ニューチャイルド

翻訳  スワミ・パリトーショ スワミ・アトモ・スディープ


人類―その条件付け

”馬鹿バカというものは生まれつきでしょうか それとも馬鹿バカに仕込シコまれたものなのでしょうか?”

それは複雑フクザツな問題モンダイだ
およそ90パーセント近チカくは
馬鹿に仕込まれたもので
残ノコりの10パーセントは生まれつきだ
そして、この10パーセントは
馬鹿に仕込まれた90パーセントのために
生まれてきている

人類ジンルイは最初サイショからずっと奇妙キミョウな生活セイカツを営イトナんできた
――奇妙だと言うのは
  なぜかしら人類が馬鹿を必要ヒツヨウとしたということだ
馬鹿がいなければ、賢者ケンジャも存在ソンザイしないことになる
馬鹿がいなければ、いわゆる卓越タクエツした知性チセイも存在しなくなる
馬鹿という分類ブンルイが残ノコっているのは
ほとんど必要によるものと言っていい

今日まで、社会がどのように機能キノウしてきたか
その深い層ソウを見通ミトオした者は誰もいなかった
だが、社会が機能してきたその在アり方といったら
まったく犯罪的ハンザイテキとしか形容ケイヨウしようがない
社会には人間を選ヨり分け、階層カイソウを作る必要がある
これまでの社会はいつでも競争キョウソウに基モトつ゛いていた
だが、競争という考えそのものが人類にとって危険キケンなものだ

ある人を馬鹿と呼ヨぶことができるのは
比較ヒカクの上でのことに過ぎない
誰かもっと知性的に見える人と比較してのことだ

ある幼オサナい少年ショウネンから、こんなことを聞いたことがある
少年の家に客キャクとして招マネかれたときのことだ
私は庭ニワで椅子イスに腰掛コシカけて夕涼ユウスズみをしていた
その少年は一人息子ムスコで、せいぜい6歳サイく゛らいだった
私は少年に名前ナマエを尋タズねた

「今まで僕ボクの名前は『だめ!』っていうんだと思っていたよ
こんど学校に行き始めて
初ハジめてそれが僕の名前じゃないって分かったんだ」

少年が言っているのは、とてつもなく重要ジュウヨウなことだ
子供が何をしても、大人オトナたちは待マちかまえているように
「そんなことしちゃだめ!」と制止セイシする
これでは誰も、本来ホンライ備ソナわっている資質シシツに従シタガって
開花カイカすることなどできはしない
そして、それこそが世界中に
非常に多くの馬鹿をつくり出している基本的キホンテキな要因ヨウインだ
だが、彼らは事実上ジジツジョウ、特定トクテイの目的モクテキを果ハたしてもいる
もし他の人と比較されたり
理想像リソウゾウを押しつけられたり
強制的キョウセイテキに訓練クンレンさせられたりせず

本来ホンライの資質に従って開花することを許されていたら
いったいどこの誰が
アドルフ・ヒトラーを指導者シドウシャとして受け入れたと思うかね?
ちょっと指導者といわれる人々を見てみるといい

馬鹿がどうしても必要だったのは
少数の人々が自分のエゴを誇示コジするためだ
少数の人々が頭角トウカクを現して、ノーベル賞を獲得カクトクするためだ

ちょっと考えてごらん!
誰もが自分自身ジブンジシンの天性テンセイに従って生き
自分以外イガイの何者ナニモノにもなろうとしなければ
ひとりひとりの内側ウチガワで、途方トホウもない知性が炸裂サクレツする
それは生と存在に関カカわる基本法則キホンホウソクだ

花々が教師キョウシや指導者や政治家セイジカに耳を傾カタムけないのは
幸サイワいなことだ
さもなければ、この連中レンチュウは薔薇バラの花に向かって
こう言うだろう
「何をやっているんだ? 蓮ハスの花になれ」
薔薇の花はそれほど馬鹿ではない
だが、話の上でのことにすぎないが
実際ジッサイに薔薇が蓮の花になろうと努力ドリョクし始めたら
どんなことになるだろう?

確実カクジツに起こることが二つある
もはや薔薇の花は存在しなくなる
薔薇のエネルギーのすべてが
蓮の花になることに振フり向けられるからだ
そして二つ目は
薔薇の木には
蓮の花を咲かせることなどできないということだ
薔薇の種子シュシに、そんなプログラムは組み込まれていない

馬鹿な木だと言えるような木を見たことがあるだろうか?
もしくは、非常に知的で、卓越した知性を持ち
ノーベル賞に値アタイするような木など
一度だって見たことがあるだろうか?
人類はこれまでずっとねじ曲マげられてきた
親から教師にいたるまで誰も彼もが
学校から、大学、宗教シュウキョウ、聖職者セイショクシャたち
近所キンジョの人々にいたるまで、何もかもが
あなたを、あなた以外の何者かにしようとしている
だが、そんなものにはなりようがない
あなたは、あなた自身になれるだけだ
さもなければ、自分自身にさえ、なりそこない
あなたは、ただの馬鹿になる

