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The Pagan Club

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2004-06-16 「This Is The Sea」販売促進委員会広報

_ [ロック]ウォーターボーイズの最高傑作

This is The Seaがもう一枚ぶんのボーナストラックを付けてデラックス・エディションバージョンとして、日本盤、再発売されている。結局、最新作「Universal Hall(もちろん、このタイトルはフィンドホーンにあるホールの名)」はユッタリとした静謐な空気が流れてくるいいアルバムなのに、「地味」すぎて日本発売が見送られてしまったが、まあとにかく、こちらは思いっきり大げさな、ほぼ全部が名曲揃いの素晴らしいアルバム。個人的にはこのアルバムが最初に出た時期、一連のシンクロニシティやエコフェミ思想への開眼等、それまでの実存主義的暗黒時代から抜け出す「ターンオン」な時期にハマり、まったくもってその「大げさ」さが違和感なく聞けて素晴らしかったが、なんというか、まさに聞くべき時に聞いたという感触があり、この世は人が思うほど物質的(ニヒリズム)ではないと確信するに至るような思いとともにある。このデラックス・エディションでは解説者が男性になって、最初に日本発売された時の女性音楽評論家が書いた素敵なレビューがみつかりづらくなっているので、ここに無断で引用しておく。なお、今回の男性の解説では、マイク・スコットは大学で哲学と文学を専攻していたというが分かった。なーるほど。どうりで詩が素晴らしいわけだ。販促のため(笑)、ボーナストラックから一曲、歌詞を載せちゃいましょう。清涼な詩情あふるる曲です。なお、この「This Is The Sea」アルバムが発売された当時はマイク・スコットはフィンドホーンに参画する前だったのだが、そのフィンドホーンにてエコロジカル・フェミニズムが大きなテーマとして取り上げられていたのはついこのあいだのことだった。要するに間にフィンドホーンがまだなかったころ、私はこれらに同質のことを感じたのだが、この勘は当たったのだ。偉いな自分(笑)。

_ []ビヴァリー・ペン

冬空の下
大きな屋敷の屋根で眠る少女
豪華な毛皮を身にまとい
瞳には輝く星
この生き物の名前は何なのか?
彼女はいつ、どこで生きていたのか?
彼女は誰だったのだろう?
何故ピーター・レイクはビヴァリー・ペンを愛したか?

白く冷たい朝4時
水が熱を持った彼女の肌にしたたり落ちると
彼女は息を吹き返し
ハリケーンがやってくる
この生き物が見る夢の彼方から
馬に乗った盗賊が駆け降りてくる時
それは夜明け、それは12月
そしてピーター・レイクはビヴァリー・ペンを愛した

それは一日中嵐が強かった日
空をカラスが埋め尽くしていた日
彼女の愛らしい魂が天に召される時
彼女は心を閉じ、そして上がっていった
この生き物の魂はどこへ行ったのだろう?
もう一度聞かせておくれ
襟巻の話を、歌の話を、宇宙の命の話を
何故ピーター・レイクはビヴァリー・ペンを愛したのか?

凍てついた湖に飛び込み
百人の男たちに火を放ってみせよう
もし僕がたった一度でも
彼がビヴァリー・ペンを愛したように
誰かを愛することができるなら

The Water Boys アルバム「This Is The Sea」デラックス・バージョンより 対訳・宮地ひろみ


マイク・スコットという青年には、どこかしら「孤高の人」というイメージがある。清い、言いかえれば、ある種、神聖な空気が、彼をつつみこんでいる気がしてならない。マイク・スコットーザ・ウォーターボーイズの音楽の中に、冒しがたい聖域があるのは、彼がそうした”孤高の精神”を貫いているからだと思う。

真摯な情熱と信念、ごまかしや媚びを寄せつけない精癖さ、売らんがための音楽ではなく、そうしたビジネスとは、一番遠くかけ離れたところに、彼の音楽はある。「歌う」ことへの純粋な喜びが、彼を「音楽」へと駆り立てる。そして、そのピュアな情熱・精神が、聴く者を感動させるのだ。

「音楽は神からの贈り物だ」と、マイク・スコットは言う。「(音楽)は尊敬の気持ちを持って、思慮のある使い方をするべきだ。それができない人間は、音楽を創るべきではない。生命を大切にしない人間は生きるべきではないのと同様に」と。

気骨にあふれた言葉 −彼にとっての「音楽」は、心の一番奥の部分に、深くかかわっているものなのだ。もしかしたら、彼のこうしたひたむきさは、時代遅れと言われるかも知れない。 だけど、彼のような硬質の精神の持ち主に、私はたまらなく惹かれてしまう。

硬骨漢 −マイク・スコットには、そんな形容こそが、一番ふさわしい。身長172〜3センチというから、決して大きなほうではないけれど、スキニーな身体からあふれ出る気迫は、並々ならぬものがあると思う。そしてあの瞳。あの大きな美しい瞳こそ、マイク・スコットそのものなのだ。

