口を揃える。』

■テロ国家
新世紀へようこそ 057

『 IRA(アイルランド共和国軍)は長年に亘ってロンドンなどで爆弾テロを実行してきたが、だからと言ってイギリス政府は彼らの拠点であった西ベルファストを爆撃はしなかった。イギリスはテロリストを追い詰めて逮捕し、裁判にかけ、少しずつ彼らの力をそぐと同時に、北アイルランドの人々の言い分を聞く姿勢を見せ、今は最終的な和解が見えてきた。

 オクラホマ・シティーで連邦ビルが爆破された時、実行者の拠点であったモンタナやアイダホを殲滅しろという声はあがらなかった。犯人ティモシー・マクベイは逮捕され、通常の裁判に掛けられ、死刑になった。

 「犯罪の場合には、スケールがどうであれ、適当かつ合法的な対処方法がある。先例もある」とチョムスキーは言います。』

『 彼がこの本の中で言っていることで最も重要なのは、アメリカこそが世界最大のテロ国家であるということです。彼の話は具体的です。』

『 1985年、時のレーガン政権はベイルートのあるモスクの外に爆弾を仕掛けたトラックを停めて、ある聖職者を暗殺しようとした。試みは失敗して聖職者は逃れたが、その一方80名が亡くなり、250名が負傷した。その大半は女性と子供だった。

 手口としてはティモシー・マクベイがやったオクラホマの連邦ビル爆破とまったく同じです。この件は3年後になって「ワシントン・ポスト」が報じた。』

『 1980年代にアメリカ政府はニカラグアの「内戦」の一方に肩入れして、執拗な武力攻撃を行った。

 ニカラグアの人々はハーグの国際司法裁判所に訴え、裁判所は武力行使を停止した上で賠償金を払うようにという判決を出した。

 アメリカ政府はこれを冷笑と共に無視し、攻撃を倍加した。

 ニカラグアはことを国連の安全保障理事会に持ち込んだ。理事会は、すべての国家が国際法を守るようにという決議案を出したが、アメリカは拒否権を発動してこれを葬った。

 ニカラグアは更に国連総会に訴え、ここで決議案は採択されたが、この決議に実効性はなかった。この時に反対したのはアメリカとイスラエルの二か国のみ(つまり、日本でさえ賛成したわけですね)。』

『 1998年8月、アメリカはスーダンの首都郊外にあったアル・シーファ製薬工場を巡航ミサイルで攻撃した。

 これは、アフリカの米大使館連続爆破の「報復」として行われたもので、アメリカ政府はここで化学兵器が作られていたと主張しているけれども、アメリカのマスコミもこれは「誤認」ではないかと言っている。

 「ボストン・グローブ」紙によれば── 「命を救う機械(破壊された工場)の生産が途絶え、 スーダンの死亡者の数が、静かに上昇を続けている……こうして、何万人もの人々──その多くは子供である──がマラリア、結核、その他の治療可能な病気に罹り、死んだ。[アル・シーファは]人のために、手の届く金額の薬を、家畜のために、スーダンの現地で得られるすべての家畜用の薬を供給していた。スーダンの主要な薬品の九〇%を生産していた……」。』

『 これらアメリカ政府が行ってきたテロ行為の話は、あまりにショッキングなことで、信じるのはむずかしいかもしれません。

 特にアメリカ人の多くは自国の政府が海外で何をしているかにさほど関心がないので、いきなりこういう報道に接するととまどってしまう。

 何か一種反米的なプロパガンダではないかと思いかねない。

 しかし、やはり嘘ではないだろうとぼくは考えます。一つ二つならばともかく、アメリカ政府のふるまいにはこういう事例が多すぎるのです。』

『 ニューヨークの世界貿易センタービルで亡くなった人の数はその後なぜか減りつづけて、今は四千人から五千人の間、ひょっとしたら三千人を切るかもしれないとさえ言われていますが、それでもアメリカはこれだけの人々を亡くし、あの二棟の建物を失った被害国です。

 しかし、この被害国はまた歴然たる加害国でもあった。ここ何十年か連綿としてそうであった。

 それを認めないわけにはいかないのです。

 湾岸戦争については、『アメリカの戦争犯罪』という本が出ています(柏書房)。いわゆる告発本ではなく、アメリカの元司法長官ラムゼイ・クラークらによる、国際的かつ広範囲の調査の報告書です。』

『 ブッシュ政権が今、武力攻撃の範囲を、ソマリア、スーダン、イエメン、さらにはイラクまで広げようとしています。

 これには、今までアフガニスタンにおけるアメリカのふるまいを認めてきた同盟各国が、反対意見を表明しています。いかになんでもそこまではついていけないという感じです。

 以下に新聞などで報道された各国首脳の発言をまとめてみます。

# ヨルダン  「(拡大は)ひどく危険で、地域の境界をこえる否定的結果につながるだけ」「ヨルダンは、武力行使とイラクの事態への外部干渉、その保全への干渉を拒否する」

# シリア 「(拡大は)致命的なあやまり」「いかなるアラブへの軍事攻撃も際限のない問題へとつながる」

# イラン 「イランは、イラクへのどんな攻撃にも強く反対する」「イスラム世界全体がこれに反対していると考える」

# トルコ 「イラクへの作戦は望まない、とくり返しのべてきた」

# アラブ連盟 「イラクおよび他のアラブ諸国にたいする攻撃は受け入れられない」「いかなるアラブの国への軍事攻撃であれ、それは国際反テロ連合内のコンセンサスの終わりをまねくだろう」

# エジプト 「テロ問題の解決のためには国連の管轄のもとでおこなうべき」「国際社会全体がテロとのたたかいに貢献するためには、国連中心という点での合意を維持する必要がある」「アフガン(攻撃)後、軍事的手段で問題解決をはかるべきではない」

# ドイツ 「ドイツ軍はイラクやソマリアなどアフガニスタン以外の国への軍事介入を予期していない」

# フランス 「アフガン以外の国への軍事行動は必要ない」

# 中国 「われわれは理由のない攻撃拡大に反対である」

 これら各国の反応と対照的に、当初二つの国がアメリカの動きに追従する姿勢を示しました──

# イギリス 「かねてから第二段階の作戦があるといってきた」「テロリストをコントロールできない国に対する一定の 侵略的な軍事行動が妥当になるかもしれない」

# 日本 「(自衛隊派兵は)イラクというのであれば、イラクも入る」「特措法の対象国に特段の限定はない」

 その後、イギリス政府は「米国がアフガニスタン以外にも軍事行動を拡大することを支持しない」と姿勢を変えました。日本の場合は、上記のは杉浦外務副大臣の発言で、福田官房長官は「実際に協力するかどうかは諸般の事情に照らし主体的に判断する問題だ」と少し軌道を修正しました。

 しかし、では「主体的に」どう「判断する」のかという肝心のところがわからない。アメリカの戦線拡大を日本は支持しないと言い切ったわけではない。ソマリアを空爆に行く攻撃機の燃料を日本の海上自衛隊が空母まで届けるということにならなければいいのですが。

 自衛隊をテロ国家の手兵にしてはいけないと思います。』(池澤夏樹 2001−12−05)


新世紀にジョンとヨーコを読む「ジョン・レノン ラスト・インタビュー」

http://www.impala.jp

9.11 アメリカに報復する資格はない!』チョムスキー著、翻訳は山崎淳さん。版元は文藝春秋。定価1143円+税です。


■内なる光 AKIRA

11月25日(日)マヤ暦5月11日

『 ハワイの神々へ、祈りに満ちた踊りは人々の心を動かした。  環境保護団体の人にも、フラダンス教室に通う人にも、いっしょに飛びはねる子どもたちも。』

「 昨日京都にいきました。神社やお寺やお墓をめぐり、日本人がどれだけ祖先たちを大切にしているかを知りました。しかしたった今も、私たちの祖先のお墓はブルトーザーで壊され、JALがつくっているゴルフ場や日本の人たちの高級分譲地にされています 」 『 長老の女性は声を詰まらせた。

