オープン・コミュニティ







■オープン・コミュニティ
シリーズ その1 「どうして「オープン」なのかについて


  何かを全て自分たちで作って世話をしていく用意が出来ていれば、必ずしもオープンである必要はない。ただオープンな運動は成功しているし、もう少ししたら自然淘汰、統合された「オープンなもの」ばかりが残ってゆくのではないかと感じている。

  ソフトウエアの世界ではオープンな製品がすごい速度で成長している。オープンな製品の中心には「個人」がいる。管理された組織によって作り出されてゆくというよりも、個人がそれぞれの想いに動かされて、個人が集合生命のように素晴らしいものを作り出してゆく。

  実は私はは80年代の初め「GNUプロジェクト」が始まったときから、オープンソースの流れを追いかけてきた。うまく行ったらいいと思っていた。このオープンな考え方について分かち合いたいと想っている。

  ただ、これはソフトウエアについての文章ではない。「オープン・コミュニティ」という新しい動き、次世代の社会の枠組みについて見てみたい。


オープンであることとは、自分が作っているものを他の人が

  • 製品を不特定の第三者がサポートするするために必要な材料、 資料を公開すること。
  • 製品を誰でも自由にコピーできること。

を言う。製品を売ってもかまわないし、サポートに対して料金を要求してかまわない。

  こんなシンプルな基本的考え方で世界を変える動きが大きく流れはじめている。

  オープンであることとは自分たちだけで作ったり世話をしてゆくのではなくて、オープンコミュニティ全体の(または予想出来ない数の)協力を得ることを意味する。オープンコミュニティは作られる団体ではなく、誰かのしていることに対してサポートをする用意があり、そのサポートをオープンにする用意のある人達の事を言う。自然発生的に生まれて育ってゆくコミュニティである。

  例えば有名なソフトウエアのリニックス(LINUX)は、その周りに自然に育ち育てられた、リニックスのオープン・ソース・コミュニティを持っている。リニックスはコミュニティによって共有されている。人々は強い共有(共同創造)の気持ちで結ばれている。この中に単なる利用者を含めるかどうかだけれど、その人が「リニックスがオープンであること」に賛成だったら、特にサポート活動をしていなくてもコミュニティの一員だと思って良い。(ただ好きだったらそれでいいのかな?)

  また、その人が「ソフトウエア全体に対してオープンであることに賛成」であったら、「オープン・ソフトウエア・コミュニティの一員」と言える。ただし「全てのソフトウエアがオープン」って意味でなくて良い。閉じたソフトウエアを受け入れて構わない。その「オープンさの許容範囲」は各個人によって違う。

  また、ソフトウエア以外にもネット上のウエブページや出版に関した「オープン・コンテンツ・コミュニティ」がある。

  そして、一般的にオープンである事に対して賛成な人々の事を「オープン・コミュニティ」とでも呼んでみよう。一般にコミュニティの人達はコニュニティ以外の人が、コミュニティの共有物を利用することに対しては、とやかく言わない。

  オープン・コミュニティがソフトウエアで始まったのは、コミュニティの道具を作る人たちがまず自分達でコミュニティを作ったって事だと思う。コンピュータソフトウエアは地球的規模でしか起きない、オープンコミュニティに必ず必要な道具なのだから。ちなみに、インターネットはオープンコミュニティによって作られた物だ。実際にインターネットの建設と運営のほとんどはオープンソース・ソフトウエアによって成り立っている。

  オープン・ソフトウエア・コミュニティが使っている道具や枠組みは、一般的なオープン・コミュニティも使う事が出来るだろう。ただし、それらはソフトウエア・専門家が使うように作られているので、簡単で分かり易いオブラートで包む必要がある。ただ、必要なものの基本はもう出来ていると思ってよい。

  オープン・コミュニティは共有物が共有され育つ事を守るために、特別にデザインされたライセンスを利用する。このライセンスにはソフトウエアについてはGPL: General Public License (一般的公共ライセンス?)が有名。

  製品がGPLライセンスであればそれはコミュニティに属すると思って良い。今ではGPL(正式にはGNU GPL)であれば安心してコミュニティに受け入れられる。
  GPLを作ったGNUが文書や本について用意したライセンスが GNU FDL : Free Document License という。この辺のライセンスの説明についてはGNUのページ(http://www.gnu.org/)が詳しい。ほとんどのページに日本語の翻訳があります。

  ソフトウエアがGPLであればそれがコミュニティから失われることはない。ここではライセンスについては詳しく触れない。

  これで、オープンな製品とその周りにある、オープンなコミュニティについてなんとなく分かってもらえたかと思う。

  ここで書いてみたいのは「オープン・コミュニティ」のこと。そして、コミュニティをサポートする道具。


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オリジナル: setu, 2001-01-31
更新履歴:ver.0.1 setu, 2001-01-31
Copyright (c) 2001, Prem Setu < setu@i.am

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