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■ゴア・カンドリンのイルカと鯨のお話し

雨季が終わった10月ともなると、ゴアの潮の流れにだんだんと変化が起こってきます。たくさんの雨で汚れていたかに見える海も、少しづつ綺麗になっていくかのように見えます。11月の中旬ころまでには、すっかり綺麗なゴアの海になっているはずです。
それは10月のある朝の海でのこと。とっても穏やかな海でした。いつもだったら、波がたくさんやってくるのに、さざなみひとつないかのように水面が静まりかえっていました。その日、私はたまたま朝早く目が覚めて、そのまま海に入りました。


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■突然「キューキュー」と音が響いてきて…
朝8時ころ。穏やかだったので、水面に浮かびながら、海に身を任せて、私は大分沖まで出て行ったのです。陸が遠くにかなり小さく見えて…よくよく見るとちょっぴり恐いのだけど…。上を向いてぷかぷか浮いていると、突然、「キューキュー……」という音が頭の中に響いてきて、一瞬、なんだろうと思うまもなく「どぼ〜ん!」とイルカが目の上をジャンプしていきました。目の前で、野生のイルカを見たのは、これが初めてでした。次の瞬間、顔を持ち上げて、海を見てみましたが、イルカの姿はもうどこにも見当たりませんでした。でも、やっぱりどこからか、「キューキュー」という音がしていました。数分ほど、その音が聞こえたり、聞こえなかったりしているうちに、やがて何も聞こえなくなりました。
私は、「イルカを見た!」って、大喜びをしながら、アグネロレストランに朝食に向かいました。アグネロにそのことを話すと、彼はこんな話をしてくれました。


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■カンドリンビーチ・アグネロレストラン
写真左は、私がカンドリンビーチにいるとき、いつもお世話になっているアグネロさん。彼はレストランをやっています。底抜けに親切で、いつも気さくにいろいろな情報を教えてくれます。もし、ゴアのカンドリンビーチに行くなら、まず彼のレストランに行きましょう。ここで、どこのホテルや民宿が空いているかとか、何でも相談に乗ってくれます。

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■カンドリンには、イルカも来る、鯨も来る…
アグネロ:イルカはね、今でも朝7時から8時くらいにカンドリン・ビーチの浜近くまでやってくる。魚を追いかけてやってくるんだ。もし、カンドリンにいなかったら、ココ・ビーチにいる。ココビーチは、ちょうど川と海が合流するところで、半淡半海水。そこにいる蛙や蟹を食べにやってくる。だから、ココビーチはイルカで有名なんだよ。年を通して、一番イルカがここらあたりにやってくることが多いのは雨季が終わりに近い9月中旬すぎで、イルカがカンドリンの沖合いでジャンプする姿が頻繁に見える。というのはね、雨季の終わりには、魚がたくさんこの沖に漂流してくるんだ。それを食べるために、イルカたちは朝方やってきて、そうしてそこでジャンプしたりしている。イルカをビーチ近くで見たければ、9月中旬から10月中旬くらいがいいと思う。毎朝、何十匹も海岸近くにやってくるよ。 イルカに纏わるお話はいろいろあるけど、あるとき、5〜6mもあろう大イルカがカンドリンの海岸に打ち上げられた。可愛そうなことに、喉に魚を詰まらせて窒息死してしまったらしい。しばらくすると異臭を発してきたので、村人みんなで、砂浜に大きな穴を掘って埋めなくちゃならなかった。大変だったよ。とても大きなイルカだったからね。 実は、去年は大鯨もやってきた。鯨を目の前で見るのは、これはとても恐い。僕が沖で漁をしている最中、何回か鯨と対面したことがあるけど…何十メートルもあるんだ。そんな島みたいな鯨が潮を吹きながら近づいてくる。小舟はまるで木の葉のように揺れはじめてさ…恐いのなんの。