私に言わせれば、この人類の歴史レキシ全体が
ひとりひとりの人間に対する長きにわたる理不尽リフジンな犯罪だ
これまでの人類の歴史は
既得キトクの利益リエキを受けている人々のために
あったようなものだった
そこには、権力ケンリョクの座ザにある人たちが含フクまれる
学識ガクシキある人たちも含まれる
それもまた別の形の権力だ
さらに、裕福ユウフクな人たちも含まれる
富トミもまた別の形の権力だからだ
彼らは誰も彼もが
内側でセンターが定サダまった状態ジョウタイになることなど
望ノゾんでいない
自分のセンターが定まった人を
搾取サクシュすることはできないからだ
そうなってしまったら
隷属レイゾクさせることも、辱ハズカシめることもできない
癌ガンのように心を蝕ムシバむ罪悪感ザイアクカンをつのらせていくように
仕向シムけることも不可能フカノウだ
こういうことこそが
これまで人類が成長を阻ハバまれてきた理由リユウだ

日本には、非常に古い木がある
それは樹齢ジュレイ400年にもなる木だ……
そして、日本人がそれを芸術ゲイジュツとして扱アツカうのは
その木の高さが20センチほどで
しかも、その木には樹齢に見合ミアった風格フウカクがあるからだ
だが、そのためには特別な方法が採られてきた

同じ方法が、人類に対しても用モチいられてきている
その木は植木鉢ウエキバチに植えられる
だが、その植木鉢には何も土壌ドジョウとなるものがない
つまり、その木の根は絶えず切られ続け
根が深く伸びることもできなければ
木が高く伸びることもできない
特定トクテイのバランスというものがある
非常に高い木がそびえ立つには
とても深い根が必要だ
さもなければ、その木は倒タオれてしまう
そして、もしその根を切り続けるとしたら
木は歳トシをとり続けるが
自然シゼン本来ホンライの大きさにまで成長することはない
私には、これが芸術だとは思えない
これは哀アワれな木に対する犯罪だ

だが、これと同じ犯罪が人類に対して犯オカされてきた
あなたの根は絶えず切られ続けている
そして、それによって知恵遅チエオクれの人類が生み出される

ツルネーゲフの小説ショウセツに
「愚オロか者モノ」というすばらしい話がある
ある賢者ケンジャが村にやって来た
ひとりの男が賢者のところにやって来て
涙ナミダを浮かべながらこう言った
「この苦クルしみから、どうしたら抜け出せるか分かりません
村中が私のことを馬鹿だと思っています
私が何か言うと、即座ソクザに村人たちが
お前は間違マチガっていると責セめたて、非難ヒナンします
私が何も言わなければ、こんどはあざ笑って
『何も言えるはずがない、馬鹿なんだから』
と言うのです
私はそんな苦しい立場タチバにあるのです
あなたが賢人だとお聞きして
何か助言をして頂きたくて、やって来ました

賢者はこう答えた
「気に病ヤむことはない
とても簡単カンタンな方法を使うだけで
ひと月もしないうちに状況ジョウキョウが、がらりと変わる
それに私は1か月後に、同じ道筋ミチスジを通ってここに戻モドる
だから状況が変わったかどうか、確タシかめることができる
そして、賢者はその男にある非常に単純タンジュンな方法を伝授デンジュした

その方法とはこんなものだった
「自分からは何も言わないようにしなさい
ただ誰か他の人が意見イケンを言うのを待つのだ
誰かが『なんてきれいな夕焼ユウヤけだ』と言う
ここが大事ダイジなところだ
即座に飛びついて、こう訊キいてやるのだ
「夕焼けのどこが美しいというのですか?
定義テイギして下さい、説明セツメイして下さい
あなたには美の何たるかが分かっているんですか?
そして、美の何たるかが分かっていないとしたら
何を根拠コンキョに、夕焼けが美しいなんて言うのですか?
何であれ何かを美しいと呼ぶ前に
美とは何かが定義されていなければならないはずです」

だが、どんなに偉大イダイな詩人も、どんなに偉大な哲学者テツガクシャも
――とりわけ、美学ビガクというたった一つの課題カダイに身を捧ササげた
クローチェのような哲学者たちでさえも――
美とは何であるか定義することはできなかった
誰にでも分かってはいるが……
分かっているだけでは十分ではない

誰にでも善とはどういうことかは分かる
だが、疑問ギモンとして突ツきつけられでもしたら……
善を定義してごらん!
ところで、イギリスの哲学者のひとりで
ことによると最も聡明ソウメイなイギリス人のひとりである
G.E.ムーアは、『倫理学リンリガク原理ゲンリ』という本を著アラわした
この本の全体が、たったひとつの疑問に捧げられている
つまり、善とは何かということだ
そして、250ページに及オヨぶ困難コンナンを極キワめる非常に微妙ビミョウで
論理的ロンリテキな推論スイロンを展開テンカイしたあげく、その結論ケツロンでは
善とは定義できないものだと述ノべている

1か月後、件クダンの賢者が戻ってきた頃コロには
当然トウゼンながら、例レイの馬鹿はすでに
村で一番賢い人間ということになっていた
それというのも、彼は誰でも立ち往生オウジョウさせたからだ
誰かが何か言おうものなら、すぐに彼は批判ヒハンして
根本的コンポンテキな定義を要求ヨウキュウする
ある女性ジョセイが美しいと言えば、彼はこう尋タズねる
「その女性のどこが美しいと言うのですか?
体つきですか? それとも筋スジの通った鼻ですか?
汗アセをかいて嫌イヤな臭ニオいをさせていることですか?
あなたは美を何と心得ココロエているのですか?
これには何とも答えようがなかった
そして村人たちは、自分に答えられないことが分かると
たちまち、この男は完全に誤解ゴカイされてきたのだと
考えるようになった
「あの男は馬鹿ではない、偉大な思想家シソウカだ
聡明な人間で、誰よりも高い知性チセイを持っている」

