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2005-01-30 [長年日記]

_ [フェミニズム]裕美さんの日記より

とりとめなく饒舌

やっぱ4時間はいくらなんでも短いので、論文執筆や読書はその中に入れないことにしよう。つまり純粋な語学学習のみ。 (無理かも)

ところでベーシックインカム(市民賃金)の実験がスウェーデンで行なわれているのを知り、驚く。これは生活クラブにいたとき横田さんが関心を持っていて、私もとても関心を持っていたのだ。

小沢修司さんは、月8万円を、すべての人にと言っているそうだからちょうど私の奨学金と同額である。
働かないで生存できる社会になってこんな堕落していたら、実験は失敗になるな。
でも、誰でも仕事はあった方がいいと思うのだ。社会保障が機能しても、ただ生きるだけ、なんて難しい。誰かと一緒に何かをしていないと、豊かな人生とはいえない。換金システムとして考えなければ、さまざまな構想が広がるような気がするのだが、意外に人間の発想は貧困かもしれない・・・。金儲けだと思って発想する方が驀進力になるとしたら、悲しいのだが・・・。意外にそうかもしれない。
束縛が何もない自由って言うのは難しいな。コンテキスト、てもんの中には、規制や束縛も含まれるのだろうな。
それにしても女性差別に呻吟していたときは、読んだり書くことなしに生きられない、みたいに思っていたが、今のようなぬるま湯状況だと、しょうがないな勉強するか、いやだな・・になっちゃうのだなあ。そういうものかもしれん。もともと勉強嫌いだったよ私は。運動のための理論武装だったんだと思うわ。かといってプロの活動家になるほど実践性がないというか、無能って言うか、理屈っぽすぎると言うか。世界を構造的に理解したい欲求がすごくあるから、結構ただのアリバイ的実践を軽蔑したりしちゃうんだよな。建前と本音の矛盾が許せなかったりして適応不全になる。だからろくな活動家にもなれなかったわ・・・。

でも真理への追求心ていう集中力にも、探求力にも構築力にも欠けるから研究者としてはろくな世界把握もできないだろうとも思う。

大学院とか行くことに何の権威もなかったら、どのくらいの人が進学するかね。論文を書くことを換金するシステムにすごく違和感がある。まあベーシックインカムで1年長らえる機会と思えばいいか。
それにしてもミースをちゃんと読んで改めて魔女裁判ってすごいのね。サドの人は研究したらいいと思うわ・・。あまりに惨くて、読めないよ。それに魔女狩りって儲かったらしいわ。あらゆる人が魔女狩りにまつわる仕事をつくり、名声を勝ち取る機会にし、金銭的恩恵にあずかった。特に男性の専門家ね。ミースは近代化を、女性の持っていた自立性の破壊としての魔女狩り過程に見る。そこで近代技術の自然への蹂躙が規制緩和し、富の蓄積と、男性専門家の確立が行なわれた。暗黒の中世の現象じゃなくて、近代化のための過渡。血塗られた近代。
「魔女狩り」で儲かったり、名誉を手に入れたり、て、イラク戦争も同じだが、所詮他の人間の血で、豊かになった社会にこうして生きてるとしたら、無為に過ごすことは、そのサイクルに加担しないよりまし選択とも言えるが、惨い蓄積のおこぼれで近代文明に存在してる限り、全然免罪されないな。
ああいう暴力が女性に何世紀にも渡って行なわれてきたなら戦時性暴力も、強姦も、あるのは当たり前のような気がしてくる・・・。

_ 戦時性暴力といえば、女性戦犯法廷のNHKの改ざん問題政治家安部・中川二世コンビが圧力をかけていたと職員の内部告発あり。「家族を路頭に迷わせると悩み・・」と男泣きとは日本的。そうやってたかが労働力を売ってるだけなのに、魂まで売る、奴隷的な男性労働者が出来上がっているのが見て取れる。
おんぶお化けのような忌々しき家族愛、男性の市民性を剥奪する近代的家父長制。