 雨で流出する土と芝生用の農薬に、サンゴ礁は窒息し、魚たちを殺す。

 司会のきくちゆみさんも泣いていた。

 観客全員が手をつないだ。オレのホームページで知り合ったはっしーやVictorさん、宇賀神さんもいっしょに手をつなぐ。  ハワイの人たちに日本の歌をかえそうと「ふるさと」を歌った。大地に生かされていることを思い出させてくれる歌だった。』

うさぎ追いしかの山 小ブナ釣りしかの川 夢は今もめぐりて 忘れがたき ふるさと いかにいます父母 つつがなきや友がき 雨に風につけても 思い出ずる ふるさと こころざしを果たして いつの日にか帰らん 山は青きふるさと 水は清き ふるさと

11月26日(月)マヤ暦5月12日

『 戦争のニュースで目立たないが、「ブチギレ」症候群の事件はつづいている。  暴走族が少年を暴行死させたり、フラれた女を殺したり、連れ子を金づちで殴ったりと、日本中がブチギレまくっている。  病名をADHD(Attention Dificit Hyperactivity Disorder)注意欠陥、多動性障害という。日本では五〜八パーセントの子どもが発症している。』

『 ADHD患者の脳をスキャンするとドーパミンのレセプターが増えていた。ドーパミンは高等な哺乳類だけがもつ神経伝達物質で、極端に肥大化した大脳で大量に使われるものだ。覚せい剤やコカインをやった状態と同じで、まわりが見えなくなり興奮しやすくなる。』

『 ADHD原因は、社会構造のストレスや人間関係の崩壊などいろいろ理由はあげられるが、最近別の角度から研究がすすんでいる。「内分泌撹乱物質」、いわゆる環境ホルモンの影響だ。』

『 驚くなかれ、日本の空気は世界一ダイオキシン濃度が高い! 枯葉剤をまかれた当時のベトナムでダイオキシン体内残留濃度はもっとも低い人で100ppt前後だった。現在日本の大都市に住む人のダイオキシン体内残留濃度は90pptをこえているんだって。』

『 これじゃ日本の空気を吸うことが戦争じゃん。  若者の精子が減り、魚介類をはじめ自然界がメス化している。環境ホルモンは女性ホルモンのレセプターと結合し、さまざまな異常をもたらす。』

『 アルミ鍋はアルツハイマーを誘発することがわかって使われなくなったが、アルミ缶は健在だ。企業側は「沸騰させないからだいじょうぶ」と言う。でも水の基本的性質は「すべてを溶かしつづける」ことだ。ガラスでも陶器でも金属でも、水は刻一刻と溶かしつづける。』

『 洗剤にふくまれる界面活性剤が分解してできるノニルフェノールは下水から地面に染み込むだけでなく、洗った皿やカップから人体にはいる。  プラスチック原材料のビスフェノールAは、水道管の内張り、虫歯の白い詰め物、哺乳瓶、粉ミルク缶や缶詰や瓶のふたの内側のコーティング、カップ麺の発泡スチロール容器などに使われている。』

『 オランダでは日本のカップ麺が人気だが、容器は環境ホルモンの害のないポリプロピレンに変えられている。カップ麺の容器を箸で傷つけちゃヤバイ。それほど日本政府の規制は甘いってことだ。』

『 五年ほど前だけど、友人が某コンビニのお弁当工場で働いていた。消毒液にゴム手袋をビショビショにひたし、型押しされたおにぎりを握る。友人はコンビニのおにぎりや弁当を食べられなくなった。』

『 日本は小麦のほとんどをアメリカから輸入している。防虫のため保存するあいだも船で運搬するあいだも大量の農薬をくりかえし使う。麦が見えなくなるくらい農薬がふりかけられるので、その船の船長は絶対日本でパンを食べないそうだ。』

『 そんなこんなで、現代人の体内には生まれたときには存在していなかった化学物質が二百五十種類もはいっているんだって。合成着色料、保存料や酸化防止剤、人工甘味料は脳を直撃する。』

『 アメリカの五大湖周辺の子どもの知能低下が騒がれたが、日本でも同じことが起こっている。八〇年代初頭に小学六年生に家の絵を描かせたら立体的に描けたが、今では家の四角と屋根の三角という二次元でしか描けない子どもが増えている。日本の大学生の知能低下は教育システムの問題だけじゃないんだな。』

『 犯罪者やブチギレる若者を責めるんじゃなく、原因をつくりだした社会システムを根本から変える時代にきている。  「国のたちおくれた行政なんか待っていられるか」と、上越市(新潟県)、鯖江市(福井県)、水俣市(熊本県)などが動き出している。スイスにある国際標準化機構(ISO)が定めた国際規格の環境マネジメントシステムを取り入れ、環境に配慮した取り組みを進めている。』

『 ローソンが社内募集した「次世代コンビニ」のアイディアで採用になった「ナチュラルローソン」が全国展開を見せている。環境破壊の先陣であるコンビニ産業までもが方向転換しはじめた。ソニーやトヨタやNECも動きはじめているし、環境問題を無視する企業は淘汰されていくだろう。』

『 人類なんて地球という人格の細胞にしかすぎない。  地球自身の進化という目的のために人類を野放しにしてやった。地球がブチギレるまえにオレたちは暴走をやめないと、ヤバイね。  チェーンソーをもった木とか、包丁をもった牛とか、サリンをふりまく米とか、暴走族よりも恐い集団リンチにあうぜ。』

11月27日(火)マヤ暦5月13日

『 ひとり言は病気じゃない。

 ADHDもTさんも病気じゃない。

「16歳のまま0歳になりたいなあ」それはみんなの本音だし、

病んでいるのはこの社会だ。しかし社会批判ばかりしていてもなにも変わらない。

「こんなのただの猿真似だ」という際限ない自己問答は痛いほどわかるよ。』

『 オレは作家というひとり言を職業とし、今も際限ない自己問答をくりかえしながらこの日記を書いている。Tさんの参考になるかどうかわからないけど、自分のことを書いてみる。』

『 オレも二十歳のころ、なにもかもが気にくわなかった。  横断歩道の向こう岸から灰色の鎧で攻めてくるサラリーマンも、「根性」をえんえんと説くもと全学連の先輩も、「長いものには巻かれろ」とさとす北池袋セブンイレブンの上司も。なにもかもが憎かった。』

『 道を歩きながらひとり言ばかりつぶやく。  子どものころからひとり言が多かった。学校の机に縛りつけられながらも、遠い世界にトリップしていた。そこは自分が本当のヒーローになれる楽園だ。  この楽園を邪魔するものはみんなみんな殺したかった。  わけのわからない底なし沼にのみこまれ、全身の皮膚が水泡でおおわれて腐っていく感じをありありとおぼえている。』

『 中学校になってはじめて武器を手にした。 音楽だ。

 授業中はノートの真ん中に線を引いて、ひとり言を詩にしていた。家に帰るとギターで詩に曲をつける。中間テストだろうが、期末試験だろうが、学校の勉強なんてどうでもいい。音楽の成績は最低だ。五段階評価でずっと二だった。授業中はひとり言をつぶやきながら詩を書いているし、先生からも問題児として無視されていた。縦笛のテストで星野先生に反抗して、窓から笛を捨てたオレははじめて最低限の一をもらった。』

『 つぎの学期の課題はギターだった。  生徒たちから噂を聞いていた星野先生は、オレに「荒城の月」の模範演奏を求めた。どうせ「ギターがうまいアキラ君」に難癖つけて、たたき潰すに決まってる。求められることについ反抗してしまうオレは、「荒城の月」をイントロ風につなげて、オリジナル曲「追悼」を歌った。

 あなたはなにを縫っているのですか  涙の糸は針を通りますか  思い出をつなぎあわせて  温かいちゃんちゃんこを縫っているのよ  そしてふるさとにあるあの人のお墓に  やさしくかけてあげるのよ

 信じられない光景に生徒たちは唖然としていた。「鬼の星野」と呼ばれた女教師が声をあげて泣いていた。星野先生の身内にでも死者が出たのか、劣等生の意外な才能に驚いたのかは、いまだにたしかめるすべはない。』