件クダンの賢者は上機嫌ジョウキゲンで、こう尋ねた
「お前はいま満足マンゾクしているか?」
「この上なく満足していますとも」男は答えた
賢者はこう注意チュウイした
「いつでも肝キモに銘メイじておきなさい
決して自分から口をきいてはいけない
ただただ、待ち受けるのだ
誰かしらが何か言うだろう
すかさず批判しなさい
誰かが神について語ったら、すかさず批判しなさい
証拠ショウコを求め、確証カクショウを要求しなさい
そして、いかなる証拠も、いかなる確証も存在しはしない
ただひとつのことを肝に銘じておきなさい
決して自分からは口をきかないことだ
自分から口をきこうものなら
すぐさま村人たちがお前に飛びかかり
お前はもとの馬鹿に逆戻りすることになる」

誰もが子供の頃から
お前は間違っていると決めつけられてきた
子供が何を言っても、何をしても
それが正しいなどということは決してない
当然、子供は何にせよ自分から口をきいたり
行動コウドウしたりするのを恐オソれるようになる
従順ジュウジュンな子供でいれば、可愛カワイがってもらえる
他人タニンが決めた規則キソクや、規律キリツに従シタガっていれば
可愛がってもらえる
誰もが好意コウイを持ってくれる
これこそが策略サクリャクだ

つまり、自分の足で立とうとする人間は非難され
人真似マネに終始シュウシする人間は認ミトめられる
当然、内なる種子シュシ、潜在的センザイテキな可能性カノウセイが
育っていく機会キカイは、失われてしまう

私は、自分の子供時代のことを思い出す
今ではあまりにも昔のことになって
誰もそんなことは訊かなくなったが……
インドでは、いまだに数世代スウセダイが同居ドウキョする大家族が存在する
私の家族には少なくとも50人の人がいた
そして、私が静かに座っていると
必ず誰かしらが通りすがりに、こう尋ねる
「何だって黙ダマって座っているんだい?」
不思議フシギな話だ、黙って座っていてはいけないとは
また、もし私が物音を立てて家の中を飛び回ると……
「気でも違チガったのか?
何だって家の中を跳ハねまわっているんだ?」と、言われる
私はこの事態ジタイをのみ込むと
最初から闘タタカいを始めたほうがましだと覚悟カクゴした
いったん、こういう人々に捕ツカまってしまったら
この群集グンシュウの中から抜け出すのは至難シナンの業ワザだからだ

私の父はいたく仰天ギョウテンして、こう言った
「おまえは人が訊いたことに答えようとしない
それどころか、別のことを訊き返している」

私は答えた
「僕ボクが考えだした解決策カイケツサクさ
黙って座ってると、大人に
『何だって黙って座っているんだ?』って
訊かれるんだ
僕は答えずに、こう訊き返すことにしたんだ
『なぜ黙って座ってちゃいけないの?
答えてくれなきゃいけないよ
そっちは大人で、ものを知っているけど
僕は子供なんだもの
教えてよ、なぜ黙って座ってちゃいけないの?』」
家族全員がだんだん観念カンネンするようになった
「この子は何も答えやしないよ
即座に訊き返されて、困コマった目にあうのがおちだよ」
彼らは私に何も訊かなくなった
ついには、こんな状況ジョウキョウが起きるまでになった
私が座っているのに
母が「家には誰もいないようね」と言う
私が目の前に座っているというのに!
「野菜を誰かに買ってきてほしいんだけど」

私はこう答えたものだ
「誰かいたら、お母さんにそう教えるよ」
私は、いないも同然ドウゼンと見なされていた
それに私は、そう考えるのが正しいことを証明した
証明しない限り、そう見なしてもらうのは難しい
最初は、家族の者も私にこう言いつけたものだ
「マンゴーがおいしい季節キセツだから
市場イチバに行っていくつか買っといで」

私は一番ひどいマンゴーを置いている店に行って
こう注文チュウモンしたものだ
「一番ひどいマンゴーをおくれ
値段ネダンは一番上等なやつのでいいから」

店主テンシュでさえ、度肝ドギモを抜かれた
「お前はいったいどういう客なんだ?」

私は言った
「どういう客かって?
いろいろな客がいるじゃないか……
僕はユニークな客なんだよ」
店主はすっかり喜んで、私に腐クサったマンゴーを渡ワタし
一番上等なマンゴーの代金を取った
私は家に帰り、腐ったマンゴーを見せて、こう言ったものだ
「一番上等なやつだよ。お金もちゃんと払ってきたよ」
しかも、そのマンゴーは嫌な臭いがしていた

母はこう言ったものだ
「そんなもの、外に捨てといで!」

私は言った
「なぜ捨てちゃうの?
乞食コジキの女の人がいるから、あの人にあげてくるよ」
だが、その乞食でさえ
マンゴーを受け取ろうとはしなかった
彼女まで、こう言った