家族、て言うものの歴史の浅さにも驚きました。(今頃)
日本でも昔は長男だけが結婚して(財産相続のため)、後の有象無象は適当に通ったり、生まれたら女の一族で育てたりと言うのは聞いていたけど、1868年にドイツでは無産階層の婚姻の禁止が廃止されたというから、それまで誰でも家族を作ってたわけじゃないのね。私達は驚くほどの神話の中に生きているのね。魔女狩り前は女性たちはみんな避妊や中絶の民間療法を身に付けていて、人口を抑制していたからむかしは人口爆発なんてなかったのだ。人口問題はもともと貧困や教育の問題じゃない。日本のイエ制度も江戸時代前にはないから、伝統じゃなくて、近代化政策。全く迷信に囲まれてるといってもいいくらい。進化論を教えないキリスト教原理主義のアメリカ人の無知蒙昧を笑えないわ。
結婚って結局、女性資源の分配よね。

女が自分で稼げる手段なんていろいろあるし、そうでなきゃどうやって人類が継続できただろう。男がしてたとかいう狩猟なんてギャンブルだから、女性たちの採集や農業が男を食わせてたのだ。だいたい、一夫多妻も、女をつかって稼ぐためだったわけだからずっと女が男を養って来たわけだ。もともと賃労働は最初は女子どもがやってたわけだし、男が保護の下に追い散らして中心を占拠した。

魔女狩りのようなすさまじいことをやらない限りたくましく生きてきた女たちは男に馴致されなかったってことなのだろうか。18、19世紀男女平等は原始的で遅れた人種のしるしだったそうだから、女を働かせるなんて、男の恥、て言うのはそういう伝統ですね。実際女が働くと、競争相手が増えて男の職場を侵食することになるので、男全体の利害を損なうから、恥とはあながち不合理な物言いでもない。完全雇用は女性の主婦化による数字合わせ(日本ではね)。
男が女を食わせる時代はもうおわちゃったけどホントに短かかったなあ。それが効率よかったのね。女を奴隷にして自分が奴隷頭になってさらに体制に従順、ていうのが日本的な資本主義的家父長制。会社中心主義。内部告発もできなくて(NHK職員は偉い!組合は闘ってほしい)会社と一緒に自滅。リストラ自殺に過労自殺。産業廃棄物の処理−老後の世話も見なくて良くて、政府は内心歓迎しているのか放置。
 物事を知るとは、なんとタフな精神を要求されることだろう。でも無知でいることは退屈すぎるし、罪が深すぎる。

物事を探求する人たちを不思議に思うのは、このタフさをどうやって保持しているかである。論文換金システム、などに安住することができている不思議である。

その範囲で満足できる事象なのだろうか・・。別に社会改良家になれ、とは言わぬまでも・・・。自らがそのシステムの中で優遇されてることに気持ち悪さを感じない不思議である。ラジカルに指摘すればするほど、ステイタスが高くなるこの矛盾。

この世界に住む誰もがつけている現実との妥協をしているだけなのかもしれないが。
ミースが大学職を辞して活動家になっているのは全く自然なことであるが、これまたさまざまな能力の要求されることである。
普通の人は、平凡な仕事をしながら(しかしその中に世界構造的な矛盾は数限りなくあるのだが)、考えたことを行動に移して生きていく、と言うのが望ましいのだなあ。神は細部に宿るから、世界把握は、身近な現場の中でのよりよき社会に向けての小さな歩数を進めるときにこそ生きるものであり、それ自身を鑑賞したり堪能したりするものではない(してもいいけど)。
そうやって生きてきたつもりで、こういう転落なんだけど・・・。その歩数を進めるときに、あるべき社会ばかりを見すぎて、その過程を楽しむ人生がなかったからだろうか。