『 星野先生の態度が変わった。  音楽の授業のたびに「新しい曲できた?」と、歌わせられる。おかげでオレのクラスの男子は半分以上ギターが弾けるようになり、通信簿も一からいきなり五になってしまった。卒業アルバムを見ると笑ってしまうが、ギターを弾くオレをかこんだ三年四組は「歌える天使たち」というタイトルで紹介されている。』

『 こんな世の中に適応できないやつのほうが正しい。

 なにも疑問を持たないやつらのほうが狂っているんだ。』

『 ただこの言葉を大上段に振りかざすのはやめよう。

オウムと同じ「わたしは正しい、あなたはまちがっている」とすべての世界を拒絶してしまうからだ。しつこいくらい言うけど、オレたちの敵は「自分とちがう者」ではない。

本当の敵は「ちがい」を見下し、排斥し、国境線を引く自分自身のチョークなのだから。

 ひとり言は黒板消しだ。  どんどんひとり言をつぶやこう。  すれちがう人にあやしまれようとも、回り道だろうと、必ずひとり言はみんなにとどく。

 ひとりひとりの小さなささやきが、巨大なうねりとなって最後の革命を起こすとオレは信じている。』

11月28日(水)マヤ暦5月14日

『 「バック・ミュンスター・フラー展」が青山のワタリウムで開かれるという。 「なるほど、海賊つながりのシンクロだな」とオレは思った。  バッキーは日本で突飛な建築家と思われているが、世界では革命的思想家として知られている。エコロジー・ムーヴメントやインターネットの始祖だ。

 二十世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ(メディア学者マーシャル・マクルーハンが言った)と呼ばれるバッキーのことは知らないでも、「宇宙船地球号」という言葉は聞いたことがあるだろう?  早くも一九六三年に発表された「宇宙船地球号操縦マニュアル」は人類に運命共同体的な「全地球的思考」をせまっている。まだニューエージもガイア仮説もシステム論もビートルズもボブ・ディランも登場していない時代にね。

 「宇宙船地球号操縦マニュアル」は「偉大なる海賊」の話に前半部分をさいている。  地球が平らだと信じられていた当時、「偉大なる海賊」だけがすべてを知っていた。 二十世紀に飛行機が発明されるまで、人間は地球の表面の百万分の一しか知ることはできなかった。

人々はそれぞれの陸地で王国をつくり、その国でしか通用しない法律や常識を信じて暮らしていた。しかし地球の四分の三を占める海を縦横無尽に行き交っていた海賊は、「地球の法律」を知っていたのだ。海賊は各地の王たちに秘密の知識を伝え、陸地を統治させた。優秀な若者を集め、大学の基礎を築いた。ダ・ヴィンチのような天才に航海術や兵法を伝えたという仮説だ。

 一八九五年生れのバッキーはぶっ飛んでいる。あまりにも未来を先取りしていた天才に追いつこうと未来がすがって、やっと近年再評価された。一九二七年に発表された気球で持ち運び可能な十階建てのマンション「4ーDハウス」、エネルギーの最少入力によって最大効率を得る流線型「ダイマクション・カー」、モントリオール万博で有名なアメリカ館の蜂の巣ドーム、すべてがつながっているという「シナジー(synergy)」理論など、バッキーの思想は巨大すぎてここで全部は紹介しきれない。

 となり町の今市にバッキー建築の耳鼻科ができたので、今度話を聞きにいこうと思う。ハワイの先住民をよんだきくちゆみさんと森田玄さん夫妻がフラー・ドームの輸入元を引き受けているという。

 オレはかなり昔からわけのわからんオヤジ・バッキーのファンだし、宇宙的な視野に共振してしまう。バッキーの考えは現代人に発想の大転換を迫る。 四十年もまえにこんなことを言ってるんだぜ。

「今日の人類のありさまをわたしが描くとすれば、まさに一秒前に割れた卵の殻の破片の真ん中からわれわれが踏み出そうとしている図である。われわれの無知を養い、試行錯誤を守ってきた滋養分はつきてしまった。われわれは知性という両翼をひろげ、飛び立たなければならない時期にさしかかっている。さもなければ破滅するしかない」

11月29日(木)マヤ暦5月15日

『 アメリカ軍がイラクの防空司令施設を爆撃した。  アメリカが発表した声明はこうだ。「イラクからの脅威に対処したもので、対テロ戦とは関係ない」

 もう笑ってしまうよな。  ブッシュが、イラクの大量破壊兵器査察を受け入れるよう要求した次の日だぜ。自分が膨大な大量破壊兵器をもっていて、イラクがちょっと製造すると、もう爆撃。どういう理論を考えたって、むちゃくちゃだろ。』

『 ところが日本はアメリカへのゴマすりのために、とんでもないことをやってしまった。国連で日本が提案した「安保理決議」である。 「イラクが査察を拒否した時は可能な限りの制裁を加える」という戦争の合法化だ。これさえなければアメリカは宣戦布告できなかったのに。』

『 最悪のシナリオは大中東戦争に自衛隊が参戦、よくて戦費や戦後処理の膨大な金額を払わせられる。ただでさえ不況であえいでいる日本がそんな金払わせられたら、ますます福祉関係の金は削られるし、国がつぶれるよ。オレは一円の税金も戦争に払いたくないね。』

『 アメリカは軍事産業で儲かるから戦争をしたくてたまらないのよ。  アフガンの何もない砂漠を爆撃してるのは誤爆じゃなくて石油パイプラインの基礎工事なんだって。ラマダンちゅうにモスクを「誤爆」するのも、イラクをはじめとするイスラム諸国を挑発するため。ビンちゃんも貿易センターのテロは「アメリカの影の政府の陰謀」だって言ってるし。イスラエルの諜報機関モサドがからんでいるという説まで出てきている。』

『 もうスポットライトなんかいらないね。  そろそろ電気を消そうよ。  オレたち自身が内側から発する光で地球を包むんだ。  きれいごとや理想じゃない。  それがオレたちに残された唯一の選択だから。』

■北朝鮮へ攻撃開始

警視庁は朝鮮銀行・東京信用組合の融資をめぐる不正流用疑惑で、朝鮮総連の中央常任委員で元財政局長の康(カン)永官(66)を業務上横領で逮捕した。

[コメント]

『 この康(カン)永官なる人物が、どれほど北朝鮮にとって重要な人物なのか、じっくり新聞を読んで考えて頂きたい。今まで日本から北朝鮮に、莫大な送金を行ってきた中心的な人物である。これで北朝鮮は日本からの送金ルートが断たれた。金正日体制は太い補給路を切断されたのだ。私はこの逮捕はアメリカ政府の強い指示があったと思っている。

今まではいくら証拠があっても、政治的判断で日本の司法当局は手が出せなかった。それがアメリカが同時多発テロ以降に強化した「国際テロ組織を資金の流れで封じる」作戦で可能になった。その意味では、ついに北朝鮮に対するアメリカの攻撃が始まったと考えていい。ブッシュ大統領の対テロ戦争宣言に、北朝鮮がますます緊張を高めるのは間違いない。』

■hard revengeno.1 山本芳幸

The i-N Gazette No.20-4 2001.11.22

『 すでに北部同盟支配地域での略奪、処刑、北部同盟内での分裂を報告するメディア。 アフガン女性の人権を訴えてきたRAWAは早くも北部同盟批判の声明を出している。』

『 ペシャワルからカブールへ物資を陸路で輸送することは可能、治安は安定している、 タリバンは協力的、早く国連は動くべきだ、等々、彼らは熱く語った。』

『 なんだ、ペシャワルからなんとかできそうではないか、どうして今まで・・・という 疑問が沸き起こる。』

『 結局、僕はペシャワルへ移動して、そこからカブールを含む中央部へのクロス・ ボーダー・オペレーションの準備をすることになった。』

『 それぞれの村には長老たちがおり、そのまた上の階層の村々を束ねた区域にも長老たちがいる。そういう伝統的な権力構造は崩れずに残っていた。それが今、機能しているということだ。 彼らは自警団を作り、自分達の郷土を略奪や強姦や虐殺やから守り、アナーキーな状態にならないように必死に防衛しているそうだ。』

『 とにかくもう一度アフガニスタン全体に秩序が取り戻されるまで自衛しないといけない。なんか痛々しい感じをもってしまう。ほんとにアフガン人、打たれても撃たれても討たれても頑張ってるなあとしか言いようがない。』