「私のところに来ないでおくれ

来るたびに腐ったものを持ってくるんだから

そんなものは、犬にでもやっておしまい」

さらに驚オドロいたことには、犬でさえ私を怖コワがった
私が何か投げようものなら、逃げだしていく始末シマツだ

ゆっくりだが、彼らはこう決心したようだ
「この子が何者であれ、放ホウっておくにこしたことはない
ひとつだけ確かなことがある
この子は特別トクベツな人物ジンブツにはなるまい」
彼らは正しかった
私は彼らの予言ヨゲンを証明したことになる

私は何ら特別な人物ではない
だが、誰が特別であることにこだわるというのかね?
私は私自身、それで十分
いや十分すぎるぐらいだ
私は生涯ショウガイどんな時にも
自分自身を守マモることに力を尽ツさなければならなかった
身を守らずにいてごらん
誰も彼もが私たちの根を切断セツダンしようと待ちかまえている

いくつもの学校、いくつもの大学で
私は何度となく排除ハイジョされてきた
私が高校に入学したまさに第1日目からして……
1時限目は歴史レキシで、教師は年輩の経験豊かな人物だったが
彼が歴史について語り始めると、すぐに私はこう尋ねた
「ちょっと待ってください
あなたは何らかの歴史を作ったことがありますか?」

彼は面喰メンクらった
「これは何という質問だ?
私は歴史を教えているんだ」

私はこう言った
「僕は、チンギス・ハーンやティムール
ナディール・シャーみたいな馬鹿について学ぶために
ここに来たわけではありません
あなたが僕に歴史の作り方を教えられるとおっしゃるなら
僕もあなたの生徒になれますが
あなたは歴史の作り方なんか少しも分かっていない
あなたは、ありとあらゆる無駄話ムダバナシを復唱フクショウするただのオウムだ
その無駄話にしたって
子供に繰り返し聞かせるほどのものではありません
そういう無駄話は、子供の知性にこびりつくものです
あなたは害ガイを為ナしていることになります」

「とんでもない話だ
私は、君が私のクラスに出席するのに我慢ガマンできない」

私は答えてこう言った
「そんなことにはなりませんよ
僕は教室の外側にいるつもりですし
教室の外は、あなたの領域リョウイキではありません
でも、僕は窓マドからでも最大限サイダイゲンに
厄介事ヤッカイゴトを起こすつもりでいますから」

彼は教室の外に出てきて、私を説得セットクしにかかった
「どれか別の教科をとることにしなさい
なぜ私を困コマらせるんだ、私はいい歳なんだよ
誰か他にいそうなもんじゃないか?」

私は答えた
「これが初めてじゃありません
地理チリのクラスに出たときも同じことが起こりました
コンスタンティノーブルがどこにあるかなんて
何だって僕が関心カンシンを持たなきゃならないんですか?
それに、なぜ僕がそんなことを
気にかけなきゃならないんですか?
なにかしらもっともなことを教えられないのなら
少なくとも先生は静かに座り
生徒のみんなにも同じように静かに座らせておくべきです」

地理の先生はこう言った
「そんなことになったら、誰が試験シケンを出題シュツダイするのかね?」

「何についての試験ですか?」と私は訊いた

彼はそのまま私を校長コウチョウのところに連れていくと
「私にはこの生徒は受け入れかねます」と報告ホウコクした
校長は非常に困った立場タチバに立たされた
「君を受け入れようという先生がひとりもいないんだが
私は君をどのクラスに送り込んだらいいのだろうか?」

私はこう言った
「あなたはたいしたこともせず
校長室に座っているだけです
僕もここに座ってますから
何か話すに値アタイする意義イギのある考えが浮かんだら
僕に言えばいいんですよ
もしくは、僕のほうが何かしら意義のあることを思いつけば
僕はそれをあなたに伝ツタえます
さもなければ、黙ダマっているのが申モウし分ブンなしです」
校長が私に尋ねた
「君は何かを学ぶために
ここに来たわけではないのかね?」

私は答えた
「いいえ、僕がここに来たのは自分自身でいるためです
僕に何かを教え、手助けすることによって、僕を支援シエンし
ありのままの僕として育成イクセイしてくれるというのなら
そのとき初めて、僕はこの学校にとどまることができます
そうでなければ、僕はどこか別の学校を探すつもりです」

だが、その後もそんなことがずっと続いた
いくつもの大学で、私は除籍ジョセキされることになり
何人もの学長ガクチョウが私に、こう言った
「君を除籍処分ショブンにすることに関して
私たちは罪悪感ザイアクカンを抱イダいている
君は何ひとつ間違ったことはしていない
ただ、君はちょっと風変フウガわりなのだ」

私は最初に入った大学で、論理学ロンリガクを学ぼうとした
そして、数々の名誉メイヨある学位ガクイに輝カガヤき
何冊も著書チョショを出版シュッパンした高齢コウレイの教授キョウジュが
まず西洋論理学の祖、アリストテレスについて話し始めた
私はさえぎってこう言った
「ちょっと待って下さい
アリストテレスが著書の中で
女性は男性より歯の本数が少ないと
書いているのをご存じですか?」
彼は驚オドロいた
「これはまた、何という質問だ?
それが論理学と何の関係があるというのかね?」