でも矛盾の中で楽しむことが享受できるのだろうか。

より強い苦痛こそがその推進力になるのだから。

ていうか、現在なお魔女狩りされてる人との共有感だったなあ。私は自己と世界の獲得のための、飢餓感のある運動でなければ、認められなかったわ。

自らの血であがなうような・・・・

今の生活に満足しているけど、社会正義や、余暇の充実のために運動している、ていう人への違和感、すごくあったもんなア。

職業活動家も、違和感があった。自らの生存意義のために社会矛盾を利用している気がすごくしたから。

(なんだってそんな事大主義だったんだろう?フェミニストは、家族やセクシュアリティなど人間の根源的存在基盤を問わざるをえないからしょうがなかったのかな)。
先が見えないな・・・。そういう飢餓感から解放されて、コンテキストから切り剥がされて、漂う先が見えないのだ・・・。
長い休暇、なのだろうか・・・。
とりとめがないなあ。この漂流感、自分でもよく把握できない。去来する怒りや、思いをどう求心させていくのか見えない。現場がないってことだよな・・・。
いやとりあえず4時間勉強は未知への挑戦だ(今頃?半年遅いよ〜)。

_

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_ 2005年01月16日

21:07 ジョナー | 削除

いやあ、すごくおもしろい。その調子で書きたいほうだいしてください。参考になります。

2005年01月17日

19:55 裕美

あ、ありがとうございます。適当に茶々を入れていただくとまた弾みがつくかと思います。ソクラテス(だったか?)じゃないですが、学問は助産術だと思っていて、それで学校行く意味があると思っているんですが、何かろくでもない助産夫しかいなく宿した子どもは仮死状態ばかり、っていう感じなんで、別に学校ていらんていうか。ホルマリン漬けがたまらないように、黒魔術で生き返らせなきゃなりません。魔法学校はないかなあ。リブの人が魔女コンサート、なんてやってましたけど昔、魔女ってそういう意味あったのねえ。

2005年01月17日

20:20 ジョナー | 削除

ははは、これも皮肉が利いてて笑えるなあ。裕美さんてユーモアのセンス冴えてますね。ところで、この日記から引用して自分のほうの日記で展開して書きたいのがあるんですけどOKでしょうか?引用元をちゃんと明記したほうがいいのか、不明にしておいたほうがいいかお知らせください。
ミースってマリア・ミースですよね。まだ未読です。読んでみたくなりました。

2005年01月17日

20:47 裕美

全然OKです。ありがとうございます。思いもかけない出会いもあるかもしれない(?)んで引用先を明示していただこうかな。私も読ませていただきます。あの不思議な雰囲気の日記ですよね。

私のこの日記の種本は、「国際分業と女性」マリア・ミース著 奥田暁子訳 日本経済評論社刊(1997年)です。ぜひ熟読をお勧めします。この原題は「家父長制と国際的規模の蓄積」です。またミースの翻訳はこのほかに、「世界システムと女性」ミース、ヴェールホフ、トムゼン共著 古田睦美ほか訳藤原書店があります。

またサブシステンス・パースペクティブというグローバリゼーションとポストモダンフェミニズムについて論じた本が現在関係者の中で翻訳中ですが、近年発刊されますでしょう(希望)。

このミースのお仲間のヴェールホフというのが過激で(ホントに魔女みたいな風貌でかっこいいよ)、イリッチのジェンダー論は多く彼女のアイディアに負っているのですが(フェミニズムを脱色したうえで、ですが)最近新しい訳(ドイツ語から)が出来たようで好評です。それはまた紹介しましょう(私も読んでないんです)。

そろそろ学校に行きます。2時半までしか受付がやってないんで(ホントに仕事時間短いよ〜いいなあ)。魔法学校ならぬビジネススクールですが・・・。

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メロビ (2005-02-01 14:50)

そこで論破を試みられているナショナリストです。

ジョナー (2005-02-01 17:12)

ははは、メロビさんいらっしゃいませ。俺思うんだけどさ、メロビさんはナショナリストという立ち位置じゃなくて、もっと自然主義というか、まあ普通思われているナショナリストとはちょっと毛色が違うんじゃないの?

Hiromi (2005-02-18 02:24)

いつもありがとうございます。たまにはこちらからもご挨拶をします。おかげさまで弾みがついてとまらなくなってきました。いききすぎたらご警告くださいませ。お世話になります。

ジョナー (2005-02-18 10:13)

あ、こんちわ。いやあこちらこそイっちゃってるフェミニズム論展開しちゃってて、学術系のかたに迷惑かなあと反省したりもしますが、誰も俺を止められないぜ!みたいな。Hiromiさんももっとがんがんいっちゃってください。応援してますよ。

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