初めて見たマイク・スコットの写真は、青年というよりは、少年と言ったほうが似つかわしいほどに、どこか頼りな気だった。にもかかわらず、その端正な顔の真ん中にあったふたつの瞳、−一点のくもりも、かすかな邪念も宿ならない澄みきった美しい瞳は、彼が強靭な意志の持ち主であることを、はっきりと語っていた。凛として、激しさと静けさを同時にたたえた瞳 −これが、ロック・シーンという荒涼とした原野で、流浪の疾走を続ける孤高の青年、マイク・スコットの瞳なのだ。

一年4ヶ月振りに、ザ・ウォーターボーイズのニュー・アルバム「自由への航海/This is the Sea」が届いた。今年の初頭から準備を始め、3月から7月までの4ヶ月間を費やしてイギリスでレコーディングされたこのアルバムは、彼らにとって3作目(日本では前作「異教徒の大地」/A Pagan Place」に続き二枚目)にあたる。

「This is The Sea」 ーこの美しいアルバム・タイトルが、」まず私の心をとらえた。ザ・ウォーターボーイズと”水”というイメージは、切っても切り離されないが、”Sea"という言葉から連想される激しさ、やさしさ、計り知れない深い奥行きを、このアルバムもまた、持っている。タイトル通り、このアルバムは、まさに、「海」なのである。

”ドント・バング・ザ・ドラム”から”ディス・イズ・ザ・シー”まで、一枚を通してじっと聴いていると、刻一刻と表情を変える海を見ているような気になってくるのは、決してそのタイトルのせいばかりではなく、実際にこのアルバムが、海と同様の様々な表情、−激しさとおだやかさ、悲しみと怒り、すべてを包みこむ大きさーを持っているせいだと思う。

くり返し聴くうちに、このアルバムは、すっかり私の内面に入りこんでしまった。マイク・スコットが歌う「歌」は、ある時は私を奮いたたせ、ある時は胸を熱くし、涙させる。心を揺り動かして、心のひだの内側に入りこんで、静かに、そして深く、私を感動させた。

彼の声、そしてサウンドは、ストレートにハートに飛びこんでくる。嘘のない声だ。そして何より、マイク・スコットの書く詩に、すっかり心奪われてしまった。ザ・ウォーターボーイズの歌には「詩」がある。歌詞と呼ぶには、あまりにも美しく、文学的だ。けれど、決して夢物語りに終わることなく、詩そのものが生命を持っている。この詩に目を通し、彼の歌を聴いて、何も感じない人がいるなんて、到底私には信じられない。

「僕はひとりの人間として、人々が何をしているか、何を考えているかに関心がある。それを歌にしているだけだ。バカバカしくて意味のない歌詞は、絶対に書きたくない。中身のある有益なことだけ書いていきたいんだ」

彼が綴る言葉のひとつひとつが、歌になると突然息吹だし、脈打ち、輝き始める。本当に素晴らしいと思う。マイク・スコットはミュージシャンであると同時に、無限の可能性を秘めた詩人なのだ。このアルバムを聴きながら、あらためて彼のそうした才能に、素直に驚かされてしまった。

「自分の納得のいかないアルバムを500万枚売るより、たとえ500枚しか売れなくても本当に自分の好きなものを創りたい」というマイク・スコット。彼には、いつまでもこうした信念を貫いてほしい。なぜなら、こうした”こだわり”と”誇り”こそ、今、最も求められているものだと思うからだ。正直な音楽、真摯な音楽 −そういう音楽にこそ、私達は心を動かされる。安易なお手軽音楽は、もう欲しくない。ザ・ウォーターボーイズが高らかに歌いあげた9曲が、素直に私を感動させたのは、彼のスピリットが、嘘いつわりのないもの、そして彼の音楽が、そのスピリットの中から生まれでてきたものであるからだと思う。

本物だけが生き残る。そして、ザ・ウォーターボーイズの”本物のスピリット”は、人々の心をとらえていかないわけがないと思う。

人生について、マイク・スコットはこんなふうに語っている。

「人生というものは、水の流れのようだと思う。常に流れ、動き、決して逆戻りしたりしない。やがて、川は、もうひとつの川と一緒になり、海へ注ぎこむ。そして、海は世界中へ広がっていく。ーだから僕は、水が好きなんだ」

マイク・スコットの人生観は、そのままこのアルバムに映し出されている。川がいつか海へ流れこんでいくように、ザ・ウォーターボーイズの音楽も、人々の心へとしみ入っていく。彼らの音楽が、七つの海へと流れていく日もそう遠くないはずだ。今「自由への航海/This Is The Sea」を聴きながら、瞳の中に海をたたえた青年、マイク・スコットの未来に、確かなものを感じている。

_ 塚越みどり    「This Is The Sea」 1st Editionから 

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

安里玉懐 [やっほーまじわたしウオーターボーイズだいすきです。いつもみていますー。いろんなてんかいがあって楽しいし。あははーいつ..]

jonah [いやあのその・・・。ごめんね。ここで取り上げているのはイギリスのロックバンドのほうなの。君が言ってるのはTVとか映画..]

jonah [あれ?そういうことじゃなくて、この日記いつも見てくれているということかな?それだったらサンキュー!!!]


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