『 で、タリバンはどうしてるんだろうと僕も思った。それを聞いた同僚のアフガン人二人がケラケラと笑った。今日からタリバンじゃないと言えば、また村人に戻るだけさ、元々田舎の村から来たんだから、と言う。

そりゃ、そうだ。故郷の村に帰れば、タリバンかどうかなんて分からなくなるし、そんなことはどこそこの村の何々家出身ほどの意味もはないのだろう。タリバンは砂のように消えてしまった。』

『 外国からタリバンの戦闘に参加していた人はそうは行かないだろう。アラブ人やパキ スタン人やチェチェン人はどこまでも追い詰められる。彼らは発見されしだい殺され ているそうだ。こういう状況はいつか明らかにされるだろうか。』

『 タリバンにスパイ容疑で捕まっていた日本人のカメラマンが今日解放された。日本の自衛隊が攻撃してくると聞いたので、彼はそのためのスパイだと思ったとタリバンの大使が言っていた。 思わず、吹き出しそうになったが、そんな見方さえ出てくるのは不気味な話だ。』

『 ジャミアテ・イスラミという原理主義政党が全国的は反米デモを呼びかけ、ペシャワルにいた僕はイスラマバードへ戻る予定を変更して嵐が通り過ぎるのを待っていた。

その間、アフガンNGOの人たちが国境近くの部族支配地域のある部族長の家に連れて行ってくれた。昼食時に大量のカバブが出てきた。その中に羊の目玉が山盛りになっていた、と僕は思ったのだが、これはシンワーリー・カバブというものだと説明してくれた。』

『 部族長は武器と麻薬を売っていた。大麻は10グラム1ドルで売ってるそうだ。ヨーロッパ人の若者がよく来ると言っていた。壁にはカラシニコフ銃が二本かかっていた。アメリカ人が来たらこれで撃つんだと言ってニコニコしていた。』

そんな話をしながら、カバブをむさぼっているとつけっ放しのテレビから日本の自衛隊がとうとう出動しましたみたいなニュースを流し始めた。自衛隊のイージス艦とやらが画面に映っている。

僕をそこへ連れてきたアフガンNGOの人達はニュースが聞こえないふりをしている。 気まずい沈黙になった。同僚のアフガン人は僕をちらっと見てニタっと笑った。

部族長がジロッと僕の方を見て、やっと口を開いた。これを見ろ、と首をふってテレビの方を指す。うわっ、いかん、カラシニコフで撃たれたらどうしよう、もう思いっきりアホになったふりをしてごまかすしかない、と思っていたところへ、部族長は、海で何するんだ?アフガン人は陸にいる、と言った。

ほっとした。アホなふりをするまでもなく、アホだと思われているのかもしれない。』(2001年11月17日 イスラマバード)

■日本が協力する中東大戦争
増田俊男の時事直言!

No.147号 (2001年11月27日号)

『 アメリカが一方的にイラクに戦争を挑む為には国連がイラクに対して査察要求を出せばいい。当然サダム・フセインは査察要求を拒否するから、「イラクが査察を拒否した時は可能な限りの制裁を加える」という日本提案の安保理決議でアメリカのイラク攻撃は合法化される。

いきなりの対イラク査察要求は不自然だからアメリカで起こっている炭ソ菌問題の犯人イラク説を今になって急に吹聴し始めた。疑惑を解くには査察をすればいいではないか。』

『 アフガンのタリバン政権は既に壊滅しているのにアメリカは中東に4隻もの空母を増強している。はじめからアメリカの戦争目的が何処にあったかがわかる。アフガンはソ連が1979年に侵攻したように、中東からアジアにかけての原油支配の観点から地政的に重要な拠点なのである。

アメリカの目的はここに原油パイプラインを通すことにより中東からアジアへの原油ルートをコントロールすることにある。サソリしか居ない砂漠や人家、モスクへの誤爆が続くが別に誤爆ではない。』

『 一つはパイプラインの基礎工事であり、またラマダンを機にモスクをミサイル攻撃することによってイスラム社会に一層の反米、反イスラエル感情を煽るためである。アメリカがイラク攻撃をすればイラクは自動的にイスラエルをミサイル攻撃する。

全イスラム社会の反米、反イスラエル感情が高まれば高まるほどイラクの対イスラエル攻撃に全イスラムから拍手が集まる。こうすることにより第五次中東戦争を湾岸戦争(1991年1月17日)の時のような単なるイラクの対クエート侵攻に終わらせない。』

『 サダム・フセインはアラブ諸国を代表してイスラエルに対して聖戦を挑むことによってアラブの盟主になることが夢である。アメリカは、テロに対する宣戦布告でアラブ諸国を味方につけることに成功した。そこで今度は一気に彼らの宿敵イスラエル側に立って戦争を開始するのである。

アメリカは「テロ支援国はアメリカの敵」と宣言している。だからアラブ諸国はイラクを支援すればアメリカの敵となり何時でもアメリカから攻撃を受ける根拠を作ることになる。一方アメリカは、アラブ諸国の国民に反米、反イスラエル感情を煽り、国民にイラク支援を叫ばせながら、一方国家の指導者にはアメリカの攻撃による国家破滅の脅威を与える。』

『 こうすることによりアラブ諸国の政権運営を不安定にし、アラブの団結を崩壊させ、オペックの権威と対国際経済影響力を地に落とす。こうしてアラブ諸国を一気にアメリカに追従させるのである。アメリカの中近東支配はイラク・イスラエル戦争が続く限り続くから戦争終結を意味するサダム・フセインやビン・ラーディン捕獲はアメリカの国益に反する。』

何故日本提出決議案がものを言うか

『 その法案とは前記の対イラク査察合意書に関することで、もしイラクが査察合意を反故にした時は、国連多国籍軍は何時でも「可能な限りの制裁を加えることが出来る」というもの。

私は日本がこの法案の提案国になることに決まった時「時事直言」で「第一次中東戦争どころではない大中東戦争が将来起きる時戦費や後始末の責任を日本に押し付けるための陰謀だ」と非難した。』

『 今、アメリカは中東大戦争を計画しているが、一方的にイラクを攻撃することは出来ない。今まではイラクの上空に無人偵察機を低空飛行させイラクのミサイル攻撃を誘い「報復」という形で攻撃してきた。報復は一時的で戦争にならない。そこでどうしても長期にわたって戦争を続行できる条件が必要となる。

そこで日本提出の決議がモノを言うわけである。サダム・フセインが査察を拒否すれば軍事制裁を執ることが出来る。しかもイラクが完敗し、査察を受け入れるまで戦争を続けることが出来るし、手心を加えてイラクを持ちこたえさせば戦争は長期化できる。』

『 だからアメリカが今後中東戦争を行うには「対イラク査察」が絶対に必要なのである。私が常に「中東戦争の前に国連の対イラク査察要求あり」と言ってきた所以である。もう始まっているがアフガンの戦後処理、これから始まる中東戦争の戦費。日本への要求がきつくなる。

もし日本の安保理決議が無ければアメリカは、イラクがアメリカに宣戦布告をしない限り対イラク戦争は出来ない。国連憲章第53条で国連加盟国に軍事制裁を執る場合は常任理事国5カ国全員の賛成が必要だからだ。アメリカの覇権を嫌うロシアや中国は国連多国籍軍の対イラク軍事制裁に絶対に賛成しないからである。』

『 逆にいうと日本の決議が無ければアメリカは中東戦争を起こせなかったということにもなる。ここに湾岸戦争の戦費や戦後処理の責任を日本が負わされる根拠が作られている。こうした政治力学と戦略をわきまえないと21世紀は生きていけないようだ。』

■贈物と喜び

『 しかし、それは悲惨な幕開けであった。清教徒たちがここについたのは秋の終わりであったため、冬がすぐやってきた。家を建てながら、凍り付くような風、雨そして雪と戦わなければならなかった。食べ物が突然なくなり、人々は病気になった。』

