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それは世に言う天国や極楽のような場所なのじゃないかと
身近な人に心配される事もあるのだけれど
それは確かにこの世だと確信しつつ白昼夢に、寝息の後の夢に見る。
何処にあるのか、この国にあるのかも分からないけれど
沢山良い風が吹いて
呼吸する度に陽光が胸に流れ込み
目に見える限り人以外の生き物が立てる音しかなく
目を閉じても目を開けても全てがあるがままの場所。
そこが恋しくて行きたくて堪らない時の私に
疲れてるんだよ、とその人は言う。
まるで世を儚んでいる人間に問い掛けるような声で
人の死に出会っても誰かの前で流さなかった涙で
睫を濡らしながらその人は言うのである。
多分その人は信じない。
今はきっと信じない。
けれど、私はそこが必ずこの世にあると確信しているのだ。
疲れているのは本当のことだけれど
既に何度か自分の意志とは関係なくこの世を去りかけているのだから
今更疲れたくらいで生きる事をやめる気になどならない。
ただ、私はそこに時々行きたくなって、そこで十分に呼吸したくなるだけだ。
そこでしばらく眠ってから日常に帰りたいと思うことがあるだけだ。
もしその人がこれを読んだなら、覚えていて欲しい。
絶対にそこはあるはずだからいつか一緒に探しに行こう。
見つけたら時々一人で行かせると約束をしてからね。