logo
HOME
WOMBAT
NOWHERE
MAIL
MAILING LIST参加
MAILING LISTログ
BBS


国内の水不足、水争い、水利権



水不足の話をしたが、ここで道草を食って、日本では、どの地域が水のことでストレスを感じているか考えてみよう。





国内の水不足




水不足の話をしたが、ここで道草を食って、日本では、どの地域が水のことでストレスを感じているか考えてみよう。全ての都道府県の状況を承知している訳ではないし、県民一人あたりの水の需給を知っている訳ではないのだが、多分ここが一番ひどいと思える場所がある。

それは水がまずいといわれている大阪ではないだろう。大阪の水は琵琶湖の水の味に薬品がどっさり使われた後のいやみが混じるが、渇水の心配はほとんど無い。

水質の悪い水の苦労を共有しているせいか、滋賀、京都、大阪あたりの淀川水系に頼る関西のエリアは仲良く水問題に取り組んでいるように見える。

では水の不足する地方だろうか?瀬戸内の香川県あたりか?大都市を抱えながらも大きな河川を持たない福岡か、補給地のない沖縄、島嶼地域か、愛知県も三河あたりは渇水には弱い地域だ。

確かに、ここらあたりの地方は、数年に一度は、給水制限のような事態に見舞われる。だが、慢性的な水不足を経験してきたこれらの地方は、その状態を生来受け入れてきており、それなりに対策も行ってきていて、ストレスが溜まるという風ではない。

では、しばしば洪水に襲われる 濃尾平野の河口域あたりだろうか?いやいや、こことてストレスが溜まっているわけではない。昔から河は氾濫したが、ここに住みついてきたのだ。河口堰や河川行政に対するストレスはありそうだが、それはダム問題を抱えるどの地方にもありそうだ。

だんだん絞られてきた。ここらで皆さんは思うかもしれない。ははーん、きっと諫早のことを言おうとしているのだなと。湾内の干拓淡水化と海苔養殖の間で揺れる行政に対する。地元のストレスはさぞかしのものだろうと、だが諫早は小さなエリアで人口が少ない。私の想像するストレスのある地方は違う所のことだ。




水争い




これは私の想像だし、程度の問題なので、ここが一番ひどく水に対するストレスがあるだろうといったところで、当たっていようが外れていようが、そう意味のあることではない。しかし、ここの問題はいろいろ考えさせてくれる。

それは関東地方の水源県と呼ばれる、山地を背景にした群馬、栃木あたりの地域だ。

関東は利根川を軸に都県が一体となって水の需要の予測を立て、水源を確保し、水源開発を行っている。国が広域を主導して管理するエリアは、他にも、木曽川流域や淀川流域などあるが、このエリアはどうも上流と下流の関係がギクシャクしている。

水源開発が地方自治体の重要な仕事になったのは、人口が増え、工業用水が必要になり、水の使用量が増えてきた戦後からだ。

中央政府が所在し、企業の本社が集中し税収が多くてお金持ちの東京は、早くから水源地の水利権を確保してきた。一方、地下水がいくらでも湧いた群馬県あたりは、利根川水系の利水権を欲してこなかった。その結果、地元を流れる川の取水権はほとんど下流の都県に握られるという状態になって現在にいたっている。

ところが工場を誘致し、タダ同然で良質の地下水を企業がどんどん汲み上げ、人口が増加して一人あたりの使用量が増え、さすがに地下水の水位が下がり始めた。そうして役所が恐れてなかなか口にしない現象、地盤沈下が見られるようになってきた。

慌てた群馬県は地下水の取水を増やさないように、表流水から取水することを検討しはじめた。ところが、既に水利権が確定していて、目の前の水を勝手に取ることが出来ない。ダムをつくろうにも適地は既に国や下流の自治体が管理するダムが出来ているか、場所を抑えられている。

