ドクター・サダナンダのアユルベーダの大学とその病院は、インド、ムンバイから200Kmほど南、デカン高原にあるプーナ市郊外の63エーカーという広大な土地にあります。デカン高原だから、景色はまるでサバンナ風。周辺にはあまり何もないといった感じなのですが、土地だけは広大。この土地は、サダナンダ・ドクターの父であるアユルヴェーダの神様と称えられる名医中の名医マハラジが、無一文から買い取った場所。話を聞くと、マハラジがこの地を訪れたとき、アユルヴェーダの神様(ええとどの神様でしたか、忘れてしまいました。ちゃんとしたお名前があります。)が岩の上にたち、右手でしたか左手をあげて三度手を回されたとのこと。これを見て、マハラジは、このあたり一帯をこのワークのために買い取りなさいという旨であることを悟り、当時これだけの土地を買い取るべき金銭などまったくないにもかかわらず、買い取ることを決断したとのこと。


父のサマーディに毎日礼拝を欠かさないドクター・サダナンダ

 今、ドクター・サダナンダが礼拝しているのは、父であり、アユルベーダーのグルでもあるマハラジのサマディの前です。彼の後ろ側にあるのが神様が立って手を三回まわしたビジョンをマハラジが見た、その岩。そしてその手前、今ドクターが礼拝しているのが、そのマハラジのサマディです。マハラジはその岩のほうを向いて座ったまま安置されているとのこと。



佐藤さんと先生

 向かって右側がドクター・サダナンダ、そして左が佐藤さん。佐藤さんは、不思議な縁あって、この先生のことを知り、毎年、この病院にアユルヴェーダの治療にやってきます。ここはワゴリにあるアユルベーダーの大学前です。大学といっても生徒数は80人。まだ始まったばかりの学校です。もともと、このアユルベーダーは伝えるのがとても難しい医術です。子供のころから、サンスクリット語で書かれている膨大な量のベーダを暗唱することから始まり、そして、直感を養っていくようです。知識は役にたたない。あなたの内側からやってこない限り…と教室の黒板にも書かれていたというくらいです。そして、アユルベーダー診察の最も重要な脈診にいたっては、伝授がきわめて難しいそうです。

 ドクター・サダナンダの家系は代代マハラジャの侍医を勤めて彼で10代目。その間、親から子へと伝えられてきた脈診の技。そして、このドクターのようにアユルベーダーの診察をできる人はまだ育っていない。(これからということです)彼はその不可能を達成すべく、すべてのお金を投入してこの大学を設立し、このサンスクリット、アユルベーダー文化を伝えてゆこうとしています。



大学付属病院

 ここが大学付属病院です。といってもまだ建設途上で、手前右に見える空き地には緑が植えられてゆくそうです。設備はきわめて上等です。ちょっとしたリゾート並の設備で、やはりこれからは世界からも患者さんを受け入れていきますという姿勢が感じられます。ただし、全体的にいたって質素。プーナ市内にあるドクターのご自宅も拝見しましたが、簡素、質素という言葉がぴったりでした。



若きドクターたち

 彼女らたちは、この病院のドクターたちです(左の年配の方は、経理の方だそうです)。若い!美しい!そしてとてもやさしい感じのするドクターにお世話をしてもらえます!もちろん男性のドクターもいますが、すみません、ついつい癖で女性の方をとってしまいました。始めはドクターだとは知らないで撮っていると、佐藤さんに、今の人たちはドクターですよ!と教えられ、びっくりしました。


薬の調合室

 こちらはこちらの開祖マハラジの元住まいで、アユルベーダーの薬を調合している模様です。マハラジのもと住居はいまは薬剤室ということです。


 今、手前の女性が作っている薬は、アユルベーダーの薬の中でも最も高価なものとのこと。その説明を聞いていると目が回りそうになりました。まず金と銀となんでしたか、銅でしたか、それを燃やした灰をさまざまな薬草と混ぜて、練りこんでいく。練りこんでゆくうちに乾いて粉になったら、また追加して液状にして…それを一日中やりつづけ、全工程が終了するまで10日間かかるそうです。ふっー。実はまだ先というか、前がありまして、その金や銀の灰をつくるのに、6年とか何年間かかかっているそうです。さらにさらに、まだ前があり、最初にアユルヴェーダの薬草を植えるところから、始まるんだそうです。大学のキャンパスのいたるところに、たくさんの薬になる木や植物が植えられており、それを育て、その木から、薬草をいただいて、そして、長い工程を経て、本当のアユルヴェーダ薬ができるのだそうです。
 この大学は 、基本的にこういう薬の調合をすべて自前でやっています。自前というのは、薬草の栽培から調合まですべてという意味です。ドクターになるためのひとつの条件に、最低でも3000種類の薬剤をみずから調合できるということがあるそうです。いやはや、伝統の重みを感じさせられました。それを気の長い話ですが、一人のアユルベーダーのドクターが育つまでには、結構大変なんだなぁ、と感じさせられました。

インドにはアユルヴェーダを本格的に教える大学がいくつかあります。グジャラート州にアユルヴェーダの東大とも言われる大学がひとつ、そして、この大学は、早稲田という感じだとたとえれば、ちょっとおかしいかもしれませんが、僕の見る限り、とにかく、サダナンダ先生は名医中の名医として尊敬しています。父の意思をついで、アユルヴェーダの伝統を守り抜いている先生のひたむきな姿勢に感動を覚えました。そして、先生に脈診を受けたところ、それだけで、僕の体と心の状態をぴしゃりと、ごく普通に言い当てる、、漢方でもそういう先生はいらっしゃるかと思いますが、アユルヴェーダを勉強したいとか、本当のアユルヴェーダの治療を受けたいという相談を受けたら、このサダナンダ先生を即答で推薦します。(まは




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