僕が京都に住んでいた頃、朝の散歩に、よく下鴨神社に行ったが、ニティヨの奏でる音を聞いているうちに、ふと、そのときのことを思い出してしまった。限りなく清らかで、限りなく静けさに満ちている空間。高い杉の林から、朝の太陽が木漏れ日として差し込んできて、そこには朝靄のシルエットが浮かび上がる。ひんやりとした空気に吐く息も白く、はっと目をやれば、小川がサラサラと音をたてて流れている。日本の神社には、特有のフィーリングが、バイブが漂っている。
彼女の笛をここインドで聞いているうちに、思わず、僕は日本の神社にでもいるような錯覚を覚えてしまった。それは、彼女を通じてやってくるものが、まさに日本の神社のバイブそのものだったからに違いない。
それは、清らかで美しく、静けさに満ち満ちていた。<まは>



|