『 彼らはいつも、生き残ることについて考えていた。何を食べるか。この天候の中で次に何をすべきか。彼らは、この新しい環境や気候について全く何も知らなかった。約半数の清教徒たちが死んだ。ほんの一握りの清教徒たちしか、この新しい土地に定住することができなかった。』

『 数日後、酋長のマサソイトが数人の戦士をつれてニュープリマスにやって来た。清教徒たちは彼らを歓迎し、一緒に食事をし話しをした。清教徒とインディアンは隣人として助け合っていくことを約束し、今後互いに平和を保っていくことについての取り決めにサインをした。』

『 再び、酋長のマサソイトは清教徒を訪ねた。この時、英語を流暢に話すことができるスクアントと言うインディアンと一緒であった。清教徒たちはスクアントの話を聞いて驚いた。かつて彼は海賊に誘拐され、イギリスに連れて行かれた。そこで奴隷として売られた。ロンドンへ連れていかれ、そこで数年間過ごしたあと、イギリスの探検家と共にこの土地に戻ってきたとのことであった。』

『 スクアントは清教徒たちと一緒に住み、トウモロコシなどの作物の作り方、釣りのやり方、川にいるウナギの捕まえ方、泥の中にいる貝の掘り出し方、この見知らぬ土地で生きるていく方法を教えた。』

『 また、彼は、鹿を狩る方法や、どのイチゴが食べることができ、毒を持つイチゴはどれかということも教えた。清教徒たちは、もしインディアンがいなかったら、特にスクアントの知恵と助けがなかったら、このニュープリマスと名付けた小さな土地は多分存在しなかったであろうと考えていた。』

『 夏がやってきた。暖かくなり清教徒たちは元気を取り戻した。畑を耕し、作物の成長を見守り、そして祈った。彼らは厳しい冬を乗り切るためには、豊かな収穫が必要なことを知っていた。』

『 ついに実りの時がやって来た。彼らは作物を収穫し、蓄え、間近に迫った長く寒い日々に向けて準備をした。』

『 清教徒たちは感謝の気持ちで一杯であった。彼らは健康を取り戻し、力を回復し、冬に備えて食べ物はもちろん、必要なすべての物が十分に準備されていた。』

『 それはまさに収穫を祝い、彼らに与えられた神の恵みに感謝する時であった。清教徒たちはインディアンに祝宴の招待状を送った。彼らが祝宴の準備をしている最中、酋長のマサソイトと90人の戦士が到着した。祝宴へのプレゼントとして鹿を贈った。』

『 清教徒とインディアンはこの土地の恵みを分かち合った。魚、ニワトリ、鹿を食べた。海からはハマグリ・ホタテ・蠣、森からは木の実・イチゴ、畑からは人参・カブ・タマネギ。御馳走を食べ、インディアン共に楽しい時を過ごした。』

『 祝宴は3日間続いた。清教徒たちはこの後に待ち受けている試練の日々について十分わかっていた。しかし、今は彼らが受け取った贈り物を楽しむ時であった。』

『 海を越えここに導き、長い過酷な冬の間、彼らを見守ってくれた神に感謝した。彼らの労働の成果を神に感謝した。彼らのやり方で神を崇拝できるこの新しい土地に感謝を捧げた。そして、神にインディアンとの友情を感謝した。』(ペギー・プッロサー )

■恐怖と略奪所有観念

『 思うに、文明や武力で勝る白人は先住民から北米大陸を奪いはしたものの、違い過ぎる価値観から理解すら出来なかった先住民の精神までもは奪えず、逆に自分たちにある醜さを嫌と言うほど思い知らされるようになったのではないだろうか。それが無意識のうちに先住民に対する畏敬の念となって、無神経とも思えるこのような形で現れたのかも知れない。』

『 二カ月あまりの航海を経て船は現在のマサチューセッツ州プリマスに到着した。季節はまもなく厳しい冬を迎えようとしていた。プリマスは北海道の函館とほぼ同じ緯度にあり、また東海岸の冬は大変に厳しい。』

『 上陸後、彼らはこの地に植民地の建設を試みたが、もともと野外生活や土地の耕作についての大した経験や知識を持っていなかった。そんな彼らを、たちまちに壊血病と飢えが襲い、半数が冬を越すことすら出来なかった。』

『 彼らが全滅を免れたのは、周辺に住む先住民の助けがあったからである。先住民は、トウモロコシやジャガ芋の種の植え方、それに魚の採り方などを白人たちに丁寧に教えた。』

『 先住民の目には、大きな船でやって来た白人たちは素晴らしい能力こそ持っているものの、反面非常に脆い人間に写った。彼らをどう扱うも意のままであったが、先住民は彼らを温かく迎えて救いの手を差し伸べた。それがアメリカ大陸のどこであろうと、初めて白人に接した先住民たちは、例外なく同様の対応を示している。』

『 先住民たちは、そもそも土地を個人が所有するという概念を持っていない。それが後の悲劇へとつながるわけだが、彼らにとって土地はすべての人のものであり、ただそこで猟をしたり農耕を営んでいるだけのことであった。白人たちがそこで土地を耕して生活をしたいと言うのなら、彼らはただ隣人として迎えて接するだけだった。』

『 やがてその年の収穫期が訪れ、白人たちは豊かな実りの秋を迎えた。王であるマサソイト以下大勢の先住民が、それぞれ七面鳥などを手に祝いに駆けつけ、連日に渡って祝宴が繰り広げられた。それが、現在では国の行事ともなった「感謝祭」の記念すべき第一回目である。』

『 その後次々と新大陸へやって来た白人は、先住民に土地の個人所有の概念を押し付けようとした。イギリス人にとっては、土地の取得こそが目的だったのである。しかし、これに理解を示さない先住民に対して、白人は土地を奪って彼らを森へと追いやり、自分たちの神への冒涜に対しては死刑とする法律まで制定した。』

『 マサソイトの息子でその頃王となっていたフィリップは、このような白人のやり方に耐え兼ねてプリマスの植民地に攻撃を仕掛けた。しかし、植民地を壊滅寸前まで追いやったものの、結果としてフィリップ側は敗れフィリップ自身は処刑された。彼の首は、その後の二五年間にもわたって晒されることになった。初めての感謝祭から五〇年余りしか経っていない一六七六年の事である。』

クリックすると大きな写真が見えます

■自分の目にある梁

マタイによる福音書 第18章 21節
そのとき、ペテロがイエスのもとに来て言った。「主よ、兄弟が私に対して罪を犯した場合、いくたびゆるさねばなりませんか。7たびまでですか」

22節 イエスは彼に言われた、
「わたしは7たびまでとは言わない。7たびを70倍するまでにしなさい」

マタイによる福音書 第7章 3節
なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのか。

ヨハネによる福音書 第8章 7節
あなた方の中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい。


クリックすると大きな写真が見えます

■恐怖と破壊
冷泉彰彦

from 911/USAレポート 第14回目「感謝祭の休暇」

『 第二次大戦の太平洋戦線の勝利には「ヤマモト提督」の「暗殺」に成功したことが大きかった、だから、それ以来軍とCIAでは「暗殺」の研究に余念がなかったのだと言います。』

『 問題は、個人を「暗殺」することで歴史が動かせるということが野蛮だということです。』

『 インディアンと呼ばれた原住民と入植者の間にあったのは、血なまぐさい歴史の連続でした。最終的に原住民の人口は殺戮によって激減し、文化の多くも破壊されました。それ以来、勝者である入植者の正統性が信じられていたのは往年の西部劇に見られる通りです。』

『 全米の小学校では三年生から習うアメリカ史の中で開拓者と果敢に戦ったインディアンの英雄の名前を教え込まれます。彼等の文化がいかに優れていたかも詳しく教えます。』

『 世界各国の収穫祭の流れをくみながら、そこに原住民との和解の伝説を織り込んだこの物語こそ380年前という新しさではありますが、この国の「まほろば」伝説なのです。』

『 いわば、大相撲で言う「心技体」の三拍子が評価される実に主観的な賞なのです。そこでイチローが認められたというのは、明らかにアメリカ社会における日本文化の存在感の結果であると思います。』