私は答えた
「これは論理のプロセス全体に関わる
非常に根本的コンポンテキな問題です
アリストテレスには、ふたりの妻がいたことはご存じですか?」

彼は言った
「私は聞いたことがない……
どこからそんな知識チシキを得てきたのかね?」

だが、ギリシャの伝統デントウでは、何世紀ナンセイキにもわたって
女性の持っているものは何にせよ
必ず男性より少ないものと相場ソウバが決まっていた
当然トウゼンのこととして、女性は歯の数も
男性と同じだけは持てないということになる

私はこう言った
「それでもなお、あなたは
アリストテレスというこの人物を
論理学の祖と呼ぶのですか?
少なくとも歯の本数ぐらい数えてもよかったはずです
しかも彼には身辺シンペンに、ふたりも妻がいたのですから
でも彼は数えませんでした
彼のこの言明ゲンメイは非論理的です
彼はこの考えを、たんに伝統から採トり入れただけです
そして、ふたりも妻を持っていながら
女性は男性よりも歯の本数が少ないなどと書く人物を
僕は信用することができません
これは男性優位ユウイ主義シュギの姿勢シセイです
論理学者たるものは
偏見ヘンケンに左右されるべきではありません」

その教授はこんな状況に立ち合わされると
私を大学から除籍するか
自分が引退インタイするかのどちらかだと
学長を脅オドした
そして、彼は大学に出講シュッコウするのをやめてしまった
彼は「3日間だけ待つつもりだ」と伝えてきた

学長としては
経験豊かなその教授を失うわけにはいかなかった
学長は私を自分の部屋に呼んでこう言った
「あの教授は何の問題も起こしたことはないし
非常に立派リッパな人物だ
それなのに初日から……
君は何をしたんだね?」

私はその出来事デキゴトについてすべて彼に話して、こう尋ねた
「この出来事が大学からの除籍に値すると
お考えになりますか?
僕が尋ねたのは、徹頭徹尾テットウテツビ筋スジの通った質問ですし
論理学の教授に答えられないとしたら
誰がこの疑問ギモンに答えるというのですか?」

学長は善良ゼンリョウな人物でこう言ってくれた
「私は君を除籍処分にするつもりはない
私には君が間違ったことをしたとは思えないからだ
だが同時ドウジに、私はあの教授を失うわけにもいかない
だから、君が他の大学に移れるように手配テハイしてあげよう」

だがこのときには、私に関する噂ウワサが
あらゆる大学に広まっていた
私が住んでいた市には、20近い大学があった
後にはこれらの大学が結びついて
超一流の総合ソウゴウ大学になっていた
例の学長は私に推薦状スイセンジョウを持たせて
別の学長のところに送った
だが、彼は前もって電話を入れて
こう言っていたに違いない
「推薦状を額面ガクメン通りに受け取らないで頂きたい
あの学生を厄介払いするために
推薦状を書かないわけにはいかなかった
彼は間違っているわけではないが
徹底テッテイした個人主義コジンシュギで
問題を起こすことになるだろう」

私は紹介先ショウカイサキの学長に会いに行った
すると彼が待ち受けていて、こう言った
「私はひとつだけ条件ジョウケンをつけた上でなら
君の入学を認めよう
その条件とは、君が決して大学に出席しないことだ

私はこう尋ねた
「では、僕が試験の時期には
どういうことになるのですか?」

彼はこう答えた
「君が大学の出席日数を満たしていることは私が認めよう
だが、これはここだけの内密ナイミツの話だ」

私はこう言った
「申し分ない条件です
いずれにせよ、時代遅ジダイオクれの教授しかいないんですから
ところで、図書館へは出入りしてかまいませんか?」

彼はこう答えた
「図書館への出入りはいっこうに差し支えない
だが、決してどのクラスにも出席しないでくれ
私はどの教授からも
君が問題を起こした話を聞きたくないのだ」

だが、私はこれまでに
いかなる問題も起こしたことはない
私は、たんに、相手が本当に教養キョウヨウある人間なら
こう答えたはずの質問をしただけだ
「いずれ答えることはできると思うが
今のところ、私には分からない」と

だが「私には分からない」というのは
この世で最も口にしがたい言葉だ

おかしな話だが、私が大学と関わりを持ち
初めて議論した相手は副学長だった
彼はゴータマ・ブッダについて
一連の講義をしているところだった
初日のことで、彼はこんな話をしていた
「私はいつでも
自分がゴータマ・ブッダの時代に生まれなかったことに
悲しみを感じます
かの時代に生まれていれば
私は仏陀ブッダの許モトに行き
彼の足元に座したことでありましょう」
そして、彼は老人だった
オックスフォード大学で
歴史学部の学部長を勤ツトめていたことがあり
オックスフォードを退官タイカンすると、選ばれて
この総合大学の副学長に就任シュウニンした人物だった

