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アバドが仏陀の最初の説法の地、サルナートへ行きたいと言い出した。
サルナートに行くと、何しろ、そこは仏陀が最初に説法したという名所になっているくらいだから、公園になっていて、入るときに入場料を徴収される。インド人が5Rs(13円くらい)で、外国人は5ドル(230Rs=600円弱)。それでアバドは「高い!」と怒り心頭して、「わしゃ、入らん!」って駄々を捏ねた。僕はね、まぁ、いいかと、どうせ、ストゥーパみたいなのが、建っているだけだろうから…いい感じの場所だったんだけどね。

アバドがそんなところには絶対入らんというので、仕方なく二人して公園の回りをぐるっと回ってみたら、小川が流れていて、そこに橋がかかっていて、アバドはそこが気に入って、そこにしばらくボォーとしていた。目の前では野菜売りがいたり…。要するに、観光地から外れてしまうと、そこには庶民の生活があったんだ。そこをさらに先に行くと、キンキラキンのチベット寺院があったんで、その中に入ると、えらい静か。突然、二人とも黙ってしまって、ちょっとした瞑想気分を過ごす事ができた。

次に行ったのが、サヘートマヘート、ゴーラクプールの北、ここは仏陀が24年間、弟子に説法を説いた場所だけど、そこに向かったんだ。バスに揺られてね。そしたら、国境近くの町で、ほんと、ど田舎でびっくりした。観光地かと思っていたにね。
ここは有名なあのアングリマーラの物語の場所だよ。

ある時、ひとりの人殺し大悪党がいた。彼は、社会から受けた不条理な仕打ちから、社会に復習するために、人を千人殺すという誓いを立てた。そして、人をひとり殺すたびに、その小指を切り取って、ひもにとおして首飾りにしていた。人々はいつしか、その男を 「千の指の首飾りをかける男・アングリマーラ」 と呼ぶようになっていた。
ある時、ブッダとその弟子の一行が、アングリマーラの住む森にさしかかった。しかし、人々はブッダに助言した。「この森にはアングリマーラといって、大変な人殺しが住んでいます。その男は、今や999人を殺し、千人を殺す誓いを成し遂げるために、最後のひとりをさがしています。どうか、この道は避けて、他の道を行って下さい。」
しかし、ブッダはいった。「私は、行こう。私が行かなければ、いったい誰が行くというのか。もし、私がその最後のひとりになるのであるならば、それもまたよい。」そういって、ブッダは歩み始めた。それまでどこえ行くのにも付き添っていた弟子たちも、この時ばかりはだれもブッダとともに行こうとはしなかった。
ブッダがそこに近づいたとき、アングリマーラは大きな岩に座っていた。
「そこで、止まれ。おれが誰だか知っているのか。」
ブッダはいった。
「おまえがだれであろうとかまわない。もし、最後のひとりを殺して、誓いを成し遂げたけれ ばそうすればよい。」
アングリマーラはいった。
「おれは、999人を殺してきた。その中にはいろん な人間がいた。おまえがどんな高い徳を積んだもので あろうとかまわないぞ。」
アングリマーラが、大きな刀で、ブッダに斬りかかろうとした時、ブッダは、いった。
「私を殺すまえに、ひとつだけ私の望みをきいてもら いたい。」
そういって、かたわらにある大きな木の枝をさして、
「この木の枝をひとつ切り落としてはくれないか。」
アングリマーラは、
「そんなたやすいことならば、きいてやろう。」
といって、大きな刀をひとふりして、大きな枝を切り落とした。
するとブッダは、いった。
「もうひとつだけ、私の望みをかなえてはくれないか。今、おまえが切り落としたこの枝を、元あったように つなげ直してはくれないか。」
アングリマーラは、困った顔をして言った。
「そんなことは、出来るはずもない。」
しかし、ブッダは言った。
「おまえは、大きな刀を振り回して、自分には何でも 出来ると、思っているかもしれない。しかし、この木 の枝一本をもとに戻すことができないではないか。もしそのように元にもどすことが出来なければ、壊し、破壊し、人を殺すことはやめなさい。ものごとを壊し、破壊することならば、子供とてできる。たいした知恵はいらない。しかし新たにものごとを創り出そうとするとき、人は多くの知恵を必要ととする。時間を必要とする。多くの忍耐を必要とする。わかるか。アングリマーラよ。」
アングリマーラは、持っていた大きな刀を捨てて、ブッダの足元に伏し、言った。
「どうか、私を導いて下さい。」

その話のあった場所のすぐ場所だった。この道をまっすぐいったら、その場所だってんで、歩いていったんだけど、どこだかわからななくて…そのうち、また公園が現れて、そこは仏陀が坐っていたという石がある場所だと言う。そしてまたまた、入り口で、インド人なら5Rs、外国人は5ドルだってさ。また、アバドが「わしゃ、こんなところには入らん!」ってね、それで、また、その公園の周りを歩いていった。ちょうど、公園の裏手にあたるところで、男が声をかけてきて、僕らを呼ぶんだ。「おいおい、50RSなら入れてやるぞ」という。ダフ屋みたいなやつだなって、でも、アバドはもういらんと、それで先へ進んでいくと、奇妙な場所に出た。土塁を積み上げた場所に、その向こうに湿原が広がっている。土塁の上にあがると、すぅーといい風が吹いてきて、とても気持ちいい。アバドはその場所が気に入って、そこに横になると、地球の歩き方を顔の上にのっけると、いびきをかいて寝始めた。やれやれ…。

よく見ると、その湿原のなかを人々が腰まで水につかりながら移動している…?そうか、ここは雨季になって水没しているんだ。腰までつかりながらも、どこに道があるか、知っているので、そこを歩いているんだね。
いやぁ、何を言いたかったかっていうと、名所の裏は、結構いいところがあるっていうことと、アングリマーラのお話。

るいネット

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