『 日本のエピソードはアメリカ人にとっては「理解できそうな異文化の物語」なのであって、あくまで親近感を感じていることの証拠のように思えるからです。

男女のつきあい方について、性の問題について、日本の社会では激しい変化や混乱が見られますが、例えばタリバンの宗教戒律に比べればNYタイムスの読者にも「理解」できるのです。』

『 同じNYタイムスでも16日の金曜日には、進まない小泉改革についての記事が出ていました。「変わったのは首相の髪型だけ」だと相当に辛辣でした。立法府に調査機能が欠落しているために、行政府の終身雇用の官僚に実質的な権力が集中し、そのために官僚機構自体の改革は遅々として進まない。』

『 ですが、アフガンの飢餓や乳幼児死亡率について現地レポートを報道したCNNのアーロン・ブラウンは「私はホワイトハウスの感謝祭の食卓は絶対報道しない。今年は絶対にそんな気にならない。見たければ他のケーブル局(FOXでしょうか?)で見てくれ」と言い放っていました。』

クリックすると大きな写真が見えます

■勇気希望尊敬
AKIRA

11月20日(火)マヤ暦5月6日

『 家に帰ると、ペシャワール会から絵はがきが届いていた。雄大なヒンズークシ山脈を背景にヤギを連れた男が微笑んでいる。裏面にはこないだの寄付に対する感謝が述べられていた。  「これから厳冬期に入るアフガンで、飢餓に苦しむ人々へ食料を届けるために、カブールの5診療所を中心に活動を始めています。」オレが寿司に費やした千円でアフガンの十人家族が二週間生き延びられる。』

『  世界有数の経済大国と最貧国をくらべてもしょうがないと言われるかもしれないが、これってやっぱおかしいよ。 まず最初に知っておかなくちゃならないのは、オレたちは人類史の中で物質的ぜいたくを享受できた「最後の世代」になるということ。』

『 一九七二年、マサチューセッツ工科大学のシステム分析の専門家メドゥス博士たちがコンピューター・シュミレーション「ワールド1」による大がかりな未来予測をおこなった。あるていどの結果は予想していたものの、はるかに惨憺たる未来像が導き出されたのだ。』

『 「百年以内に地球上の成長は限界に達するだろう」  そこでさまざまな可能性を追及した最終モデルまでいきつく。しかし人類が最善を尽くしたとしても、同じだった。』

『 「核エネルギーを生産し、資源を循環させ、もっとも困難な場所からも採掘し、汚染を出来るかぎり抑え、土地の収穫量を増大させ、両親が本当に望む子どもだけを生んでも」、工業成長は停止し、資源は枯渇し、食料生産は減少し、死亡率は一気に高まる。』

『 のちにおこなわれた「ワールド3」シュミレーションでは、さらに悲惨な結果が出ている。 「一九九五年〜二〇〇〇年のあいだに大きな転換ができなければ、二一世紀前半に大規模な破局はまぬがれないだろう」』

『 げげっ、もう手遅れじゃん。  しかも旧態依然とした戦争なんかやってるし。  ヨーロッパはとっくに方向転換している。ドイツの友人宅で水を出しっぱなしにして皿を洗っていたら怒られた。スーパーでマイバッグを忘れたら、ビニール袋に二百円もとられた。』

『 ドイツでゴミは「処分」するものではなく、「回避」するものとして扱われている。包装材の八十パーセントを企業が引き取り、そのうちの八十パーセントを再利用することを義務づけられている。ドイツは必要エネルギーの約半分を風力発電に切り替え、オランダや北欧も原発を止めている。』

『 廃棄物処理への環境税は世界十八カ国で導入されているし、カップ麺とかの使い捨て容器に対する課税も四カ国で採用されている。アメリカは有害化学物質放出目録で六百五十種類の化学物質の放出量をインターネットで公開するのを義務づけている。』

『 オランダは社員制度をやめ、ワーク・シェアリング(いわゆる総バイト制)の導入によってリストラ被害を最小限にとどめることに成功している。労働時間を大幅に減らし、家族や友人と過ごす。生きる意味を考え知的な生活を楽しむ。ヨーロッパは「みんなが少しずつ我慢しよう」という、持続可能な環境型経済システムの段階に移行しつつある。』

『 先進国の中でもっともおくれているのが日本だ。  利権にしがみつく政治家たちが、経済成長の妨げになる「環境法」に反対している。  GDP(国内総生産)という時代おくれの幻想にしがみつき、「景気回復」「国民消費の増大」「経済成長」と、過去の呪文をくり返すばかりだ。』

『 GDPというのは、「いかに金を使ったか」ということだ。  オレが壁打ちテニスじゃなく、コートを借りればGDPはあがる。健康じゃなく、病院へいけばGDPはあがる。自給自足の野菜を食うのじゃなく、回転寿司へいけばGDPはあがる。』

『 健康で自立した生活は「悪」なのだ。こんな物差しを平気で使っていたオレたちのほうが、おかしいんじゃないか?』

『 あきらかに時代は、折り返し地点に来ている。  国際社会が協力して、ゼロ成長社会へ転換しなければならない。  オレたちが物質文明最後の世代なんだ。  そしてオレたちこそが、折り返す勇気を試されているんだ。』

『 このままじゃ、オレたちはかわいい孫から言われるだろう。 「おじいちゃんは、ぼくたちが苦しむのをわかっていたのに、なぜ我慢してくれなかったの?」 』

11月21日(水)マヤ暦5月7日

『 人間の爆発的進化を生んだのはネオテニーである。  猿やチンパンジーの赤ちゃんは、人間の赤ちゃんそっくりの頭蓋骨をしている。しかし成長にしたがい劇的に形態を変化させていく。』

『 人間にはこのように大きな変化はおこらない。ほかの哺乳類と比べ人間の赤ちゃんは極端な「未熟児」状態で生まれ、長い幼年期を過ごす。幼いほうが学習能力が高いし、適応能力も優れている。「幼いことはいいことだ」これは人類史の中で証明されてきた生物的戦略であり、本能である。』

『 ペドフィル、ロリコン、オタク、引きこもり、アニメファッション、リアリティーの喪失、少年犯罪、不登校、学級崩壊など、悪い側面ばかりが語られてきた。もちろん犯罪には賛成しないが、オレは大きな変化の前兆だと思う。』

『 産業革命の直前に人口が激増した。産業革命のあとではない、前に準備がなされるのだ。べつに「神の力だ」と言うつもりはないが、時代の集合無意識が大きな変化を予知するんじゃないかな。 時代がパラダイム・シフト(価値の転換)を起こしたら、古い教育や常識など使い物にならなくなる。』

『 しばらく混乱がつづくだろうが、一本の鼻毛のような希望でも捨ててはならない。』

11月22日(木)マヤ暦5月8日

『 paperbackの編集長すぶやんこと増渕さんは、編集後記で今回の戦争に関してこう書いている。「素樹さんをはじめとする複数の方々はHPで闊達な意見を述べてましたが、特にAKIRAさんが教えてくれた『マスコミが報道しないアフガニスタンの実情』(アフガン難民に対する医療ボランティア・中村医師の講演記録)には目からウロコが落ちるというか、今回の戦争がいかに不毛なことか、知ることができました」めぐりめぐって角取さんに取材依頼がきて、たまたま声をかけたのが発信源のオレだったというわけ。』

『 目に見えない「インナーネット」のシンクロが加速している。

11月23日(金)マヤ暦5月9日

『 オレはパソコンのまえで仕事をし、壁打ちテニスやプールにかよう。トトチョフは風邪をひきながらも蒲団敷きで汗を流す。  咳き込みながらも仕事へいくトトチョフを見送ると、なんだか胸が痛くなってしまう。』

『 やっと四十年もかかって、心から父親を尊敬できるようになってきた。』

■命を賭けて事実を発表した人
炭疽菌とアメリカの報道

 9月11日の大規模テロ事件が起きた後の一時期、私は「スペイン語かフランス語を勉強する必要がある」と感じていた。(時間がなくて果たせなかったが)

 私はこれまで、毎週の国際情勢分析記事を書くために、主にアメリカとイギリスの新聞・雑誌の記事を参考にしてきた。だが9月11日を境に、英米のマスコミは大政翼賛的になり、真実を語らなくなった。そのため、英米以外の国、たとえばフランスや中南米などのメディアの報道も参考にした方が良い、と思ったのである。