■鯨は海の王様
アグネロ:我々、ゴアの漁師は、鯨は海の王様として、丁重に扱っている。だから、鯨が近づいてくると、それまで漁をした魚をすべて差し出すんだ。そうするとね、鯨はそれを食べて、去っていく。彼らを怒らせてはいけない。間違って、彼らを罵倒しようものなら…というのもね、彼らにはわかるんだよ…あっという間に舟は横倒し、僕らは命を失ってしまうのさ。だけどね、鯨がやってくるということは、これは漁師にとってとてもありがたいことなんだ。鯨は魚を連れてくると、昔からそう言われている。俺のオヤジは、カンドリン沖に鯨がやってくると爆竹を鳴らして大喜びする。鯨が去っていったあとに漁に出ると、大漁が約束されているからだ。


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■鯨が去った後は大漁が約束されている
アグネロ:だからね、僕も、大鯨が去っていったあとに網を海に入れた。すると、そこにはたくさんの魚がかかっていた。鯨は漁師にとって神様みたいな存在だよ。

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■カンドリンには、イルカも来る、鯨も来る…

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アグネロ:イルカの話に戻るが、イルカは海のいたずら者。実は、漁師としての僕たちには、彼らは困りものなんだ。僕らは沖で網を仕掛ける。そうして、しばらくして網を引き上げると、網には骨ばかりの魚がかかっている。やれやれ、また、イルカたちにやられちまった!網の外から網にかかった魚を食っちまうのさ。もし、イルカが網にかかろうものなら、彼らは網に大穴を開けて去っていくし…。
そんな海のいたずら者も、観光には一役かってくれる。イルカ見物に観光客が来てくれるからね。だから、イルカもありがたいよ。
僕も、ここでイルカツアーなるものをアレンジしている。朝8時にカンドリンを出発して、朝方なら必ずイルカを見つけられる。運がよければ、ボートのエンジンを切っていればね、イルカが近づいてくることもあるけどね…イルカはエンジンの音が嫌いでね。最近は、エンジンの船がふえたんで、エンジン音が聞こえるとすぐに逃げてしまう。実際に、船のスクリューで傷ついたイルカもいるから、彼らは知っているんだよ。これはいいもんでないってね。
ゴアの観光シーズンは11月から4月。その間は僕は漁には出ない。レストランが忙しいからね。僕が漁に出るのは、シーズンオフの雨季が始まってから。レストランにお客も来ないしね。本当は、昔から、雨季には海が荒れているので、漁には出てはいけないことになっているんだけど…。というより、昔の手漕ぎ舟では、荒れた海には、そもそも漁には出られなかったんだ。ところがね、最近はエンジンが出てきたために、雨季になって、海が荒れていても漁に出る漁師が増えた。おかげで毎年、何人かは必ず遭難する。今年は、カンドリンの隣のビーチ、カラングートで三人も船ごと行方知れずになった。お金のためにみんな命がけで海に出るんだ。観光だけで食っていければいいんだけど、なかなかそうもいかないんだ……。(アグネロさんのお話はここまで)


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「ゴアのカンドリンにお越しの際は、ぜひ、僕のレストラン、アグネロレストランに立ち寄ってください。小さいけど、味はどこよりも美味しい!って自慢ですよ。イルカツアーもアレンジします。シーズン中なら必ずイルカに遭えるよ!」と語るアグネロさんは、7つの頃から、オヤジさんの漁の手伝いをしながら、近くのホテルの下働き、そして、ホテルの厨房でみっちり西洋人好みの料理法をたたきこまれてきた。学校を卒業して、この数年前に彼の家を改造、アグネロレストランを開業しました。シーズン中にもなると、「安い、うまい」と西洋人たちでごったがえすほど。
それに何より嬉しいのは、彼の人柄…。とにかく、困ったら、彼は親身に相談にのってくれます。彼がいてくれるおかげで、私のゴア滞在がとっても楽しいものになりました。ありがとう、アグネロ!



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ミーナ、2001.10.19 ゴア・カンドリンビーチにて



scince Aug.2000  


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