近年、夏になると群馬県は水不足が心配されるようになったが、なかなか手に入らない。だが、下流の地方は水利権があって涼しい顔だ。水資源対策会議に顔を出すが自分たちはさほど苦しんでおらず、水も使いたい放題だ。下流は水が不足してくると、10%の給水制限とか始めるが、それでも都市部の生活は全然困らない。ということは、普段からいかにたくさんの水を使っているかということだ。しかし群馬県は違う 給水制限は生活に直にひびく。

こうして群馬県民は下流に対し、文句を言えないストレスをすごく抱えている。

もしこれが一国の地方自治体の話でなかったら、国際河川の上流と下流の国だったら、群馬の国は欲しい水を取るだろう。すると、下流の国は水をよこせといい、争いになっていただろう。




水利権




水利権というのは、どうも欠陥がある。

水資源(水力発電も含む)の開発はダムや水路の建設など、莫大な費用が掛かるので、施工者が安心して投資を行えるよう、 水利権の設定を認めるところからはじまっている。この水利権はいったん設定されると、10年とか20年、30年ごとに見直しは行われるのだが、辞退を申し出ない限り、その権利は継続され、既得権者が認めない限り、新規取得希望者への分割は起こらない仕組みだ。

こうして下流の東京都などは、本来なら群馬県が使ってもいい筈の水を譲ろうとしない。

困った上流は、水が不足している現状を源流部を視察してみて、協議しようと呼びかけるが、肝心の都はいっこうに誠意を見せない。水の使用量を減らす努力はせず、お金を出してダムを作る話しかしない。

この水利権の制度は、どうも閉鎖的で固定的だ。新規取水希望者の意向が無視されなくて、かつ、大規模出資者が身を滅ぼすことのないような制度に変更すべきだ。

こうした不自然が続いた結果、群馬県は苦しいことになっている。県は独自の水源を持つのが悲願になり、長年かかって、多目的ダムの建設に頭を突っ込み、少ない水量だが水利権を確保して水道を作った。高度成長時代で水の需要予測も高く見積もっていた。

ところが、この水道はとてつもなく高くつく。水道事業は公益企業による独立採算性と決まっているので、受益者負担の原則から算出すると、非常に高い水道代になってしまう。それが嫌なので、皆ますます地下水を汲み上げる。地盤沈下は進み、浅井戸は枯れ、水道局は大赤字いったい誰が悪かったのだろう?

この上流の苦しみを下流が見捨てていたら、いつかしっぺ返しをくらうような気がする。





logo
HOME | WOMBAT | NOWHERE | MAIL | MAILING LIST参加 | MAILING LIST過去ログ | BBS



 ・ 微生物活用循環農法 1

 ・ 光合成菌で育てた!?サツマイモ

 ・ 微生物活用循環農法 2

 ・ 微生物活用循環農法 3・4実践編

 ・ 微生物活用循環農法 5

 ・ 微生物活用循環農法 6

 ・ 微生物活用循環農法 7

 ・ 微生物活用循環農法 8

 ・ 微生物活用循環農法 番外編「迫り来る!食料危機」

 ・ ペイする国内農業

 ・ 人糞有効活用への道

 ・ 人糞有効活用への道



 ・ 微生物による土壌の浄化



 ・ 微生物による水の浄化

 ・ 水汚染の止めるには微生物有効利用が鍵

 ・ 世界的な水不足

 ・ 国内の水不足、水争い、水利権

 ・ いかに水を浄化するかが水問題のポイント

 ・ 世界的な水汚染
 ・ 野菜の洗浄消毒
 ・ 塩素
 ・ 連載をはじめた経緯
 ・ 石井式浄化槽
 ・ 石井式浄化槽をめぐって
 ・ 下水道時代から個別浄化時代へ
 ・ 汚れは資源
 ・ 過剰な地下水の汲み上げ
 ・ 設備の小口分散化
 ・ 新しい水のシステム NEW!



 ・ 理想のトイレを考える

 ・ 汲み取り式トイレの話題

 ・ 家つくりのヒント 1



 ・ 微生物と共存するライフ問答


copy right (c) 2001 Fujita Sahaj Licenced Publically under GPL
artwork form Meena's e-nikki ( copyleft )
designed by maha, NOWHERE