 これまでフランスのメディアとして「ルモンド・ディプロマティーク」英語版
( http://www.en.monde-diplomatique.fr/ )を見ていたが、以前は、私には陳腐に思える旧左翼的な論調が目立っていた。ところが9月11日以降は、米政府のプロパガンダに染まったアメリカの大手新聞より、ルモンドの論調の方が冷静で、真実に近いと思える状態になった。

 英語のメディアでは「世界社会主義者ウェブサイト」
( http://www.wsws.org/ )などを新たに定期的に記事を一覧する対象に入れた。このサイトに10月16日に載った「メディアとブッシュ」という記事は「かつてブッシュ(大統領)を凡人だと批判していたニューヨークタイムスやワシントンポストは、今やブッシュがいかに偉大かということばかりを報じている。この変節ぶりには驚かざるを得ない」などと書いている。こうした指摘は、私には「全くその通り!」と思えるものだった。
http://www.wsws.org/articles/2001/oct2001/bush-o16.shtml

 いくら「戦時」とはいえ、政府の宣伝しか報じないようになったのは、世界一流と言われてきたアメリカのマスコミにとって自殺行為に等しいと思われた。今や「人民日報」など中国のマスコミを笑えない状態なのである。中国の多くの人々は「報道にはプロパガンダが多い」と分かっているが、9月11日以降のアメリカでは、プロパガンダだと分からずにマスコミの報道を信じている人の方が多いようなので、事態は深刻だ。

 アメリカ政府が、自らに対する批判報道を封じ込めた方法は、マスコミに対して「政府や軍がやっていることをうかつに報道することは、テロリストに大事な情報を提供してしまうことになり、国家に対する反逆である」と警告することだった。

 ブッシュは10月上旬、米議会に対して「私が議会に教えた機密情報を、一部の議員がマスコミに流している。これは(敵に情報を伝えてしまうので)前線で戦っている我が国の兵士たちを危険に陥れている。こういうことが続く限り、もう議会に情報を教えるわけにはいかない」と警告した。

 米議会の中には、民主党や、共和党の中道派など、ブッシュ大統領ら共和党右派が進めている戦争政策に反対している議員がけっこうおり、そういう人々がマスコミに政府批判を書かせようと情報を流したことに対する反撃が、このブッシュの警告だった。米議会はマスコミに情報を書かせることを止めた。マスコミに対しても「政府批判をする君たちは、愛国者なのか、それともテロリストの味方なのか」といった問いが突きつけられ、反戦報道が控えられた。

▼少しずつ政府批判を再開するマスコミ

 とはいえそんな状態は、その後少しずつ変わり始めた。11月初旬ごろから、政府を批判する論調がアメリカのマスコミに少しずつ載り始めたのである。その皮切りの一つは、連邦政府が大規模テロ事件の関連容疑でアラブ系アメリカ人など1000人以上を逮捕・拘留したまま、その氏名一覧すら公開されず、秘密になっていることについて、人権侵害だと批判するものだった。
http://www.iht.com/articles/37488.htm
http://www.iht.com/articles/37525.htm

 その後、12月になって出てきたのが「アメリカ国内でばらまかれた炭疽菌は、米軍が開発した菌だった可能性が高い」というニューヨークタイムスの報道だった。この記事は「米国内にばらまかれた炭疽菌は、テロリストが作れる範囲をはるかに超えた完成度の高いもので、かつて米国防総省が開発した炭疽菌と同じ水準の完成度を持っていることが分かった」と報じている。

Terror Anthrax Linked to Type Made by U.S.
http://www.nytimes.com/2001/12/03/national/03POWD.html

 この記事によると、米議会のダシュル上院議員あてに届いた炭疽菌は、1グラムあたり1兆個の胞子からなる高密度のもので、現在の人類の科学水準では、このくらいの密度が上限だろうと思われていたものだった。一方、テロリストが開発しうる炭疽菌は、1グラムあたり500億個の胞子ぐらいの密度になるのではないか、と2年前に専門家が作成した報告書に記載されている。

 また、旧ソ連の炭疽菌開発にかつてたずさわり、今はアメリカで生物兵器禁止運動に携わっている専門家ケン・アリベク
( http://www.the-scientist.com/yr2000/apr/hollon_p18_000417.html )によると、ロシアやその他の国々が兵器として開発できる炭疽菌は、1グラムあたり1000億-5000億個の胞子のものが上限だという。

 1グラムあたりの胞子の数が多いほど、一つの炭疽菌の胞子は小さく、空気中を漂って人の肺に入り、発症させる可能性が高くなる。上院議員に届いた炭疽菌の威力は、在野のテロ組織が開発できる炭疽菌の20倍、ロシアやイラクなどの国家が開発できる炭疽菌の2倍のものだった、ということになる。

▼米軍製と同じ化学物質が検出された

 こうしたニューヨークタイムスの報道に、アメリカの他のマスコミは沈黙したままだったが、イギリスの新聞インディペンデントが後追い報道した。それによると、捜査当局の中にも「かつて米軍内で生物兵器開発に携わっていた科学者が関与した事件だというのが、最もありそうなシナリオだ」とコメントしている人がいる。FBIはすでに米国内の実験室などを捜査対象に含めている。
http://news.independent.co.uk/world/americas/story.jsp?story=108217

 その一方で「アメリカで作られたものであるはずがない。米軍の炭疽菌開発は1969年に終わっており、関係者がその後30年間も炭疽菌を保存していたとは考えられない。炭疽菌はアメリカ製ではなく、イラク製だ」と主張している専門家もいる。ところが、米軍は5年ほど前から秘密裏に炭疽菌開発を再開しているのだから、この指摘は当たっていないことが分かる。(前作「炭疽菌と米軍」参照)
http://tanakanews.com/b1210anthrax.htm

 もう1人、米軍との関係を指摘している人物がいる。生物兵器の禁止運動に力を入れているバーバラ・ローゼンバーグ(Barbara Rosenberg)という科学者で、彼女が最近書いた報告書について、科学雑誌ネイチャー
( http://www.nature.com/nature/ )が報じている。彼女は報告書で、かつて米国防総省が炭疽菌を兵器として使える純度まで高める培養工程で使っていた化学薬品と同じ成分が、上院などに送りつけられた炭疽菌を調べたところ検出された、と指摘している。

 これらのことから、米国内で郵送された炭疽菌は、米軍が開発したものである可能性が高いことが分かる。具体的には、米軍の研究室の炭疽菌を誰かが盗んだか、米軍内部の専門家がテロ組織に炭疽菌の作り方を教えたか、もしくは米軍が組織的に仕組んだか、のどれかである可能性が高い。

 ここまで調べて私が感銘を受けたことは、ニューヨークタイムスの記者や、ローゼンバーグら何人かのアメリカの科学者たちは、命をかけてこれらの事実を発表したであろうということだ。ニューヨークタイムスの記者のところには、ニセモノだったが炭疽菌のような白い粉が送りつけられている。ローゼンバーグ女史に対しても、政府関係者からの脅しや、一般のアメリカ市民から「おまえは売国奴だ」といった攻撃がきていると思われる。

 多くの人々が「イスラムのテロリストがやったに違いない」と思い込んでいた炭疽菌事件に対して「いや、そうではないかもしれない」と事実を提示して主張することは、多大な勇気が必要なはずだ。そういう人々が存在しているというだけでも、アメリカはまだ理想の国として立ち直れる可能性を持っている、と私には感じられる。

★関連記事

炭そ菌の震源地はペンタゴン?

http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=pol&cont=pol0&aid=20011203213025200

炭疽菌郵送犯は軍事関連の経歴のある人物=ダシュル上院院内総務

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011209-10061806-reu-int

■炭疽菌と米軍
田中宇の国際ニュース解説 2001年12月10日

『 9月11日に大規模テロ事件が起きる1週間前の9月4日、ニューヨークタイムスは、アメリカ国防総省が生物兵器として炭疽菌の開発を行っているとする記事を載せた。U.S. Germ Warfare Research Pushes Treaty Limits

http://www.nytimes.com/2001/09/04/international/04GERM.html

 この記事によると、炭疽菌の開発は、ロシアの生物兵器に対抗するためのものだった。旧ソ連は炭疽菌の開発をしていたが、ソ連崩壊後、ロシアはその技術を使った生物兵器(小型爆弾)を開発し、武器の国際ブラックマーケットに流そうとしている可能性が強まった。