私は立ち上がって、こう言った
「あなたはもう一度、よく考えてみる必要があります」
彼は訊き返した
「君は何を言わんとしているのかね?」

私はこう言った
「あなた自身が生きてきた時代に
J.クリシュナムルティがおり
シュリ・オーロビンドがおり
ラマナ・マハリシがいたはずです
ひとつお尋ねしたいのですが
あなたはこういった人々の許に赴オモムき
何かを学ばれたことがあるのでしょうか?
そして、もしこうした人々の許に行ったことがないとしたら
何を根拠コンキョに、仏陀の時代に生まれなかったことに
ある種の悲しみを感じるとおっしゃるのですか?
僕は絶対の自信をもって、こう言いきれます
あなたはゴータマ・ブッダの時代に生まれたところで
彼の許にも行ったはずがありません」

大講堂ダイコウドウの中は、完全な沈黙チンモクに包まれた

だが、その副学長は、まぎれもなく教養ある人物だった
彼はこう答えた
「君の論点はよく分かった
私は自分の発言を撤回テッカイしよう
私はシュリ・オーロビンドを知っているが
彼の許に行ったことはない
私はラマナ・マハリシを知っているが
彼の許に行ったことはない
私はJ.クリシュナムルティを知っているが
彼の許に行ったことはない
君の言うことは正しい
あとで私の所に来なさい」

私が彼に会いに行くと、彼はこう言った
「君が私を相手に議論するぶんには、何の問題もない
だが他の教授を相手に、こんなことをしてはいけない
世間セケンの人には、自分の無知ムチを受け入れる勇気がないからだ
彼らには『私には分からない』と言うだけの気概キガイがない
私の一身に関する限りでは、君に途方トホウもなく感謝カンシャしている

なぜなら、私は無自覚ムジカクに発言していたに違いないからだ
私は嘘ウソをついたわけではない
ゴータマ・ブッダが生きていたら、彼の祝福シュクフクを受けるために
彼の許に赴いただろうと感じただけなのだ
だが、君のおかげで目が醒サめた
私は仏陀の許に行かなかっただろう」

社会の中で、あなたが自分自身でいる自由を
与えてくれる人を見つけるのは非常に難しい
世界中で知性の停滞テイタイが蔓延マンエンしてきたのは
こうした原因ゲンインによるものだ

国家には馬鹿な人たちが必要だ
馬鹿がいなかったら、誰が戦争センソウをするかね?
この世界には馬鹿な人たちが必要だ

そうでなければ
誰が汗水たらして、他人を踏台フミダイにしてまで
さらなる富トミを得ようとするかね?

この文明ブンメイには非知性的な人たちを
できるだけたくさん掻カき集める必要がある
そうでなければ
誰がカトリックやプロテスタントになるだろう?
誰がヒンドゥ教徒やイスラム教徒になるだろう?

社会の機構キコウ全体が、一握ヒトニギりの人たちによって
何百万もの人々が搾取サクシュされるように運営ウンエイされてきた
しかも彼らは、搾取されている人々に慰ナグサめを与えてきた

例えば「過去生カコセイで悪いことをした報ムクいだ」というわけだ
だが過去生については知りようがない
だからこれは格好カッコウの慰めになる
「そういうことなら、仕方シカタがない」
でなければ
「これはあなたの信仰シンコウに与えられた火の試練シレンだ
ありのままの自分に満足していれば
死後、何千倍も報われることだろう」
諸々モロモロの宗教は、みな二つのうちのどちらかだった
一方は、過去に逃げ場を求めてきた
ジャイナ教、仏教、ヒンドゥ教
どれも過去を志向している
他方、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の三つは
死後の世界に逃げ場を求めてきた

大した違いはない
起こっていることのすべては、この生で起こっている
だが、彼らはそれを生まれる前か
死んだ後に持ち越そうとしている

どちらも同じ策略サクリャクだ
その目的全体は、搾取されることを
あなたに受け入れさせることにある
彼らがあなたの血を啜ススるのを受け入れさせ
しかも、あなたを「これこそ物事のあるべき姿」という
深い満足感マンゾクカンに浸ヒタらせておこうというのだ

私は声を大にして言いたい
これらの宗教はみな
既存キゾンの体制タイセイから利益リエキを得ている人たちの
思惑オモワク通ドオりに動いてきた
聖職者セイショクシャといわれる人々は政治家のしもべに他ならない

これまでの人類の歴史全体が、ひとつの災厄サイヤクだった
そして私たちが、国籍コクセキも、宗教も、民族も捨てて
個人として反旗をひるがえさない限り
そして、この地球全体が私たちのものであり
地図の上での国境線コッキョウセンなど
まやかしであることを宣言しない限り
ひとりひとりが、教育制度全体を変革し始めない限りは……

教育制度は、あなたに生きる術アートを教えるものであるべきだ
愛する術を教えるべきものだ
瞑想する術を教えるべきものだ
それは、最終的には
栄ハエある死を迎える術を教えるべきものだ

あなたがたの教育制度は教育を施ホドコしてはいない
それは、ただ店員や駅長や
郵便配達人や兵士を作り出すだけだ
そして、あなたはそれを教育と呼んでいる

あなたがたは騙ダマされてきた
だが、このごまかしは非常に長いこと続いてきたので
あなたがたは完全に忘れてしまっている
そしていまだに、同じ轍テツを踏み続けている

私は、過去の人類の歴史全体に一撃イチゲキを加える
それは文明化されたためしもなければ
人間的であったこともない
それは、いかなる点でも
人々が花と開くことに役立ったためしはなかった
それは春を迎えたこともなかった

