▼インド安宿建築日記
 リアルインド

インドコナラク、ノリコとパーカスの夢の途中
インド安宿建築日記part2


お食事中のラビ&サラ
お食事中のラビ&サラ
サトウキビをかじるラビ&サラ+ラモ
サトウキビをかじるラビ&サラ+ラモ


@@今月のオマケ@@ナヤックさんちのこぼれ話
カレーの祖国でつわりになったら・・・

福岡からコナラクへ引っ越して間もない頃の、思い出話をひとつ。

私達夫婦は、当時、自分たちの土地も家も持たず(夫の実家はコナラクから約7キロ離れた村)、コナラクのなじみのロッジの一室を借りて生活していた。毎日の食事は、朝から晩まで外食。インドの片田舎のこと、外食となればカレーか、インドスナックか、チャイニーズとは名ばかりの、インド焼き飯、焼きそばがあるくらいのものだ。早くマイホームが欲しいな、自由に使えるキッチンが欲しいなと"普通の生活"に夢を託していた矢先、なんと、私は早々に妊娠してしまったのであった。

皆さん、カレーのインドでの"つわり"がいかに苦しいものであるか、ご存知でしょうか?

おなかはすくのに、何も食べたくない。食べたいものがあっても手にはいらない。例えば、ふかしイモに、バターをたっぷり塗ったら食べれそうだと思っても、当時のコナラクにはバターを売る店がなく、"バタートースト"の看板の出ているレストランをくまなくあたってみても、「ギー(精製前のバター)ならあるよ」か「ジャムではダメかい」という答えしか返ってこなかった。とほほ、である。(注:現在ではコナラクでバターは買えます)

体力が低下して、自室のベッドでゴロ寝していると、昼時になれば、ロッジの主人宅からぷう〜んと香辛料の香りが漂ってくる。"香辛料"というだけあって、クセのある刺激的な臭いである。私はゴロ寝などしている場合ではなく、洗面所へ突進しなければならなくなる。でも、悲しいかな、おなかの中は空っぽ。ゲロゲロと出るものは何もない。ただ異常に気分が悪いだけ。

"臭い"は立派な公害だと、このとき初めて私は認識したのであった。

カレー料理が喉を通らないのはまだしも、ビスケットやチャイ(甘いミルクティー)まで受け付けなくなったのには困り果てた。脳裏に浮かんで離れないのは、"永谷園のさけ茶漬け&梅干"という日本伝統の味。おりしも当時のインドは海外へ向けて、経済を開放しつつある時期だった。スズキやホンダもすばらしいけど、私個人の問題として、できることなら、永谷園にインド進出を果たしてもらいたいと、どれだけ本気で願ったことか。だけど、私は数ヶ月前の出来事を思い出したりもするのだった。

コナラクへ越してくる時、父と姉が同行していたのだが、彼らを見送った際に、プリーの駅のホームで日進のカップめんを発見したことがあった。日進は永谷園に先駆けて、すでにインド主要都市に商品を送り込んでいたようだ。私はためらわずにベジタブル味を注文した。姉はチキン味。思いがけず、日本庶民の味に遭遇した喜びに、私の胸は小躍りした。これから始まるインドの生活は、「安泰ですよ」と、日進さんに保証してもらったような気がした。

ところが、あれっ!?売店のおじさんのカップめんの調理法がおかしい。お湯をそそいでフタをして、3分待ったらお湯を捨ててしまった。それからセットの調味料をパラパラ。おいおい、やきそばUFOじゃあないんだぞ。私はあわてて、お湯を捨てた行為に抗議した。しかし、おじさんは自分が正しいと言い張る。姉のチキン味は湯を捨てぬよう申し付けたけれど、おじさんは納得がいかないらしく、お湯を半分捨てて、わずかにスープを作った。

まいったなぁ、インド人は近代文明についてはてんで無知なんだから!!カップめんひとつ作れないんだから!!とグチグチ言いつつ食べてみると、正しいのはおじさんだった。中身は正真正銘のカップ焼きそば。しかも、マサラ味!!日本庶民の味どころか、インドならではの香辛料だったのだ。

小躍りしていた私の胸が、一気に静粛を取り戻したのは言うまでもない。

と、そんな経験を踏まえた上で、もし永谷園インド工場が実現されたとしても、製造品目は"ピリッと刺激のマサラ茶漬け"かもしれないと想像すると、永谷園インド進出への期待は、不安へと変貌を遂げるのであった。

結局、ロッジ生活での、つわり期を、私は何を食べて生き抜いたのか?

毎晩(本当に毎晩!!)、日本食を食べる夢を見ては目覚めて涙をこぼしつつ(本当に泣いていた)、実際はりんご、みかん、トマト、きゅうり、ヨーグルト、炭酸飲料、ゆで卵等でしのいでいた。良いダイエットになった。

おしまい

今月の 夢の途中〜インド安宿日記〜いかがでしたでしょうか?

来月も読んでくださいね。

ナマスカール。






インドコナラク、ノリコとパーカスの夢の途中
インド安宿建築日記
パート1
 プロローグ
 安宿のつもりが中級ホテルの設計図・・・5月9日〜5月12日
 5月13日〜6月6日
パート2
 6月7日〜6月30日
 7月7日〜7月8日
 今月のオマケ ナヤックさんちのこぼれ話
パート3
 7月8日〜8月8日
 今月のオマケ ナヤックさんちのこぼれ話
パート4
 8月10日〜9月13日
安宿ピンチ!ノリコとパーカスの夢"は途中のままで、消滅してしまうのだろうか?
番外編
ナヤックさんちのこぼれ話し
番外編
沐浴に行こう!!
番外編
ソニ・メーラNEW!

 あらすじと登場人物

インドへ行くなら、いざコナラクへ!インド・オリッサ州コナラク・ホームスティ


インド・オリッサ州コナラク
自然と世界遺産「スーリヤ寺院」の田舎町
日の出とスーリヤ寺院の眺めが自慢のわが家にホームスティしませんか?
インド古典舞踊、メディテーション、ヒンドゥー語、石像(ヒンドゥーの神様)、彫刻、インド料理など、インドならではの文化を学びたい方、または、インド庶民の生活を体験してみたい方、もしくは、しばし、物質社会から離れてのんびりしたい方、ぜひ一度、お立ち寄りください。
法子 高木 ナヤックまで、お電話かお手紙で!
NORIKO TAKAKI NAYAK KONARAK, PURI 752111 ORISSA INDIA
TEL 001-91-6758-236451(国際) TEL 06758-236451(インド国内)

残念ながら、ノリコさんにはパソコンはありません。使いたくても、ひどいパソコン音痴なんだそうです。それでも、日本の皆さんに発信したい!という希望を、かなえるべく、インドのコナラクより原稿をインドのプーナまで郵送、そこで、かちゃかちゃと原稿おこしをし、このページができあがっているというわけです。リアルインドでは、インドで、何か夢をかなえたい!何かやりたいって皆さんのご連絡を待っています!


@転載・リンクなど基本的に自由です。できればmaha@ohah.netお知らせください。



produced by maha

インドゥーポータルサイトインドの情報満載、インドゥーポータルサイト



▲インド安宿建築日記

 リアルインド