ミーナがインドのそらのしたで見た「大道芸人のおじさん」



大道芸人のおじさん

  


★インドの大同芸人のおじさんは、とてもシンミリと歌を歌ってくれる。おじさんの歌を聞いていると、なぜか涙があふれ出てきます。

   おじさん!おはよう。今日もあの詩を聞かせて!カスタネットのようなものを片手でカチャカチャ、一本弦の楽器を「ブヨーンブヨーン」と、そしておじさんは詩(うた)を謡う。
「あーあー、人生とはこんなものさ。なにがよいとも、なにがわるいとも、いえないが、人はそれぞれに生きる道、それを進むが賢明よーーー」
と謡っているのか、よくわからないけど、ヒンディー語とも何語とも判断つかないけど、とってもしんみりしてしまう。とっても懐かしい感じがして…なぜか泣けてきちゃうの。おじさんと何の言葉も交わしたことはないけれど、おじさんが謡う詩は一度聞いたら忘れられない。
   たまに御布施をするのは礼儀というもの。10ルピー札(25円ほど)を出すと、おやじはさっと黒ずんだ手を差し出してニコッとしてお金を懐にしまい、また謡い始める。昔はもっと足が達者で、そこいらじゅうを流して回っていたのになぁ。最近、もう歩かなくなった。というか、歩けなくなってきたのね。ヨタヨタしているので歩き回るのはやめたんでしょう。だから、一箇所に、毎日座ったまま動かない。大丈夫かなぁ?ちょっと心配。おじさん、元気でいてよね。次に来るときも歌を聞かせてよ、きっとだよ!




★人間とははかないもの…「諸行無常の響きあり」ってとこかしら…

    インドには、こうした大道芸人は数知れない。音楽、手品、マジック、……。街角で日々展開されるさまざまな見世物。これはインドならではのもの。昔、日本でも獅子舞の人たちが回ってきたけど、そんな感じなのかなぁ?それでも最近はめっきりと減ったそうです。インドも文明の波に押され、テレビや映画という西洋的な娯楽が増え、人々は大道で展開する芸にあまり目をくれなくなったのでしょう。以前は盲目の笛吹きがいました。彼が携えるたった一本の小さなの笛から奏でられる曲は、なんともいえず胸キューン。でも、いつのころからか、いなくなってしまった。もうあの笛が聞けないと思うと、何だか寂しい気持ちがします。いずれこのおやじさんも、ある日を境に現れなくなる日が来るに違いない。もう相当の高齢ですから。いつ死んでも……と、ふっと気がついた。そう言っている私も同じ運命なのね。人間とは、ほんとうにはかない存在だと思います。その日が来るまで、 せいいっぱい生きるのが人間の宿命……。


大道芸のおじさん

PS:最近、このおじさんが現れないのでおかしいと思っていたら、やっぱりそうでした。誰かがおじさんは亡くなったよと教えてくれました。合掌。





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