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☆微生物による水の浄化

微生物による水の浄化



日本全体で下水道整備のために毎年兆単位のお金がつぎ込まれているが、下水道の整備は遅々として進まない。街に下水道計画ができて何十年経っても、なお完成は先だ…膨大なお金がかかり、作れば作るほど維持費がかか…それに代わるもの、もっと安く、しかも環境にいい方法はほんとうにないのだろうか…それが微生物を使うと可能になる。





上水道と下水道




人類にとって水道という概念が現れたのはそう古いことではない。原始のころは水が在る所で無いとヒトは繁殖できないのだから、自然と水場の近くで生まれ育っていた。知恵が進んで住むエリアを広げるにつれ、水の流れを住居の近くまで引くようになり、水道という概念が生まれた。さらに進んで衛生的になり、もっと水を使うようになると、使う前の水と後の水が混じらないように排水路を作るようになり、上水(道)、下水(道)という概念が現れた。

というわけで我々は上水道と下水道を区別している。取り入れる水をきれいにするため上水道には浄化施設を設け、排出する水をきれいにするために下水道には処理施設を設けた。上水道と下水道の処理施設で行われていることは基本的には同じである。水から汚れを取り除いているのだ。日本の上水道は 汚れを取り除いた後で塩素を添加しているが…。




進む水の再利用




生活水準があがるにつれ、日常使う水の量は増えて行く。少し前までは一人200から300Lだったものが、今の都市部では 多い日には一日500Lも使うことがある。人が増え、使用量が増えると、水が足りなくなってくる。そこで一度使った水を浄化して、もう一度使おうということになる。

日本では水源である山地と水の捨て場である海が近いため、水の使用は天からの降水が海に下るまでに一度だけというケースが多かった。海はとてつもなく大きく、無限と思えるほどの浄化力を持つとみなした我々は、下水はかなり汚いまま(BOD量で200mg/Lぐらい)下流の海に近いところに捨ててきた。

ところが都市化が進んでくると首都圏、中京、関西といった平野が広がる場所では 上流の住人が下水として排水した水を自分たちの上水道の原水として使うという事態になってきた。滋賀に降った天水を滋賀県民が飲み、琵琶湖におしっこといっしょに流している。その琵琶湖の水を京都市民が飲み、おしっことともに淀川に流している。そのおしっこ混じりの水を大阪市民は飲んでいる。




現在の下水道は環境のためには不充分




このように水をどんどん再利用しないと足りない状況になってきている。が、問題がある。上水道の処理場から出てくる水と、下水処理場から出てくる水は定められた水質基準が大きく違っている。想像にた易いことだが、飲み水に使う上水道は厳しく、下水道は甘い。

水をきれいにするのは大変だから、海に近いところへ流す下水は汚くてもいいやと。昔、下水の基準を決めた人たちは考えたことだろう。昔は環境問題も深刻でなくて、社会は貧乏だったし…。だが、その結果、下水処理場からでてくる水は環境汚染の主役になっている。糞便を垂れ流すことと比較すれば そりゃそれなりの働きはあるが、水を繰り返し利用しなければ足りない現代においては、その水質基準はまったく不充分なのだ。




下水道で川がきれいになったことはない




各自治体は今でも懸命に下水道整備を進めている。政治家は選挙公約に下水道整備をうたう。しかし、現在の排出基準の下水道を設備していたのでは、環境のためにはまったく不充分であることは一般に認識されていない。大阪市が飲み水を取り入れている淀川の汚染の原因はというと、京都市の下水処理場から排出されている成分が大半であることは、水処理関係者の間ではよく知られたことだ。環境浄化のために下水道を作るというが、下水道が整備されて その河川がきれいになった例はない。下水道を作ってA川がきれいになったとすれば、A川から取水して使った水をB川に流しているだけのことだ。これによりA川の水量は減り、B川は死ぬ。淀川も木曽川もそうだ。といって垂れ流せというのではない。もっと違うやり方があるのではなかろうか?