それは一種の災厄であり、大規模ダイキボな犯罪だった……
だが、誰かがそれに立ち向かわなければならない
私たちは、過去と決別ケツベツする
そして、自分自身の内なる実存ジツゾンに従って生き始める
そして、自分自身の未来を創ツクり出す
私たちは、過去が私達の未来までつくってしまうのを許さない

ハイミー・ゴールドバーグは
ビヴァリー・ヒルのブティックで
イタリア製のしゃれた靴クツを買いこみ
ベッキーに見せびらかそうと、それをはいて家に帰った
ベッキ―は新しい靴に気つ゛いてさえいないようだったので
ハイミーは彼女がベッドに入るのを待ち
靴だけ残して素っ裸になり、ベッドに入った

ハイミーはもったいぶった調子チョウシで、こう言った
「そろそろ僕のムスコが指しているものに
気つ゛いてくれてもいいんじゃない?」
ベッキ―は靴の方をちらっと見て、こう言った
「帽子ボウシを買い損なったのは残念ザンネンだったわね!」

説教セッキョウの真っ最中サイチュウのことだった
司祭シサイは、説教を中断チュウダンし、あたりの臭いをくんくん嗅カぐと
鼻をつまみ、受付係長を前に呼びつけた
「教会中をくまなく調べたまえ」司祭は言った
「どこかの野良犬(ストレイ ドッグ)が、こっそり入りこんで(ストール イン)
くそをして(ストウールド)、こっそり出て(ストール アウト)行かなかったか
調べてくれ」

受付係はすぐに調べ始め、数分後に戻って来ると
こう報告ホウコクした
「いいえ、神父様
どこかの野良犬(ストレイ ドッグ)が、
こっそり入りこんで(ストール イン)
くそをして(ストウールド)、
こっそり出て(ストール アウト)行くところは見ませんでした
でも、どこかの泥棒猫(クリービング キャット)が、地下聖堂(クリプト)に
そっと忍び込んで(クレプト イン)うんこをして(クラプト)、
そっと出て(クレプト アウト)行ったと思われる
まごうかたなき痕跡コンセキを確かに発見しました」

私は、あなたに、たったひとつの祈りだけしか
受け入れて欲しくない
それは笑うことだ
なぜなら、心の底から笑っているとき
あなたは現在にいるからだ
あなたは未来で笑うことも、過去で笑うこともできない

この知恵遅れの人類を創り出した人たちは
活気と笑いと微笑みを、ことごとく取り上げ
誰ひとり、本物でいられなくなるように万人を貶オトシめてきた
そして、あなたが本物でなかったら、誠実セイジツでなかったら
あなたには
この慈悲ジヒ深い、偉大な宇宙によって与えられた種子を
成長させることはできない

ぼろをまとい髭ヒゲも剃ソらず
目を血走らせ歯が半分抜けかかった薄汚い乞食コジキが
パディに10セント乞い求めた
「お前は酒を飲むか、煙草タバコを吸うか
賭事カケゴトをやったりするかね?」
パディが尋ねた

浮浪者フロウシャはこう答えた
「旦那ダンナ、あたしゃ酒は一滴もやんねえし
汚ねえ葉っぱも吸わねえ
悪い賭事なんぞに関わりゃしねえよ」

パディは言った
「いいだろう、私の家までついて来れば、1ドルあげよう」
家に着くと
モーリンがパディを脇に連れていって、なじった
「いったい何だって、あんなひどい風体フウテイの男を
我が家に連れ込んだりするのよ!」

「ダーリン」パディは答えた
「僕はただ、酒も飲まず、煙草も吸わず、賭事もしない男が
どんな風に見えるか、君に見てもらいたかっただけなのさ」

生は深刻シンコクなものであるべきではない
それは心からの遊びに満ち――戯タワムれであるべきだ
そして、誰であれ
自分自身でいることができる絶対的ゼッタイテキな自由を
与えられるべきだ

唯一ユイイツの制約セイヤクは、他の人の生活領域リョウイキに
干渉カンショウしてはならないということだ
――その他人とは、あなたの妻であれ
  夫であれ、子供であれ、何の違いもない
個人に対する途方もない敬意は
私にとって
真に宗教的であるために不可欠フカケツな核心をなすものだ

自分自身でありなさい
他の人たちには、彼ら自身でいさせてあげなさい
そうすれば、この生、この惑星ワクセイを
今ここで、楽園として開花させることができる

だが、何かが為されなければならない
それも早急ソウキュウにだ
なぜなら、馬鹿者たちがこぞって
世界的な集団自殺の準備を進めつつあるからだ

あなたが過去に背を向け
過去の遺産イサン全体に対して、反乱を起こさない限り
人類を救うことはできない
この美しい木立コダチや、歌っている鳥たち
そして意識を持つレベルまで発達したばかりの
この小さな惑星を救うことはできない

科学者たちの推測スイソクによれば
この宇宙には何百万という惑星があるが
いまだに、ひとつも証拠はあがっていない……

愛し、瞑想し、宇宙の摂理セツリを体験する
この意識の段階まで生命が成長した証アカシが存在するのは
この小さな地球だけだ
この地球、そしてこの地球に住む人々は
あなたがたの過去全体からやってこようとする災厄サイヤクから
何としても救い出されなければならない