 米国防総省はこの生物兵器爆弾の性能を調べるため、1995年ごろ、CIAに対して武器商人などを装ってこの爆弾を買ってくるよう依頼したが、CIAはそれを達成できなかった。そのため国防総省は、この爆弾に関する情報をもとに、同じものを米国内で作ってみることにしたという。そして、その中に入れるための炭疽菌も製造することにした。

▼大統領にも知らされなかった炭疽菌開発

 第二次大戦後しばらくの間、アメリカは生物兵器の開発に力を注ぎ、炭疽菌の開発も手がけていた。だが1969年に生物兵器開発を永久に止めると宣言し、その後は生物兵器禁止条約に世界中の国々を入れようと動くことで他国の生物兵器利用を止める側に回った。核兵器などに比べ、生物兵器は技術水準が高くない国でも開発できるため、アメリカにとっては自国で開発するより他国の開発を止めた方が軍事的に有利になるからだった。

 この条約に加盟しているアメリカにとって、生物兵器の製造は条約違反である。だがこの条約では、生物兵器の攻撃を防ぐための防御的な開発は許されている。米軍は、ロシアが開発したのと同じ炭疽菌を作ってみることで、炭疽菌に対するワクチンを作るというのが目的だから「防御的開発」だとして、炭疽菌爆弾の開発を条約違反ではないと考えた。

 「クリアビジョン計画(Clear Vision)」と呼ばれたこの計画は、当時のクリントン大統領にも全貌を明かされないまま、秘密裏に進められた。国防総省はネバダ州の砂漠の中に生物兵器の爆弾の外側部分を作る簡単な工場を作るとともに、オハイオ州のバイオ製品メーカーに炭疽菌の製造を発注した。

 大統領府(ホワイトハウス)はこうした計画の進行を後から知り、無断で進めた国防総省を批判したものの、大統領府と国防総省の法律担当者が再度、条約違反かどうか検討したところ、結局違反していないという結論になり、炭疽菌などの開発はそのまま続けられた。

 開発はブッシュ政権になっても続けられた。「テロリストやテロ国家の真似をして生物兵器を作ってみることが、テロ防止に役立つ」という理由で、生物兵器禁止条約で許されている防御用開発の範囲内だという正当化が続いた。国防総省は、従来より効力の強い新型の炭疽菌を開発し、それに対するワクチンを作ることに意欲を持ち、今年9月下旬には、大統領が主宰する国家安全保障会議の認可を経て、新型炭疽菌の開発が始まることになっていた。

▼生物兵器禁止条約を妨害せざるを得なくなった

 だが、アメリカ政府はこれらの事業を秘密にしたため、思わぬところで歪みが生じることになった。かつてアメリカが主導してきた生物兵器禁止条約の強化を、アメリカ自身が妨害することになったのである。

 この条約は、加盟国がこっそり生物兵器を開発しているかどうか、国際査察によって調べる制度を条項として持っていない。生物兵器を持っている国が限られていた冷戦時代にはそれで良かったが、冷戦終結後、秘密裏に生物兵器を開発していると思われる加盟国がいくつか出てきた。そのため査察の制度を新設する検討が1994年から続けられ、今年7月に新制度が決定される見通しだった。

 ところが、アメリカは土壇場で査察制度の新設に反対し始めた。査察制度が確立したら秘密の炭疽菌開発がばれてしまうから、というのが反対の本当の理由だったが、表向きはそう言えないので「査察はアメリカのバイオビジネスの企業秘密を侵害しかねない」「検討されている査察体制は、イラクや北朝鮮などに甘すぎる」などという理由をつけて反対した。

 アメリカには、これまで生物兵器禁止条約の強化のために奔走してきた専門家が多くいる。彼らはブッシュ政権の姿勢に怒っており、その怒りがニューヨークタイムスに対する情報提供につながり、9月4日の記事の暴露記事となったと思われる。

 翌日、ワシントン・ポストが後追い報道をしたが、そこでは国防総省の広報担当者が炭疽菌開発を事実として認めた上で「生物兵器禁止条約で許された範囲内の研究だ」と主張している。このほか、数人の軍事関係者も開発の事実を認めている。

http://www.washingtonpost.com/ac2/wp-dyn?pagename=article&node=&contentId=A42583-2001Sep4

 イギリスの新聞タイムズは、ラムズフェルド国防長官も開発プロジェクトの存在を認めたと報じている。

http://www.thetimes.co.uk/article/0,,3-2001305743,00.html

これらのことから、報道は誤報ではなく、国防総省が炭疽菌を持っていることは事実として確認されたと考えてよいだろう。

▼テロ事件で指摘できなくなった米軍関与

 これらの記事が出てから1週間後、大規模テロ事件が起きた。そして9月下旬から、炭疽菌がアメリカ国内にばら撒かれ始めた。ニューヨークタイムスなどの告発記事との関連で考えて、米軍関係者の関与が疑われても不思議はなかったが、9月11日のテロ事件は、アメリカの政治社会の様相を一変させていた。

 テロとともに始まったブッシュの戦争は「政府を批判する者はテロリストの支援者だ」という雰囲気を作り出し「米軍も炭疽菌を持っている」「それが持ち出されたのではないか」などと指摘することは、アメリカのマスコミには許されないことになっていた。

 米議会のダシュル上院議員あてに届いた炭疽菌は「知られている炭疽菌の中で最も強力で、生物兵器として作られた等級のもの」だと報じられた。

http://news.bbc.co.uk/hi/english/world/americas/newsid_1601000/1601754.stm

だが、これを国防総省の「クリアビジョン計画」と結びつける報道は皆無で、イラクやロシア、北朝鮮など、アメリカ以外の国々が疑惑の対象として列挙されるばかりだった。米軍は炭疽菌の製造を1969年の宣言とともに全廃した、という建て前のみが報道され、信じられる状態が続いた。

 ニューヨークタイムスで9月4日の記事を書いた記者の1人のところにも10月中旬に炭疽菌まがいの白い粉が封書で届いたが、そのことを本人が書いた記事には、9月4日の記事との関連は何も書かれていない。

http://www.nytimes.com/2001/10/14/national/14LETT.html

 とはいえ、この記事にはビル・パトリックという、1950−60年代に国防総省の主任研究員として炭疽菌を兵器にする研究開発にたずさわっていた人物が登場する。兵器としての炭疽菌には、肺に吸い込ませるものと、皮膚から入るものがあるが、肺から入れる炭疽菌は非常な微粒子にしなければならないので、作るのがものすごく大変だ、とパトリックはコメントしている。この指摘が、その後のニューヨークタイムスの反撃のベースとなるのだが、ここからの話は次回にまわすことにする。(続く)

★ジャパンナレッジ・・・「田中宇のワールドクロニクル」内容は配信記事と同じですが、過去の記事が地域別、テーマ別に分類されているので見やすいです。キーワード検索にも対応しています。

http://www.japanknowledge.com/

■うんこ インドいまここ


森番日記/ /目次/ /和尚/ /太母/ /ミルダッド/ /創造/ /チャンプルーズ/ /最新リンク/ /2004年後半/ /2004年前半/ /2003年/ /2002年後半/ /2002年前半/ /12月下旬/ /12月中旬/ /11月中旬/ /11月上旬/ /10月下旬/ /10月中旬/ /10月上旬/ /9月ニューヨークテロ以後/ /9月ニューヨークテロ前後/ /2001年前半/ /ほんまかいな、そぉかいな?/ / 緑化情報/ /写真日記/ /月刊いんどアーユルヴェーダ新聞/ / ああ、インド暮らしの日々/
/地球再緑化機構/ /ハーブお買物で寄付/ /ジャングル石鹸お買物で寄付/ /インド伝統医学に学ぶアユルヴェーダな生活有料メルマガで寄付/ / インドの砂漠が森へと甦る。イマジン&実践レポート/