下水道は金食い虫




下水道が引き受けなければならない汚れは、年々ひどくなり、水量は増えるので、下水処理場の維持は大変である。年を経るにしたがってお金と労力が掛かるようになる。本当なら下水処理場から出てくる水は、清水の水のように、清澄であるべきだ。そうすれば水辺のいろいろな生き物が住めるようになる。だが、それはとてつもない大変なことだ。




下水道そのものを見直してみよう




下水道がこうして厄介なものになってしまっているのは、私達がそれだけ水を汚しているからに他ならない。自分が汚染源であることを忘れず、なるべく水を汚さないように万事気をつけたい。その一方、既存の下水道については、排出する水の水質を上水道の原水なみに引き上げる努力をすべきだろう。

こうしてみてくると、現在の下水道の設備がいかに不充分なものか判ってもらえただろう。既に整備されている下水道を廃棄するのは、かえって無駄になるだろうが、新しく下水道をつくるというなら、その前にもっと別の方法がないか検討した方がいい。これから、その方法について話を進めたい 。




広域下水道




ヨーロッパでは城郭都市が発達したが、一番の恐怖は侵略者ではなく、疫病だった。一旦疫病が発生すると往々にして何割もの市民が死んだ。ひどいときは全滅した。その疫病の蔓延を防ぐためには、飲み水と使い汚した水を隔離することが最高の対策だった。そのため、古くから下水道が整備されてきた。映画などで見るフランスのパリの下水道は、それはそれは手のかかった立派なものである。

だが一般的にいえば、下水道は広域でない方がいい。大都市の水は、上流で取水され下水道にまとめられて、最下流で放出されるが、その間の区間、川の水量は細り、本来の川が有しているはずの土砂の運搬や、浄化力がそがれてしまう。




見過ごされている配管による環境破壊




下水道のために土中を掘り返し、地下の水脈の流れをむやみに止めないことだ。大きな下水管を埋設するためには 莫大なお金がかかり、多くのエネルギーを消費する。地中は荒らされ、地表は塞がれる。地表が塞がれれば、土壌が持っている浄化力は生かされない。大雨が降ると、交通が生み出すチリホコリの有害物質が流れ、下水に流れ込む。下水処理場の能力を超えるとそのまま河川に捨てられる。

大きな規模になるほど下水道は弊害が大きくなる。規模が大きい方が浄化効率は上がる。1立方メートルあたりの費用は安く上がることになっている。が、この計算は途中の下水道の工事費用は入っていない。日本全体で毎年兆単位のお金がつぎ込まれているが、下水道の整備は遅々として進まない。街に下水道計画ができて何十年経っても、なお完成は先だ。むろん、これから技術の発展に伴って、処理の効率は上がり、性能はよくなっていくだろうが、下水配管の部分はそのままだ。そのくらいお金がかかって、作れば作るほど維持費がかかって、街の地面の浄化力を奪って、環境をきれいに出来ないのが現在の下水道設備なのだ。




下水道以外の下水処理




さんざん、下水道をこき下ろしてきた。じゃあ下水道に変わるものを見てみよう。

下水道に変わるものは、一般的には、垂れ流し(地下へ浸透させるを含む)でなければ、各家や事業所ごとに設置される個別の浄化槽だけだ。普通にはそれしか認められていない。浄化槽には単独浄化槽と合併浄化槽の2種類がある。単独浄化槽の場合は、糞尿だけを処理し生活雑排水は垂れ流しだ。これは、浄化槽というものが登場してきた始めの頃、浄化槽は高く、設備をする人にあまり負担は掛けられないという感覚があったのだろう。

しかし、その半端な対策では現在の状況に合わなくなってきており、行政は生活雑排水とし尿をともに処理できる合併浄化槽を 推奨するようになった。合併浄化槽は単独槽に比べて高いので、形式の認定を受けた合併浄化槽については、どこでも半額ぐらいは補助金がつくようになっている。その住居の床面積や人数で浄化槽の大きさが指定されていて、補助金の額は20〜40万円ぐらいだ。




個別浄化槽の問題




この合併式浄化槽は下水道よりましだが、それでも根本的に問題がある。それは下水処理場と同じことなのだが、でてくる水がまだまだきれいでないのである。BODで20mg/Lが基準となっているようだ。BODの目安はきれいな涌き水で1mg/Lぐらい、清流魚が棲めるのは4mgぐらいまで、人が泳いで遊べるのが8mgぐらいまで、濁った水に棲む魚で10〜15mgぐらいか。

きれいな水にしようとすると、浄化槽は大きくなりお金がかかる。それにメンテナンスもやらないと水はきれいにならない。浄化槽で水を浄化するということは、水とその他の物質を分離することであるから、浄化槽に汚れを入れつづけたら、その汚れは浄化槽に溜まっていく。だから、ときどきその汚れを持ち出さなければならない。

行政側から見ると、こうした面倒を市民に任せるのは無理だ、ということになって不思議はない。そこでやっぱり下水道という選択になってしまう。




石井式浄化槽




もしも、家庭で設置する浄化槽が浄化能力が高くて、維持管理が簡単で安く設置できるとなればどうだろう?そのときは下水道が不要になる。すると河川の水はきれいになり水量が増え、自然の生物が豊になる。そのような浄化槽はできないのだろうか?実はそれを作り広めようとしている人たちがいる。その一つは石井式浄化槽と呼ばれている。石井式浄化槽については詳しく述べてみたい。その前に、今度は上水道の話をしよう。




