ミーナがインドのそらのしたで見た「大道芸人のこども」



大道芸の子供

  


★インドの子供のお仕事

   えっ、この写真が私?、じゃないです!インドの街角の、ごくごく普通のシーンです。インドではあたりまえのよくある風景も、私たち日本人にはとっても不思議な感覚です。
   思えば、昔、日本にも、正確にこんな姿ではないでしょうが、大道芸の人たちや、見世物小屋とか、いろいろ、今にしてみれば、不思議な光景がたくさんあったと思います。もちろん、日本が西洋化のなかですべて失ったというか、消えていきました。でも、インドでは、少し、ううん、かなり状況が違います。それはまるでインドの道の様子のよう…インドの道路には、牛車がいまだ現役で活躍しています。その同じ道路をバイクも走るし、ベンツや日本車が走る、中国の国民自転車みたいなのを利用する人もいれば、三輪タクシーも走っています。過去と現代が入り乱れて、とてもユニークな状況です。
   写真の彼は、何かとても神々しいようですが、ちょっとこれには訳がありまして、彼の親はどなたか存じませんが、彼のお父さんも、そのお父さんのお父さんも、、、、、、代代こういう格好をして、、(あの青色は絵の具でも塗っているのかなぁ?そういえば、インドの神様の顔は青く塗られています)生業を立ててきました。だから、彼も親に従って、同じ格好をして、お布施(インドではバクシーシとゆいます)をもらって生きているのです。言ってみれば、彼の職業は、ある種の大道芸のようなものでしょう。
   インドでは、どこに行っても子供がよく働いています。学校にもいけず、食堂の下働きをしていたり、こうして、お布施をもらっていたり…。

★ねぇ、ちょっとはニコニコしてよ!

    とあるレストランで食事をしていると、写真のような、まさにあの格好で彼がしきりにレストランの入り口から私のほうを見てニコニコって。「なんか気持ちわる〜い。やっだぁ!」というのが正直な感じでした。知らないふりしても、延々とこっちをみてる。もうすぐにわかりました。バクシーシ(お布施)を狙ってるんだなぁって。それで、私は知らんふりを決めで、見てみぬ振りをしていたんだけど…一行に諦めない様子。せっかくのおいしいご飯がなんだか味気なくなってしまいました。その彼のほうは20分くらいしたら、急に座りこんでしまって、こちらは見なくなって、やっとご飯がおいしくなったんだけども、どうやら待ち伏せらしい。それで私はどうやって彼をかわそうか、ちょっと考えてしまって、食事が終わってもなかなかレストランから出る気になれませんでした。
   でも、しまいに、ふと思ったんです。彼も腹すかしてんだなぁって。そういえば、今日はなんも食べてない様子。じゃあ、ついでに写真でも撮らしてもらって、だってあの顔に、あんな格好だから…それで10ルピーでもあげようかという気持ちになってしまった私にビックリ。彼の作戦が勝ったみたい!
   意を決してレストランを出ると、案の定、彼がニコニコと走りよってくると、私のカメラを指差して写真を撮っていいからバクシーシをくれというジェスチャーをする。私ははいわかりましたとばかりに10ルピー札を見せると、彼はそれでいいという顔をしました。カメラを出して、ファインダーから彼を見ると、あれっ、何か様子が変?。どうしたの?僕、全然ニコニコしていない!じゃないの。そればかりか、とっても悲しそう? どうしたんだろうと思って、彼を直接見ても、やっぱり悲しそう。ねぇねぇ、ちょっとはにこやかにポーズを取ってよという感じを伝えても、不動のまま、悲しそうにポーズを取っているだけ。あんなにレストランの前ではニコニコしていたのに? 仕方ないので、何枚か撮ってお金を渡すと、彼はスットどこかに消えてしまいました。


★やっぱりほんとうは遊びたいさかりの子供だったのね

   あとで写真をみてみると、やっぱりどれも悲しそうな顔で写っていました。いま、よくよく考えてみると、やっぱり彼は悲しかったんだと思います。お金をもらうためには、第一に粘り強く、しつこく迫らないといけない、次にニコニコしてないといけないんだなぁ……でもいざ、お金がもらえると、安心して本当の顔を見せるのね。彼はやっぱり子供なんだわ。本当はもっと遊んだり、楽しくしてたいんだね、他の子供のようにね。でも生きてくためには、彼の親たちがしてきたように、こうしてお布施をもらっていかねばならない……そう思うと、ちょっぴり悲しくなりました。インドには実にこういう物乞いの子供たちが多いのです。まだ、学校にも行かず、小さいころからコキ使われている子供のほうがましなのかもしれません。働けるというだけで…。
   来世紀早々には10億人を突破すると言われている人口大国インド。正確な数は知りませんが、そしてたぶん誰も知らないでしょうが、物乞いの人口だけでも1億人くらいにはなるのではないかと思います。というのも、彼らは人間扱いされていませんから誰も数をかぞえたことがないんじゃないかな?ひょっとしたら、この10億人の数の計算のなかにすら含まれていないかもしれません。人口爆発と貧困、その矛盾が日ごとに深刻化するインド。この現状を見ると、本当に私の心が痛みます。


インドの大道芸のこども
さっきまであんなにニコニコしていたのに…なんだかとっても辛そうに見えるのは私だけでしょうか?




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