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夜明け前に目を覚ました。
頬を凍った掌で包み込む冬が大急ぎで駆けてくる足音だろうか。
そういえば昨日は霙が降っていたものね。
昨夜の夜景は雨の日には珍しく曇ってはいなかった。
まるで宝石箱を引っくり返したような光景。
街中にばら撒かれた宝石は濡れて光っていた。
クレイジー・ケンがAh haと溜息のように歌う。
ただ冷たいばかりの雨は街を濡らす事は出来ても
唇を濡らす事も
瞳を濡らす事も
心を濡らす事も出来ない。
優しく生暖かく包み込むように瞳と唇と心を濡らしてくれるのは
多分最愛の男の子の絹糸のような雨より柔らかい心だろう。
ガタガタと窓が鳴る音を聞きながら眠っている間に着信した兎メールを確認。
残念。
昨夜は23時過ぎに眠ってしまっていたの。
私は黒兎じゃないからお返事書くよ。
兎が眠ってないであろう時間にね。
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