下水道の二つのタイプ




ついでに下水道には二つのタイプがあることを紹介しておきたい。一つは小規模なもののほとんどがこれだが、家庭から出る排水は下水道へ、雨水は排水溝へと分けるものだ。もう一つは大都市にあるように生活排水も雨水も下水道へ流すものだ。

生活排水と雨水(天水)の量は年間で比較すると、日本ではほぼ同じくらいと考えて良い。ただ雨水は一時に大量に流れ込むということだ。大都市のように両方の水を流す下水道では、強い雨が降ると、下水処理場の処理能力を超えてしまう。その分は近くのどぶ川に捨てられる。

大都市の地表は土が無く、汚染物質が降りそそいでいる。その濃縮した汚れを雨水が下水に運び、一気に川に捨てられる。するとそこに棲む生物に大打撃を与えるが、人間はそれを気にしない。非常事態だからしかたがないというわけだ。




なぜ節水が必要なのか




話を上水道に移そう。環境保全運動で、しばしば耳にしたが、「節水しましょう」といわれる。水不足だからではなくて、環境保全のためだという。なぜ節水が環境保全のためになるのか? わけがわからなかったので、私はいろいろ聞いてみたものだ。

「水がたくさんあるのなら 使えば使うほど循環が起こり、水が活き、流れや移動・循環が起こって結構ではないのか?」

しかし、納得出来るような答えは貰えなかった。そこで水の節約というのはせいぜいポンプの電気代の話だなと内心思っていたのであるが、最近、納得できる答えを見出せたのだ。




上水道の浄化場で行われていること




水道には水質基準が定められている。その基準をクリアするために、水道局は日々いろいろな処理をしている。きれいな水が原水なら浄化はさほど難しくないが、平野下流部の大都市では大変だ。上流に下水処理場の排水口があるような浄水場もある。こんな浄化場では水を酸性にしたりアルカリ性にしたり、塩素やオゾンを使ったり、それはそれは大量の薬品が使われている。

これを知ってやっと、水を節約しなければならない理由が判った。下流の街では、きれいな水を作り出すために、大量の薬品やエネルギーが使われていたのだ。




浄化しきれない水




これまで浄水場の最後の切り札は塩素だった。ろ過槽の処理力が危うくなっても、塩素を添加することにより菌の消毒が行われ、住民の健康を害することがなかった。本当はその塩素が毒なのだが・・

ところが、低分子の有機物は塩素と化合し、トリハロメタンという発ガン性物質になり、水に溶けていることが判った。切り札の塩素を思いどおり使えなくなって上水道の管理者は困った。さらに塩素に強い単細胞の寄生虫が町中に感染するということが起こった。(1996年6月 埼玉県越生町) この町の名前は、越えて生きると書く。原虫が浄水場を越えて生きたのだから名前と一致している。プトスポリジウムという原虫により、人口13000人のうち8800人が発症し下痢腹痛を訴えた。

それから水道の浄化技術は進み、オゾンなどを使う高度浄水処理により、「どんな有害物質も取り除ける」と自信をもっていうほどの設備を有する処理場も増えている。まずいといわれた水もおいしくなるのだという。だがその水は高くつく。規模の小さな自治体では導入は難しい。専門家も必要になる。それでも水質の汚染は進行している。これを解決するために水道代の値上げを認める必要があるという。水を汚しておいて、お金をかけてきれいにする我々…。




高度浄水処理は安全か




水が安全かどうかは、水質検査で判断される。多くの物質の許容濃度が決められ、当局は費用をかけてそれをチェックしている。だがすべての基準をクリアしても、それで安全ということにはならない。もし基準が定められていない微量有害物質があったらどうしよう?濃度が濃い有害物質の混入は生物によって監視されている。水道水の中を泳ぐ魚に異常が見られたら危険信号というわけだ。

まだ毒性が知られていないような物質が溶けていたらどうなるのか?化学的な分析では限界がきている。異なる面から水質をチェックする技術として、1リットルあたりの突然変異を起こした細菌の数をカウントする、という方法がある。ここで利用される細菌は、突然変異を起こすことによって、はじめて増殖できるという性質を持ったものを使う。

汚染源をほかっておいて、目の前の水だけをみていたら、高度処理だろうが、高高度処理だろうが、追いつかないんではなかろうか? 高度化するたびに莫大なお金が掛かり、でもそれをしないと健康でいられない、我々の文明もそうとう危ないところまで来ているようだ。

おや、どうも深入りしすぎたようだ。話の本題はまだこれから。





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