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昔、インド人に
「テンミニッツ(10分待って)」
と言われると、僕は「インド時間の10分?それとも日本時間の10分?」と冗談で聞き返したものだった。すると、相手は、ニタッと笑って、「オフコース、インディアンタイム(もちろん、インド時間さ)」と答える。
僕も、もう笑うしかない。。。インド時間の10分は、いままでの感覚でいうと、日本時間で最大3時間くらいまでの感覚があるんだ。いやね、この間、郵便局へ小荷物を出しに行ったとき、大分長い行列があったんだけど、やっと僕の番になった。局員が僕の大きな数個の荷物を見るや、「テンミニッツ(10分待て)」と言う。彼はそれでどうしたかというと、僕の後ろにいた、手紙など1つしか持っていない人の手紙をやり始めたんだ。なんせ、今日は偉い混雑していて、後ろに大行列ができている。とにかく、小包みたいな面倒な作業は、後回し・・・局員は列を早く消化したい一心だったんだろう。10分待った。それで僕は、局員のほうをじっと見た。彼は随分と僕のほうを無視していたが、ちらっとこちらを見ると、「テンミニッツ」と言った。
そのとき、行列は、減るどころか、増えるばかり。
そんなんで、こんなんで、彼はテンミニッツと延々と言いつづけ、時計を見たら、もう3時間たっていた!そして行列は、もう一人もいない!最後の人間となって、やっと小包を局員がとってくれた。
「おい、時計を見ろよ!10分っていったのに、3時間も待たされたぞ!」
と目一杯のイヤミを言うと、
「ソーリーソーリー、1分でこの小包の作業をやってあげるから、、ソーリー」
と言って、一生懸命に作業をやりだしたが、この局員はちょいと間抜けで、作業が鈍い。1分で作業を終了してあげると言ったが、時計を見ていたら、楽に10分はかかっていた。たった三つの小包のためにさ、15分もかかる・・・
つまりね、インドでは、10分が最大3時間まで、1分っていうことなら、15分くらいかなっていう感じ・・・
_ ほんとうにインド時間10分=日本時間3時間なのか?
そもそも、インドでは、おっそろしく時間が長い。時間が長いというのは、時間の心理的な感覚ってこと。日本人の時間の感覚はどちらかというと時計の時間と同じように動いているかもしれない。1分といったら、1分だし、10分休憩って言われたら、時計の秒針が10回、回ったら休憩は終わり・・・
でもね、こんな正確な時間が、ほんとうに時間なのか、って、ここインドにいると疑問になる。
つまりね、悠久の昔から、何千年も何万年も続いてきたインドの歴史という視点からみると、10分が3時間だろうが、1分が120分だろうが、感覚的にさほど違いはないんだ。
だから、インドの人たちは、ここまで時間にルーズになれる。時間をきっちりと守る人はほとんどいない。10時に待ち合わせといっても、まともに10時に来た事などまずない。よくて、午後の何時かくらい、あるいは、ひどいときは、翌日などにやってきたりする。それでも、全然、憎めない。こちらも、そんな経験から、約束の時間はあってなきがごとく考え始め、だんだん、寛容になっていくんだ。これが不思議。