完全な断絶ダンゼツが必要だ
歴史の本はことごとく焼き捨てられるべきだ
教育制度全体が、遊び心と愛
自由と意識を中心にすえたものになるべきだ
生きとし生ける、すべてのものに対する
途方もない敬意を中心にすえたものになるべきだ
これが私のヴィジョンだ

時間は非常に限られている
あの白痴ハクチたちが何千年もの間、画策カクサクし続け
この地球を7回破壊することができるまでに至っている
破壊的な力が、とても大量に蓄積チクセキされつつあるので
少数の個人が勇気をふりしぼって
過去に属するすべてに対して、反乱を起こさない限りは……

私は、あなたがたに選ぶように言っているのではない
良いものを選び、悪いものを捨てるように
言っているのではない
良いものも悪いものも一緒にある、選ぶことなど不可能だ
過去は、ただただ消し去られなければならない
地球に存在するのは、私たちが初めてで
歴史など存在しなかったかのようにならなければならない
そうならない限り、愛と、芳香ホウガと
万人に対する深い敬意にあふれた
美しい世界を創り出せる可能性はない

過去は、憎しみを中心にすえて存在してきた
未来は、愛を中心にすえなければ、存在し得ない
過去は、ずっと無意識のままだった
未来は、意識的なものでしかあり得ない
多くの人たちにとって、これは
ほとんど実現不可能な夢のように思われるかもしれない
だが、覚えておきなさい!
あなたが何者であれ、あなたは
政治家がいるおかげで生きているのでも
聖職者がいるおかげで生きているのでもない
あなたが何者であれ
あなたの中で、まだ少しでも炎が燃えているとしたら
それは詩人や、無想家や、神秘家のおかげだ

私たちは、過去とともに死ぬことも
新しい未来とともに生まれ変わることもできる

革命は失敗を重ねてきた
したがって私が語るのは、反逆ハンギャクについてだ

革命とは群集のことだ、階級のことだ
支配階級に対する闘争のことだ
だが、革命は内在的な必然性によって失敗してきた
支配階級と戦うとすれば
あなたは闘争のために同じ手段を使わざるを得なくなる
そして、権力を握ったとたんに
あなたは人類に対して、前の権力者と変わらない
胸が悪くなるような所業ショギョウに及ぶようになる

反逆には美しさがある
反逆は個人のものだからだ
そして戦うための道具など何もいらない
ただ単に自分の意識から
すべての過去を捨て去りさえすればいい

汚れを落として、再びアダムとイヴになりなさい
もう一度、神に背きなさい
そうなって、はじめてこの理想は現実になりうる

この世界全体のことなど、思い煩ワズラうのはやめなさい
この世界のごく少数の人たちを
反逆という考えに目覚めさせることができれば
それで十分だ

たったひとつの種でも
地球全体を緑で覆いつくすことができる

たったひとりでも、反乱に立ち上がれば
まったく新しい世界
まったく新しい人類を創り出すことができる

私は、いかなるものであれ
組織された革命には賛成しない
あらゆる組織は、基本的に個人を破壊するものだからだ
私は個人と個人の尊厳ソンゲンを支持する
個人より価値あるものなど何者も存在しない
私たちは、枠組みを課せられた生から、個人の開花へと
この途方もなく大きな飛躍を遂げなければならない
それは可能だ
私にとって可能である以上
――いかなる宗教にも、いかなる民族にも
いかなる知識にも属さない私にとって可能である以上――
あなたにも可能なのだ

そして個人が燃やす、この火が広がれば
それは野火になりうる
なぜなら、心の奥底では
ひとりひとりが、みな苦しんでいるからだ
誰でも、これまで抑圧されてきたものと
自分に課されてきたもの、すべてに対して
反乱を起こすことを望んでいる

そして、今ほど絶好の機会はない
今世紀はその終わりに至ろうとしている
――そしてひとつ、確実なことがある
  古い世界は、存続することができないということだ
どの予言者も
世界の週末を西暦2000年と断言してきた
彼らのうち誰ひとりとして、今世紀が終わった後
何が起こるかについては、ひと言も触れていない

あなたがたに
そして世界中の私の人々に
はっきり知っておいて欲しいことがある
古い世界といっても、この惑星を指しているわけではない
古い世界とは、人類の古い在り方のことだ
――それは死に絶えようとしている
だが、私たちが少数の個人を救うことができれば
新たな始まりは、すぐ間近にある

古い世界のことを思い煩ワズラうより
新しい世界のために歓喜しなさい

私に言わせるなら
私は絶対的な確信を持っている
危機が訪れたとき
――そして、これこそは
人類がこれまでに直面した最大の危機だが――
そのとき、人々は勇気を振り絞って
まったく未知の領域へと、大きな飛躍を成し遂げるだろう

あなたがたは、さまざまな国、さまざまな民族
さまざまな組織から、ここに来ている
そして、また全世界へと散ってゆく

あなたがたが私の大使を務めることになる

あの連中は、私の入国を拒否することならできる
だが、私の大使の入国を拒否することはできない
だから、私は近々
あらゆる国々における私の大使たちを任命するつもりでいる
新しい人類と新しい世界の誕生を述べ伝える大使たちを

"Om Mani Padme Hum" Session 10 より December 26, 1987







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